異常液体

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異常液体(いじょうえきたい,abnormal liquid)とは、固体の状態より液体の状態の方が密度が大きい物質のことである。

概要[編集]

「正常」な物質は液体が固体に変化(凝固)する際に体積が減少するが、異常液体では体積が増加する。このような現象が起こるのは、異常液体の固体は結晶構造に隙間が多く、分子が自由になる液体状態の方がかえって最密に近くなるためである。

凝固に伴って膨張するため、例えば密閉したガラス瓶などの中で凝固させると破裂することがある。凝固させる際や、凝固の可能性がある状態で保存する際は容器の破損に注意する必要がある。

は代表的な異常液体であり、その性質は地球環境の形成において重要な働きをする。湖などで表面だけが凍って底まで凍らずに済むことは、氷が水に浮く性質のためである。また、岩石に浸みた水は凍って膨張することで侵食に大きな役割を果たす。

異常液体の一覧[編集]

物質 固体の密度(g/cm3、水以外は室温) 液体の密度(g/cm3融点)
0.916 72 (0) 0.999 974 95(3.984℃)
ケイ素 2.3290 2.57
ゲルマニウム 5.323 5.60
ガリウム 5.91 6.095
ビスマス 9.78 10.05

なおアンチモン酢酸しばしば異常液体の例として挙げられる事がある[要出典]が、誤りである。