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脳腸相関

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

脳腸相関(のうちょうそうかん、英: brain-gut interaction)とは、ヒトにおいて脳の状態が腸に影響を及ぼし、逆に腸の状態も脳に影響を及ぼす現象である。脳と腸は自律神経系やホルモン、サイトカインなどの液性因子を介して密に関連していることが知られている。この双方向的な関連を「脳腸相関」(英: brain-gut interaction)または「脳腸軸」(英: brain-gut axis)と呼ぶ[1]。これは成人だけではなく子供にも見られる[2]。

脳が腸へ与える影響

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脳からは腸へ向けて神経が投射しており、精神的なストレスが消化管に影響を及ぼすことが知られている[3]。

腸が脳へ与える影響

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様々な原因で腸の状態が悪いと、血液を介して脳が有害物質に曝される危険性が指摘されている。また腸内で腸内細菌叢が産生する物質が、脳に影響を与えることもある。慶應義塾大学等の研究グループによれば、腸内細菌叢のうち水素産生菌が産生する水素が抗酸化物質として脳に到達し、脳内炎症の抑制に寄与している可能性があることを示している[4][5]。

直感への影響

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直感に頼ることが常に最適な意思決定戦略であるとは言えないが、実社会では時間的制約から直感に頼らざるを得ないことも少なくないため、脳の専門家は直感を完璧にするために脳腸相関を大切にすることを勧めている[6]。

双方向性

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脳腸相関は一方向の制御ではなく、脳と腸が相互に影響を及ぼす双方向の調節系である。

脳から腸への経路では、心理的ストレス、睡眠不足、不安などに伴うコルチゾール分泌の亢進や自律神経系の変化が、胃腸運動、消化管分泌、排便リズム、腸管バリア機能、および腸内細菌叢の組成に影響を及ぼすとされる。

腸から脳への経路では、腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸などの代謝産物、腸管バリア機能の変化、免疫・炎症反応、および迷走神経を介したシグナル伝達が、気分、ストレス応答、睡眠、注意、認知機能などの中枢神経系の機能に関与する可能性が示唆されている。

このような双方向性から、脳腸相関は精神的健康と消化管機能を別個のものではなく、相互に関連する生理学的システムとして捉える枠組みとして研究されている。

脚注

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  1. ↑ 須藤信行. “脳腸相関(brain-gut interaction)”. 公益財団法人 腸内細菌学会. 用語集. (公財)腸内細菌学会事務局. 2020年6月3日閲覧。
  2. ↑ 土生川千珠. “(2)過敏性腸症候群”. 一般社団法人 小児心身医学会. 小児の心身症-各論. 日本小児心身医学会事務局. 2022年5月7日閲覧。
  3. ↑ “消化管研究班 脳腸相関”. 京都府立医科大学大学院医学研究科 消化器内科学教室. 消化器内科医局. 2020年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月3日閲覧。
  4. ↑ Ichikawa, Yusuke; Yamamoto, Haru; Hirano, Shin-Ichi; Sato, Bunpei; Takefuji, Yoshiyasu; Satoh, Fumitake (2023). “The overlooked benefits of hydrogen-producing bacteria”. Medical Gas Research 13 (3): 108–111. doi:10.4103/2045-9912.344977. ISSN 2045-9912. PMC 9979208. PMID 36571374.
  5. ↑ “『水素産生菌の見過ごされてきた恩恵』が学術誌Medical Gas Researchに掲載”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2022年12月22日). 2026年4月28日閲覧。
  6. ↑ “Trust Your Gut: How the Brain-Gut Connection Helps Us Decide Intuitively” (英語). www.brainfacts.org. 2023年6月9日閲覧。

参考文献

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関連項目

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