MetaWalkers
MetaWalkers (メタウォーカーズ) とは、ピー・ビーシステムズが開発・展開する立体映像の投影装置を用いコンテンツと呼ばれる専用の3Dアニメーションを上映するショートムービーシアター施設である。
2020年5月までは、日本国内では『4D王』、海外では『4DOH』と表記を使い分けていたが、同年6月より後者に表記を統一[1]。2023年1月に「MetaWalkers」へ名称変更した[2]。
概要
[編集]2010年12月、ピー・ビーシステムズがシステム・プロが保有していた特許第4166260号『立体映像の投影方法及び立体映像の投影装置』[3]を代物弁済により取得し、事業展開を開始[4]。
大型の円筒形状の施設内部に、シート状スクリーンを全周囲に設置し、複数のプロジェクターを用い、360度切れ目のない3次元映像を合成投影する。 観察者は、円筒形内部中央付近で円偏光方式の3D眼鏡を着用する事で、360度立体映像空間に没入している感覚を得られる。 特殊な映像処理により、観察者自身に映像が迫り、体を突き抜けたり、空間に物体が浮遊する表現の実現により、没入感を高めている。 また、上映されるコンテンツ内容に合わせ、ボディソニックやエアー等の複数のギミックを連動させることで4D効果を図っている。
没入感が高いため、長時間のコンテンツは不向きとされ、主に10分前後のショートストーリーとなっている。
アミューズメント施設、商業施設向けの一般公開コンテンツの他、観光、医療、災害対策等の各種シミュレーターとして利用できる可能性がある。
アンカー等を用いた固定型の施設ではなく、常設タイプの機種でも設置、撤去工事は数日間で実施できるため、期間型のイベント興行や移動型興業にも適している。
2015年5月には泉陽興業と4D王販売に関する業務提携を締結[4]。
2017年には可搬型タイプ「ギャロップ」がリリースされた。この可搬型タイプの4D王は設置10時間/解体3時間(搬入/搬出時間を除く)と、常設タイプよりも短時間での導入~撤去が可能となった結果、開催期間が数日程度の短期間イベントにもスムーズに4D王を導入できるようになった。実際に2018年のゴールデンウイークに開催された「ヤフオクドームキッズチャレンジ」イベントでは、わずか6日間の短期イベントにもかかわらず4D王ギャロップシルバー(25名型)が導入され、3,488名の4D王入場客数を記録している。
2018年に福岡市科学館の一周年を機に行われた「クリエイティブスペース プロデュースコンテスト」で4D王は大賞を受賞し、2018年9月末より1年間、福岡市科学館内のクリエイティブスペースで実機展示がはじまっている。館内に展示されている4D王は、操作員が不要な無人運用対応のシステムが採用され、客室の座席にはキューブ型スツールを採用するなどのカスタマイズが施されている。キューブ型スツール座席は座席レイアウトの変更やイベントにあわせた座席撤去(フラットフロア化)を可能としている。
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4D王(大型タイプ)外観
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4D王(大型タイプ)内部
基本情報
[編集]- 常設タイプ(4D王ナンバーナイン・シルク):
- 直径:4.1m
- 天井高:2.6m
- 映像:720P&1080Pの双方対応
- 音源:オリジナル6.2chサラウンド
- 定員:1~9名(4D王ナンバーナイン)/12名(4D王シルク)
- 常設タイプ(4D王クリスタル):
- 直径:4.7m
- 天井高:2.9m
- 映像:720P&1080Pの双方対応
- 音源:オリジナル6.2chサラウンド
- 定員:16名
- 常設タイプ(4D王シルバー):
- 直径:6.5m
- 天井高:3.5m
- 映像:720P&1080Pの双方対応
- 音源:オリジナル6.2chサラウンド
- 定員:25名
- 常設タイプ(4D王ダイヤモンド):
- 直径:10m
- 天井高:4.6m
- 映像:720P&1080Pの双方対応
- 音源:オリジナル6.2chサラウンド
- 定員:60名
その他10名~100名定員までカスタマイズ可能
- 可搬タイプ(ギャロップクリスタル):
- 直径:4.7m
- 天井高:2.6m
- 映像:720P&1080Pの双方対応
- 音源:オリジナル6.2chサラウンド
- 定員:16名(ベンチ型長椅子)
- 設置約10時間(搬入時間別)、 解体約3時間(搬出時間別)
- 可搬タイプ(ギャロップシルバー):
- 直径:6.4m
- 天井高:3.2m
- 映像:720P&1080Pの双方対応
- 音源:オリジナル6.2chサラウンド
- 定員:25名(ベンチ型長椅子)
- 設置約10時間(搬入時間別)、 解体約3時間(搬出時間別)
特殊効果
[編集]- ボディーソニック
- フロアバイブレーション
- エアガン
- アロマフィーダー(オプション)
- スノーマシン(オプション)
