7つの初期の歌曲
『7つの初期の歌』(ななつのしょきのうた、ドイツ語: Sieben frühe Lieder)は、アルバン・ベルクの歌曲集である。ベルクがまだアルノルト・シェーンベルクの弟子だった期間の1905年ごろから1908年にかけて作曲された。
ベルクが作曲した歌曲は83曲に及ぶが、生前に出版したのはこの曲集と『4つの歌曲』作品2だけであり、その他の作品は死後出版された(ただし、演奏会用アリア「ぶどう酒」は1930年に、別人の手によるピアノ伴奏編曲版がウニヴェルザール出版社より出ている)。
まず、ベルクの作曲家としてのデビューとなった1907年11月7日のウィーン商業組合ホールでの《シェーンベルクの弟子たちの作品発表会の夕べ》において後の第3・4・6曲が演奏された(ベルクによれば、『疑いもなく最もよくできた』第4曲は不評で、『最も脆弱な』第3曲が大衆受けしたという)。その後、改訂された1928年に全曲が初演された。
シェーンベルクの影響力は濃厚で否定しがたいものの、それとシェーンベルク以前のドイツ・リートの遺産とが結合されており、リヒャルト・ワーグナーの情感豊かな表現や「新しい展望」を介して、とりわけリヒャルト・シュトラウスの書法に非常に影響されている。ソプラノとピアノ伴奏のために作曲されているが、1928年には出版と共に改訂され、また管弦楽伴奏版も作成された。
楽器編成
[編集]フルート2(2番はピッコロ持ち替え)、オーボエ2(2番はイングリュッシュホルン持ち替え)、クラリネット3(うち1はA管)、ファゴット2、コントラファゴット、ホルン4、トランペット1、トロンボーン2、ティンパニ、大太鼓、タンブリン、トライアングル、タムタム、シンバル、ハープ、チェレスタ(任意)、弦五部
演奏時間
[編集]約17分。
構成
[編集]以下の7曲からなる。
- 夜 Nacht(詩:カール・ハウプトマン)
- 葦の歌 Schilflied(詩:ニコラウス・レーナウ)
- 夜鳴きうぐいす Die Nachtigall(詩:テオドール・シュトルム)
- 夢に見た栄光 Traumgekrönt(詩:ライナー・マリア・リルケ)
- 室内にて Im Zimmer(詩:ヨハネス・シュラーフ)
- 愛の賛歌 Liebesode(詩:オットー・エーリヒ・ハルトレーベン)
- 夏の日 Sommertage(詩:パウル・ホーエンベルク)
参考文献
[編集]- 総譜(ウニヴェルザール出版社)
- 『アルバン・ベルク―伝統と革新の嵐を生きた作曲家』、ヴィリー・ライヒ著、武田明倫訳、音楽の友社
外部リンク
[編集]- 7つの初期の歌曲の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト。PDFとして無料で入手可能。