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2008年ブータン総選挙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2008年ブータン総選挙
སྤྱི་ལོ་༢༠༠༨ ལུ་ འབྲུག་གི་བཙག་འཐུ་
ブータン
2008年3月24日
→ 2013年

内閣 第2次キンザン・ドルジ内閣
公示日 2008年2月7日
改選数 47
選挙制度 小選挙区二回投票制
有権者 満25歳以上満65歳未満のブータン国民
有権者数 318,465
選挙後の党派別勢力図

投票率 79.38%
  第1党 第2党
 
党首 ジグメ・ティンレー サンゲ・ゲドゥプ
政党 ブータン調和党 国民民主党
党首就任 2007年8月 2007年
獲得議席 45 2
得票数 169,490 83,322
得票率 67.04% 32.96%

選挙前首相

キンザン・ドルジ
無所属

選出首相

ジグメ・ティンレー
ブータン調和党

2008年ブータン総選挙(2008ねんブータンそうせんきょ、ゾンカ語: སྤྱི་ལོ་༢༠༠༨ ལུ་ འབྲུག་གི་བཙག་འཐུ་)は、2008年3月24日ブータンで行われた国民議会議員の総選挙である[1]

概要

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普通選挙を初めて導入した。

模擬選挙

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普通選挙を国民に浸透させるため、2007年4月21日に模擬選挙を行われた。模擬選挙は、新しい選挙制度に合わせて有権者約1,000人ごとに区割された47選挙区・869投票所で開催された[2]

模擬政党としてブータンのシンボルである「ドゥク(雷龍)」を冠にした

  • ドゥク・イエロー党(黄は「従来の価値」)
  • ドゥク・レッド党(赤は「産業開発」)
  • ドゥク・ブルー党(青は「公平と説明責任」)
  • ドゥク・グリーン党(緑は「環境」)

の4政党から投票し、得票数が高い2党が5月28日に行われる決選投票に進む[3]。また、模擬選挙実施へ国際連合とインドから選挙監視団が派遣された[4]

模擬選挙の結果、ドゥク・イエロー党が最多得票を獲得し、ドゥク・レッド党と決選投票に進出した[5]

e • d  ブータンの旗 2007年ブータン模擬予備選挙
(2007年4月21日施行)
模擬政党 得票数 得票率
ドゥク・イエロー党 55,263 44.30%
ドゥク・レッド党 25,423 20.38%
ドゥク・ブルー党 25,295 20.28%
ドゥク・グリーン党 18,766 15.04%
合計 124,747 100.0%
登録有権者(投票率) 283,506 44.00%

47選挙区の両党候補者として、無作為に選出された高校生が立候補した。投票率は66%[6]

4有権者登録の資格は約40万人であったが、283,506人が有権者登録をした[7]

選挙データ

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内閣

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公示日

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  • 2008年2月7日
選挙運動期間は2月7日から3月22日の45日間[8]

投票日

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  • 2008年3月24日
投票は午前9時から午後7時まで行われ、その後開票が行われた。
郵便投票は2月7日から2月18日まで行われた[8]

改選数

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  • 47

選挙制度

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選挙登録した政党が参画する予備選挙(第1回選挙)を経て、上位2党の候補者による決選投票で選出する[9]
選挙登録した政党が2党のみであったため、決選投票のみ行われた[1]
投票方法
秘密投票、単記投票、1票制
選挙権
満18歳以上のブータン国民
被選挙権
満25歳以上満65歳未満のブータン国民
登録有権者数
318,465
2008年1月1日までに18歳以上で、2008年2月20日までに選挙委員会へ有権者登録を行ったブータン国民[8]

選挙活動

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選挙委員会への政党の登録手続は、意向書、候補者リスト、選挙マニフェストおよび監査済み財務諸表の提出が義務付けられており[8]ブータン調和党国民民主党ブータン国民党が選挙登録したが、国民党は候補者申請の不備により登録を取り消された[10]

2008年1月22日に調和、国民民主両党のマニフェストが公開され、1月31日から2月7日までに両党は47選挙区の候補者を推薦決定[要出典]

選挙結果

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3月25日に投票結果が宣言され、投票率は79.38%であった。

ジグメ・ティンレー率いる調和党が44議席を獲得して圧勝した。一方の国民民主党は、国王の伯父で首相でもある党首のサンゲ・ゲドゥプが落選するなど、わずか3議席と大敗した[11]。 最終的に集計結果にミスがあり、調和党が45議席、国民民主党が2議席で確定した[12][13]

