長田鞆絵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
長田 鞆絵
(おさだ ともえ)
向かって左、母の春枝に抱かれた幼少時の鞆絵。右端は父の大岡昇平、その左隣は鞆絵の兄の長男の貞一。1944年(昭和19年)1月、大岡の召集前に撮影。
誕生 (1941-02-01) 1941年2月1日(83歳)
兵庫県
職業 童話作家児童文学者
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 明治学院大学大学院
活動期間 1976年 -
ジャンル 児童文学童話
代表作さんぽみちのおきゃくさま』他
デビュー作もじもじびすけっと
配偶者
子供
親族 大岡昇平(父)
ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

長田 鞆絵(おさだ ともえ、1941年昭和16年)2月1日[2][3] - )は、日本童話作家[4][5]児童文学者[6]兵庫県出身、東京女子大学短期部卒業[4]小説家大岡昇平の長女[4]

経歴[編集]

短大を卒業後、父である大岡昇平の伝手で、出版社に就職[4][7]。一般の図書の出版部署は父との縁があるために避け、児童図書の出版部署で働く[7]

大学時代の友人と結婚した後、再び学業を希望して、就職から6年後に退職する[7]明治学院大学英文科、同大学院を経て、父の勧めで執筆業を始め[4][7]中央公論社から出版されていた全集の月報に、感想を書く[7]

出産を機に、編集者から童話の執筆を勧められ、処女作として、父と娘と愛犬をモデルにした幼年童話『もじもじびすけっと』を刊行する[7]。作中では父にあたる人物が死ぬ設定であり、父である大岡は完成後に内容を知って、流石に驚いたという[7]。以降は、童話作家として活動している[4]

代表作に『さんぽみちのおきゃくさま』などがある[6]。孤独な老女と動物たちの交流を描いた作品であり、児童文学評論家の西本鶏介により、登場キャラクターたちの生き生きとした描写が評価されている[8]

著作[編集]

  • 『もじもじびすけっと』講談社〈講談社の幼年創作童話〉、1976年7月。 NCID BA31780520 (おさだともえ名義[1]
  • 『少年少女全集 伝記と美しいお話』 13巻、講談社、1976年7月。 NCID BB00412246 
  • 『わたしうれしいの』講談社、1979年11月。全国書誌番号:80010218 
  • 『ひとりぼっちのびすけっと』講談社〈講談社の幼年創作童話〉、1980年6月。 NCID BA78184186 (おさだともえ名義[1]
  • 『さんぽみちのおきゃくさま』講談社、1983年11月。ISBN 978-4-06-127644-4 
  • 『コンチキ号のぼうけん』講談社〈ほんとうにあった美しい話〉、1984年6月。ISBN 978-4-06-188825-8 
  • 「もりのたね」『こどものくに チューリップ版』第17巻第2号、すずき出版、1989年5月、NCID AA12165604 
  • 「おばあちゃんのへや」『こどものくに ひまわり版』第23巻第9号、すずき出版、1989年12月1日、NCID AA12165626 

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 長田 鞆絵”. Webcat Plus. 国立情報学研究所. 2020年10月25日閲覧。
  2. ^ 金井他 1992, p. 333.
  3. ^ 『大岡昇平集』 18巻、岩波書店、1984年3月30日、510頁。ISBN 978-4-00-090798-9 
  4. ^ a b c d e f 上坂編 1992, p. 247
  5. ^ 小社会」『高知新聞』高知新聞社、2017年9月24日、1面。2020年10月25日閲覧。
  6. ^ a b 金井他 1992, pp. 81–83
  7. ^ a b c d e f g 上坂編 1992, pp. 65–71
  8. ^ 西本鶏介「ブックガイド」『幼児と保育』第29巻第13号、小学館、1984年1月1日、31-32頁、NCID AN00245854 

参考文献[編集]