高梨悠介

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たかなし ゆうすけ

高梨 悠介
生誕 (1992-10-22) 1992年10月22日(31歳)
国籍 日本の旗 日本
活動期間 2006年-
著名な実績

世界選手権優勝5回 (2009,2010,2012,2015,2017)

トリックグリモワール杯一位
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高梨 悠介(たかなし ゆうすけ、1992年10月22日 - )は、日本のオセロ選手。オセロ連盟認定九段。

経歴[編集]

オセロを始めたのは2006年の4月あたりで最初は遊び半分でやており、最初の頃は運で決まるっと思ったが、しっかり必勝法の理論が存在すると気づき、そこから「どうやったら強くなれるか」と本格的にオセロの研究を始めた。2年後、2008年の全日本選手権で当時四段で初めて決勝まで進んだが残念ながら優勝を逃してしまい、そこで高梨はとても悔しい思いをし、本人曰く「一生のチャンスを逃してしまった」と述べている。そこで色々な策を練り、そして翌2009年の名人戦で後藤宏に優勝し、その年の世界選手権の出場権を手に入れたと同時に七段に昇段。そして初出場の世界選手権で17歳という若さで優勝した。そして翌年の2010年の世界選手権では2連覇を獲得し、史上初10代で世界選手権を連覇した人物。もし後1回翌年に続けて世界選手権を優勝できれば為則英司の世界選手権3連覇と並ぶところだったが、2011年全日本選手権の決勝で岡本一樹九段に負けてしまい世界選手権の出場を逃す。高梨はとても残念な想いをしたが本人はまだその夢を諦めていないそう[1]

最近ではオセロニアのイベント活動も頻繁に努めている。

2020年現在、世界でわずか7人しかいないオセロ九段保持者の1人であり、さらに史上初10代で九段を取った人物であるがすぐに岡本一樹が19歳で同じだが年齢の数ヶ月の差により岡本が更新した。さらに世界選手権の優勝合計は5回であり、後2回で鬼神・為則英司と並ぶ唯一無二のプレイヤーである。

人物[編集]

高梨の一生の目標は

  • 鬼神・為則英司の世界選手権7回優勝を越えること。(現在:計5回)
  • 為則の世界選手権3連覇を越えること。(現在最高:2連覇)
  • 世界選手権の予選から決勝まで負けなしの17連勝(予選で13連勝、準決勝2連勝、そして決勝での2連勝、計17回。)を記録する。(現在 予選:最高12勝、9連勝、準決勝:2連勝、決勝:2連勝)
  • 一年間の名人戦、全日本選手権、そして王座戦の三冠全てを得て優勝する。(現在 最高:1年間の名人戦と王座戦)

オセロ世界選手権のほとんどが海外が行われており、当時高梨はまだ高校生であり、一週間ほど学校をお休みする必要があり、行く寸前に先生だけに伝えたが、日本に帰国後には担任がもう暴露していたというストーリーがあった。

師匠は中島哲也八段。

2018年の世界選手権の出場権を得たあと、師匠の中島哲也の動画で意気込みなどを聞かれた際に、高梨は「去年まではすごい出たいと思ったんですけど、なんか今年は別にそこまで出たいとも思ってなかった。」と述べた。


・2012年の全日本選手権の優勝により史上初10代で九段に昇段した人物。

棋風[編集]

正確な打ち回しで他のプレイヤーからはまるでコンピューターのようだと言われており。基本的にはオセロのプログラムを使って後で分析してみてもほぼ最善手しか打っていない。本人曰く、無理、強引な手はほとんど打たず、そこの調和が師匠の中島哲也八段に似ている。

本人の成功の秘訣としては「継続は大事ですが、愚直に同じことを続けていても成功は続かないと思っています。

私が趣味で続けているオセロで5度世界チャンピオンになれたのは、常に高みを目指し、変わり続けることが出来たからだと思います。

そしてそれはオセロに限らず、私生活、仕事にも同じことが言えるはずです。

様々な場面で決断、選択、対応を求められることがありますが、恐れずに常に新しいことに挑戦し、時には失敗もバネにしながら、変わり続けることで成長をしていきたいです。」と心掛けている。

成績[編集]

  • 世界選手権無差別級
    • 優勝5回(2009・2010・2012・2015・2017)
    • 準優勝1回(2019)
    • 3位2回(2016・2018)
  • 国内タイトル
    • 全日本選手権優勝2回(2012・2019)
    • 名人戦優勝4回(2009・2010・2015・2017)
    • 王座戦優勝3回(2015・2016・2018)

2008年

  • 第36回全日本選手権 準優勝

2009年

  • 第30期名人戦 優勝 七段に昇段
  • 第33回世界選手権 個人 初出場で初優勝(今まで43年間やった中の数人に一人)
  • 第33回世界選手権 団体 5連覇

2010年

  • 第31期名人戦 2連覇 八段に昇段
  • 第34回世界選手権 個人 2連覇
  • 第34回世界選手権 団体 6連覇

2011年

  • 第39回全日本選手権 準優勝

2012年

  • 第40回全日本選手権 優勝 九段に昇段
  • 第36回世界選手権 個人 3度目の優勝
  • 第37回世界選手権 団体 8連覇

2013年

  • 第1回Othello World Cup  7位

2014年

  • 第2回Othello World Cup  3位

2015年

  • 第36期名人戦 3度目の優勝
  • 第10期王座戦 優勝
  • 第39回世界選手権 個人 4度目の優勝
  • 第39回世界選手権 団体 11連覇

2016年

  • 第11期王座戦 2連覇
  • 第40回世界選手権 個人 史上初の3位
  • 第40回世界選手権 団体 12連覇

2017年

  • 第38期名人戦 4度目の優勝
  • 第45回全日本選手権 10位
  • 第12期王座戦 10位
  • 第41回世界選手権 個人 5度目の優勝
  • 第41回世界選手権 団体 13連覇

2018年

  • 第39期名人戦 14位
  • 第46回全日本選手権 3位
  • 第13期王座戦 3度目の優勝
  • 第42回世界選手権 個人 2度目の3位
  • 第42回世界選手権 団体 14連覇

2019年

  • 第40期名人戦 同率5位
  • 第47回全日本選手権 2度目の優勝
  • 第14期王座戦 13位
  • 第43回世界選手権 個人 史上初の準優勝
  • 第43回世界選手権 団体 15連覇

2020年

  • 第48回全日本選手権 5位入賞

脚注[編集]

  1. ^ 「僕はオセロに救われたので、本当に”オセロに恩返し”をしたいと思ってるんです」高梨九段インタビュー”. Othello Graph. 2020年10月9日閲覧。

外部リンク[編集]