調和・国民民主の両党は王党派で、元首相が党首を務めるなど党の性格に大きな差が見られないにもかかわらず、調和党が圧勝した背景に、国民民主党がゲドゥプが国王の親族であり、経済界の支援が背景にあることが国民の拒否反応を招いたと指摘されている[14]

国民民主党は政府が調和党支援で影響力を行使したと批判し、選挙結果の受け入れを拒否した[15][16]

党派別獲得議席

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e • d  ブータンの旗 2008年ブータン国民議会総選挙 (2008年3月24日施行)
政党 獲得
議席
増減 得票数 得票率
ブータン調和党 45 増加045 169,490 67.04%
国民民主党 2 減少002 83,322 32.96%
総計 47 増加047 252,812 100.0%
有効票数(有効率) - - 252,812 100.0%
無効票・白票数(無効率) - - 0 0.00%
投票者数(投票率) - - 252,812 79.38%
棄権者数(棄権率) - - 65,653 20.62%
有権者数 - - 318,465 100.0%
出典:欧州連合選挙監視団最終報告書


選挙後

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4月5日、調和党は役員会で党首のティンレーを首相候補に承認し[17]、4月9日に首相に就任した[18]

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b Bhaumik, Subir (17 January 2008). “Main Bhutan election date is set”. BBC News. オリジナルの27 December 2008時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20081227045917/http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/7193818.stm 20 November 2008閲覧。 
  2. ^ Bhutan set for mock elections on April 21 Archived 30 September 2007 at the Wayback Machine. Hindustan Times, 20 April 2007
  3. ^ Bhutan holds fake national poll BBC News, 21 April 2007
  4. ^ Bhutan's election dummy run The Australian, 21 April 2007
  5. ^ Bhutan votes for tradition and monarchy in mock poll The Star, 22 April 2007
  6. ^ Bhutan mock poll votes for tradition The Star, 30 May 2007
  7. ^ Encouraging turnout in Bhutan's historic mock polls India eNews, 28 May 2007
  8. ^ a b c d “March is on to Assembly Elections”. Kuensel Newspaper. (19 January 2008). オリジナルの10 June 2011時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110610230217/http://www.kuenselonline.com/modules.php?name=News&file=article&sid=9739 11 December 2008閲覧。 
  9. ^ “Caretaker prime minister appointed in Bhutan”. Hindustan Times (Indo-Asian News Service). (3 August 2007). オリジナルの30 September 2007時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20070930030920/http://www.hindustantimes.com/StoryPage/StoryPage.aspx?id=0fc17dd6-a4cd-4ccc-9dd4-e0fc571d7c02&&Headline=Caretaker%20PM%20appointed%20in%20Bhutan 20 November 2008閲覧。 
  10. ^ “Bhutan gets third political party”. The Hindu. (6 May 2007). オリジナルの11 January 2008時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20080111080344/http://www.hindu.com/thehindu/holnus/003200705061012.htm 20 November 2008閲覧。 
  11. ^ 諸橋邦彦「ブータン王国2008年国民議会議員選挙とその制度的特徴」『法政理論』第45巻第3号、新潟大学法学会、2013年3月、315-351頁、CRID 1050845764168643328hdl:10191/21771ISSN 02861577 
  12. ^ Results of the Phuentsholing Constituency of National Assembly Election 2008 under Chukha Dzongkhag”. PDF (27 March 2008). 28 October 2008時点のオリジナルよりアーカイブ。21 November 2008閲覧。
  13. ^ Majumdar, Bappa (27 March 2008). “CORRECTED: Bhutan corrects poll results, opposition shrinks”. Reuters. https://www.reuters.com/article/worldNews/idUSDEL16203420080327 21 November 2008閲覧。 
  14. ^ Erdrutschsieg der Royalisten in Bhutan (International, NZZ Online) (German)
  15. ^ Denyer, Simon (28 March 2008). “Bhutan loses opposition as MPs cry foul over poll”. Reuters India. http://in.reuters.com/article/topNews/idINIndia-32738320080328 11 December 2008閲覧。 
  16. ^ “PDP asks ECB to investigate "very strange developments" before elections”. Kuensel Newspaper. (29 March 2008). オリジナルの10 June 2011時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110610230307/http://www.kuenselonline.com/modules.php?name=News&file=article&sid=10108 11 December 2008閲覧。 
  17. ^ “DPT endorses Jigmi Y Thinley as Prime Minister”. Kuensel Newspaper. (5 April 2008). オリジナルの10 June 2011時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110610230349/http://www.kuenselonline.com/modules.php?name=News&file=article&sid=10149 11 December 2008閲覧。 
  18. ^ "Thinley takes over as Premier", The Hindu, 11 April 2008.

関連項目

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参考文献

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外部リンク

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