- バブルジェネレータ(オプション)
関連情報
[編集]- 日本特許取得済:第4166260号
- 米国特許取得済:第8508583号
- 台湾特許取得済:第I446005号
- インド特許取得済:第288477号
- EPC(EU)への特許出願中
コンテンツ
[編集]- 「Fantasic World」ファンタジックワールド
- 「Aqua World」アクアワールド
- 「Little Dino」リトルダイナ
- 「Dream World」ドリームワールド
- 「Galaxy Tours」ギャラクシーツアーズ
- 「Alien Zone」エイリアンゾーン
- 「Ninjya」忍者
- 「The Room」ザ・ルーム
- 「リッキーと黒き炎」
- 「聖マルチーズ女学園 臨時体育教師 ジョン」
- 「マルスの赤いスカーフ」
- 「聖マルチーズ女学園 臨時体育教師ジョンpart2 ~美女はヅラがお好き」
- 「猫島ロケンロール」
- 「キュン様&ゴスの爆笑★マジックショウ」
- 栃木アイドル「パツイチモンスター」”サーカス”PV for 4D王(実写&3DCG)
- 「金魚のくしゃみ」
- オール長洲町ロケ「金魚の気持ち」(実写&3DCG)
- 「とおりゃんせ 丑三つ刻の人形通り」
- 「頭文字D project VR -疾駆-」
- 「リトルブレイバー ルックとメルトの大冒険」
- 「ウルトラマンゼロ Another Battle 〜光と力〜」
- 「アイスの小さな大冒険!」
- 「藤田恵名MV -焦燥、脈打つ檻の中-」(実写&3DCG)
- 「恐怖列車」
- 「恐竜戯画」
設置場所履歴
[編集]- 国内:
- ホークスタウンモール(2013年)
- ヒルゼン高原センター(2014年)
- 沖縄県豊崎ライフスタイルセンター TOMITON[5](2014年)
- お台場 VenusFort ヴィーナスフォート(2014年)
- 千歳アウトレットモール・レラ(2014年)
- 沖縄県うるま市うるまシティ・プラザ(2014年)
- 福岡県大野城市「居酒屋 庄の笛」(2014年)
- 沖縄県「おきなわワールド玉泉洞」(2015年)
- 埼玉県大宮「RAKUUN」(2015年)
- 北九州市「あるあるCity」(2015年)
- 佐賀県三瀬峠「旬菜さと山」(2015年)
- 栃木県那須塩原市「那須ロワイヤル」(2015年)
- 熊本県長洲町「金魚の館」ギョギョっと4D!シアター(2016年)
- テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭り SUMMER STATION『無人島0円生活 ぐるっと360°4Dシアター』(2016年)
- 千葉県柏市「タイトーステーション セブンパークアリオ柏店」(2016年)
- 佐賀県佐賀市「モラージュ佐賀」(2016年)
- 福岡県福岡市「タイトーステーション マリノア店」(2017年)
- 福岡県福岡市「スポガ 香椎店」(2017年)
- 福岡県久留米市「スポガ 久留米店」(2018年)
- 福岡県福岡市「福岡市科学館」(2018年)
- 沖縄県うるま市「沖縄電力電気科学館」(2019年)
- 国内 4D-KING ブランド:
- 下関市「はい!からっと横丁」(2015年) 4D-KING
- 名古屋市「名古屋港シートレインランド」(2015年) 4D-KING
- 横浜市「よこはまコスモワールド(みなとみらい)」(2015年) 4D-KING
- 静岡県伊東市「伊豆ぐらんぱる公園」(2015年) 4D-KING
- 大阪府枚方市「ひらかたパーク」(2016年) 4D-KING
- 千葉県木更津市「木更津かんらんしゃパーク KISARAPIA」(2016年)4D-KING
- 北海道紋別市「氷海展望塔 オホーツクタワー」(2016年)4D-KING
- 静岡県浜松市「ゆうえんち 浜名湖パルパル」(2017年)「マスケラーナの4Dシアター」
- 海外:
- 麗寶楽園 福容大飯店<台湾台中市>(2016年)
- Bà nà Hills <ベトナム>(2012年)
脚注
[編集]- ^ 株式会社ピー・ビーシステムズ (2020年7月29日). “「4DOH」のスポーツ分野への活用に向け、新トレーニング方法の共同研究を九州産業大学と開始”. 福岡証券取引所. 2022年7月19日閲覧。 “従来は国内における表記を「4D王」、海外における表記を「4DOH」としていましたが、ブランド・イメージ向上のため2020年6月より国内・海外とも「4DOH」の表記に統一しております。”
- ^ “製品名の変更に関するお知らせ”. 株式会社ピー・ビーシステムズ (2023年1月16日). 2023年4月2日閲覧。
- ^ 立体映像の投影方法及び立体映像の投影装置 - J-GLOBAL
- ^ a b 浅川裕之 (2019年9月13日). “エイチ・エス銘柄レポート 株式会社ピー・ビー・システムズ(4447)”. エイチ・エス証券株式会社. p. 3. 2022年7月19日閲覧。
- ^ 沖縄タイムス記事 2014年3月21日版