矢絣

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矢絣(やがすり)とは、矢羽を図案化した文様のこと。矢飛白とも書く。また矢羽根絣(やばねがすり)、矢筈絣(やはずがすり)ともいう。

解説[編集]

矢絣の模様。矢羽の形を縦に並べ、それを二列おきに逆方向にしている。

和服の柄や千代紙の柄として使用されることが多く、特に紫色の矢絣の着物は歌舞伎時代劇腰元の衣装によく使用されている。日本では非常に古くから使われている模様で、本来は矢羽模様のを指していた。着物の柄として使われる場合、矢羽を幾何学模様のようにあらわして縦方向に並べているものが多い。

江戸時代に、結婚の際に矢絣の着物を持たせると出戻ってこない(射た矢が戻ってこないことから)といわれるようになり、縁起柄とされるようになったことから、小紋などにも矢羽模様が使用されるようになり、矢羽模様をさして「矢絣」と呼ぶようになった。

明治大正時代には矢絣のお召海老茶色を組み合わせた衣装が女学生の間で流行し、「海老茶式部」と呼ばれた。現在では大学の卒業式の際に、袴とあわせる着物の柄として人気がある。

参考文献[編集]

  • 尚学図書・言語研究所編 『文様の手帖』 小学館、1987年 ※「矢絣」の項