マルチング
表示
マルチング (Mulching) とは、畑の表面を紙やプラスチックフィルム等で覆うこと。被覆資材の種類や被覆方法によりさまざまな効果が得られる。[1]
マルチングの効果と短所
マルチングの効果
- 炭素率の大きな有機物を土に施すと、窒素飢餓を招くため、雑草の繁茂を抑える効果がある
- 土壌の団粒構造を維持する
- 地温の調節
- 肥料の流亡を防ぐ
- 土壌の跳ね返りを防ぐことで、収穫物の汚損防止や病害抑制になる
- 土壌からの水分蒸発を抑える
マルチングの短所
- 追肥を行うことが難しい
- 使用後はごみになる
- よく押さえておかなければ、風で飛ばされる。これは植物体が小さいときに起こりやすい。
- 炭素率の大きな有機物を土に施すと、作物の利用できる窒素が少なくなって、作物の窒素飢餓に陥りやすい。
被覆資材
生分解性で使用後は土壌に鋤き込むことができる。ポリエチレンを使用したマルチングよりも耐久性が劣る。植物原料のため環境汚染の心配がない。虫が湧きやすい。
- 藁(わら) - つる性の植物(かぼちゃ、スイカなど)が自身を絡みつかせやすい。
- 紙 -
- 落ち葉 - 手軽に使用できる。腐食し土壌改良の効果もある。
- ウッドチップ/バークチップ - 木材や樹皮(バーク)から製造される。雑草の発育抑制には効果があり、降雨による土壌流出や泥跳ねを抑え、装飾としてグラウンドカバーに使用され、保湿効果も得られる。
さまざまな有機物の炭素率
稲わら | 60 |
もみ殻 | 75 |
小麦わら | 90 |
広葉樹落葉 | 50~120 |
針葉樹落葉 | 20~60 |
樹皮 | 100~1300 |
おがくず | 134~1064 |
剪定枝 | 70 |
竹 | 280 |
プラスチック
ポリエチレンを使用している。耐久性が高いが、有機物材料と違い使用後にゴミになってしまう。生分解性プラスチックを使用したマルチングは、この点で有利である。
- 白色マルチ
- 黒色マルチ - 地温上昇に効果があるが、マルチ自身の温度が高くなるため、葉焼けが発生しやすくなる。
- 透明マルチ - 地温上昇に最も効果がある一方、雑草が繁茂しやすい。
- 銀(色)マルチ(シルバーマルチ) - 地温抑制効果がある。また、アブラムシは銀色の物体を嫌う性質があるため、アブラムシを防除する効果もある。
施工方法
小規模なマルチングは人力で施工するが、大規模なマルチングではトラクターにマルチング用のアタッチメントを装着して機械力で施工する。