「ヴィサルガ」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
カテゴリ追加
リンク修正
1行目: 1行目:
'''ヴィサルガ'''({{lang|sa|विसर्ग}} {{IAST|visarga}}, ウィサルガ)は[[サンスクリット]]で「前に送る、開放」を意味する語で、サンスクリット[[音韻学]]([[シクー]])ではヴィサルガ(初期の音韻学ではヴィサルジャニーヤ {{IAST|visarjanīya}}とも)は音節末の[h]([[デーヴァナーガリー]]:ः、[[IAST]]:{{Unicode|ḥ}}、[[京都・ハーバード方式]]:H)の音である。
'''ヴィサルガ'''({{lang|sa|विसर्ग}} {{IAST|visarga}}, ウィサルガ)は[[サンスクリット]]で「前に送る、開放」を意味する語で、サンスクリット[[音韻学]]([[シクシャー]])ではヴィサルガ(初期の音韻学ではヴィサルジャニーヤ {{IAST|visarjanīya}}とも)は音節末の[h]([[デーヴァナーガリー]]:ः、[[IAST]]:{{Unicode|ḥ}}、[[京都・ハーバード方式]]:H)の音である。


ヴィサルガは音節末の/r/および/s/の[[異音]]である。/-s/は単数主格、二人称単数その他、よく現れる語末であるため、ヴィサルガはサンスクリット文章の中によく現れる。サンスクリット音声の伝統的規則ではヴィサルガは[[アヌスヴァーラ]]と共に[[母音]]と[[破裂音]]の間に現れる。
ヴィサルガは音節末の/r/および/s/の[[異音]]である。/-s/は単数主格、二人称単数その他、よく現れる語末であるため、ヴィサルガはサンスクリット文章の中によく現れる。サンスクリット音声の伝統的規則ではヴィサルガは[[アヌスヴァーラ]]と共に[[母音]]と[[破裂音]]の間に現れる。

2016年11月22日 (火) 00:11時点における版

ヴィサルガविसर्ग visarga, ウィサルガ)はサンスクリットで「前に送る、開放」を意味する語で、サンスクリット音韻学シクシャー)ではヴィサルガ(初期の音韻学ではヴィサルジャニーヤ visarjanīyaとも)は音節末の[h](デーヴァナーガリー:ः、IAST:京都・ハーバード方式:H)の音である。

ヴィサルガは音節末の/r/および/s/の異音である。/-s/は単数主格、二人称単数その他、よく現れる語末であるため、ヴィサルガはサンスクリット文章の中によく現れる。サンスクリット音声の伝統的規則ではヴィサルガはアヌスヴァーラと共に母音破裂音の間に現れる。

ヴェーダ語文章におけるヴィサルガの正しい発音は派(シャーカー)によって異なる。中にはaḥ[ɐhᵄ]iḥ[ihⁱ]といったように前の母音が摩擦音の後にわずかに響くものもある。

本居のヴィサルガ
本居のヴィサルガ

本居宣長は「漢字三音考」で特別な片仮名で指した。 [1]