見島牛
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見島牛(みしまうし)は山口県萩市見島で飼育されてきた日本在来牛である。西洋種の影響を受けていない日本の在来牛は、見島牛と竹の谷蔓牛と口之島牛の3種類しか残っていない。
見島牛[編集]
第二次世界大戦後まで役牛として600頭前後が飼育されていたが、農業の機械化と共に一時30頭前後まで減少した。見島ウシ保存会の努力で雌83頭、雄15頭(2000年)が保存されている。
血統[編集]
現在和牛として流通している品種は、明治時代、在来の和牛に多くの外国種を交配して作られたが、見島牛は外国種の影響を全く受けていない。
体格[編集]
体格は小さく、平均体高は130センチメートル前後。体型は前躯が優っており、全体として改良程度の低い、粗野な感じがある。
肉質[編集]
生まれた雄は繁殖用を除き去勢され食肉用に回される。その肉質は筋繊維が細かく脂肪交雑の多い、優秀な霜降り肉を生産する。市場に回るのは年間12頭程度に過ぎない。
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 瀬川清子『見島聞書』1938年
- 瀬川清子『日間賀島・見島民俗誌』1975年 ISBN 978-4624200145
- 岸浩「天然記念物にされた見島牛の実態について」(山口県地方史学会『山口県地方史研究45』1981年、pp.10-18