頌栄幼稚園頌栄保姆伝習所

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頌栄幼稚園頌栄保姆伝習所(しょうえいようちえんしょうえいほぼでんしゅうしょ)は、1889年、アニー・ライオン・ハウによって創設された、日本最古のキリスト教系の保育者養成機関[1]のひとつである[2]

概略[編集]

ハウは、幼稚園の創設に先立って保育者養成が必要として、当該機関を開設した。当時、修業年限2年、週の授業時間数は38時間であった。宗教教育を基礎として、フレーベルの教育哲学、教育思想を中心に学習した。 その教育課程には、修身、教育学、心理学、理科、保育法、唱歌、音楽、作文の教科があった。頌栄保姆伝習所は、後に開設されていく保母伝習所のモデルとなっている[3]。 1893年、それまでの普通科にさらに2年課程の高等科を設置した。これは日本では最初の4年制幼稚園教諭養成機関であった[4][5]。この伝習所と合わせて、同じ1889年に開設された幼稚園は、現在の頌栄幼稚園として存続している。

脚注[編集]

  1. ^ “歴史(あゆみ)”. 頌栄短期大学. (2010年10月11日). http://www.glory-shoei.ac.jp/tandai/about/history/ 
  2. ^ 東京女子師範学校は、1878年(明治11年)に、保姆練習科を設置している。
  3. ^ 宍戸健夫「永井 優美 著『近代日本保育者養成史の研究 キリスト教系保姆養成機関を中心に』」『教育学研究』第83巻第4号、日本教育学会、2016年、486-488頁、doi:10.11555/kyoiku.83.4_486ISSN 0387-3161NAID 130005681240 
  4. ^ 永井優美「戦前日本キリスト教系保姆養成機関における保姆養成の特質:―アメリカ人宣教師の保姆像に着目して―」『幼児教育史研究』第14巻、幼児教育史学会、2019年、42-54頁、doi:10.20658/youjikyoikushi.14.0_42ISSN 1881-5049NAID 130007815871 
  5. ^ 谷田貝公昭・林邦雄『保育用語辞典』一藝社 2006年 p.205-206

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 日本保育学会『日本幼児保育史第2巻』フレーベル館 1979年
  • 文部省『幼稚園教育百年史』ひかりのくに 1979年
  • 第24回全国私立保育園研究大会実行委員会編『保育の先駆者たち』兵庫県保育所連盟・神戸市私立保育園連盟 1981年