「クレヨン」の版間の差分
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'''クレヨン'''({{lang-en-short}}wax crayon)は、溶かした[[蝋]]と[[顔料]]を混ぜて棒状に冷やし固めた[[画材]]である。[[エンカウスティーク]]を原型とし、[[レオナルド・ダ・ヴィンチ]]の手記に類似画材の製法が記載されるなど成立には諸説あるが、現代の様式のものは[[19世紀]]に[[フランス]]で発明された<ref name="JCCMA">[http://www.jccma.jp/5.html#8 Q&Aコーナー 8.クレヨンとパスの起源と歴史], 日本絵具クレヨン工業協同組合, 2015年9月11日閲覧.</ref><ref name="Kamegawa2002">亀川學, [https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai1937/75/10/75_500/_article/references/-char/ja/ 絵具講座 (第VII購) クレヨン・パス], ''J. Jpn. Soc. Colour Mater. (色材)'', '''75''' (10), pp. 500-504, 2002.</ref>。アメリカでは[[1903年]]にビニー&スミスが「{{仮リンク|クレヨラ|en|Crayola}}」クレヨンを生産、日本では[[大正]]時代に[[山本鼎#自由画教育運動|自由画教育]]を機に普及した。 |
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'''クレヨン'''は[[画材]]のひとつ。[[蝋|ろう]]、[[チャコール]]、[[チョーク]]などを材料にする。[[英語]]の「クレヨン」 ([[w:crayon|crayon]]) は、もともと[[フランス語]]の'''クレヨン・パステル'''([[:fr:Crayola|crayon pastel]], [[パステル]]鉛筆)の略である<ref>フランス語で単に"crayon"といえば「[[鉛筆]]」を意味する。</ref>。 |
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手を汚さず手軽に彩色描画ができ、[[色鉛筆]]のように尖っておらず[[鉛筆削り]]も必要なく、無害であることから、[[初等教育]]や[[児童画]]によく利用される。クレヨンは基本的に硬質で塗り重ねを苦手とするが、紙肌を反映した素朴なマチエールを持った、耐水性のある鮮やかな描線が得られる。クレヨンから発展した[[オイルパステル]](「クレパス」など)はより軟らかく技法の応用性に富む<ref>清水靖子 |
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, [http://www.craypas.com/target/senior/colum/0805.php サクラコラム「クレパス・クレヨンはどう違う」], 株式会社サクラクレパス, 2015年9月11日閲覧.</ref>。日本ではオイルパステルの製法を一部取り入れて面描適性を改善した軟質クレヨンが1957年に開発され、以来主流として普及している<ref name="Kamegawa2002" />。 |
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‘crayon’はフランス語の‘craie’([[白亜]])に[[接尾辞]]‘on’(小片)が組み合わさった言葉で、元来は固形描画材一般に使われる<ref name="JCCMA" /><ref name="Kamegawa2002" />。欧米では‘crayon’が[[鉛筆]]を指したり、棒状の画材諸々が「[[木炭#美術用|チャコール]]クレヨン」や「[[コンテ]]クレヨン」などと呼ばれることがあるが、それぞれ蝋製のクレヨンとは区別される<ref>[http://cameo.mfa.org/wiki/Crayon Crayon], ''Conservation & Art Materials Encyclopedia Online'', Museum of Fine Arts Boston, 2015年9月11日閲覧.</ref>。 |
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似た名前の画材として「クレパス」があるが、これは株式会社[[サクラクレパス]]の登録商標であり、一般名称では[[オイルパステル]]に属する<ref>[http://www.craypas.com/target/senior/colum/0805.php 株式会社サクラクレパス サクラコラム「クレパス・クレヨンはどう違う」]</ref>。 |
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== 種類 == |
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通常のタイプの他に各種が各社から販売されている |
通常のタイプの他に各種が各社から販売されている。 |
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*太巻き - 太い線や面塗りに |
*太巻き - 太い線や面塗りに適しており、折れにくい |
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*水性 - 水や石鹸で落とす事が可能 |
*水性 - 水や石鹸で落とす事が可能 |
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ヨーロッパの玩具の安全規格(EN 71)を満たした製品には[[CEマーク]]が付され、米国画材・工芸材料協会(ACMI)の基準を満たした製品にはAPマークが付される。[[日本工業規格]]にもEN 71に準じる安全規格を含んだJIS S 6026「クレヨン及びパス」があるが、1998年以降は業界団体がJIS表示許可を返上したことから<ref>[http://www.jccma.jp/pdf/jccma_the_past.pdf 日本絵具クレヨン工業協同組合沿革], 日本絵具クレヨン工業協同組合, 2015年9月11日閲覧.</ref>、[[JISマーク]]は付さず規格に沿った自主検査が行われている。クレヨンを含む玩具の安全性に関わる[[国際規格]]には[[ISO]] 8124がある。 |
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2015年9月10日 (木) 18:30時点における版
クレヨン(英: wax crayon)は、溶かした蝋と顔料を混ぜて棒状に冷やし固めた画材である。エンカウスティークを原型とし、レオナルド・ダ・ヴィンチの手記に類似画材の製法が記載されるなど成立には諸説あるが、現代の様式のものは19世紀にフランスで発明された[1][2]。アメリカでは1903年にビニー&スミスが「クレヨラ」クレヨンを生産、日本では大正時代に自由画教育を機に普及した。
手を汚さず手軽に彩色描画ができ、色鉛筆のように尖っておらず鉛筆削りも必要なく、無害であることから、初等教育や児童画によく利用される。クレヨンは基本的に硬質で塗り重ねを苦手とするが、紙肌を反映した素朴なマチエールを持った、耐水性のある鮮やかな描線が得られる。クレヨンから発展したオイルパステル(「クレパス」など)はより軟らかく技法の応用性に富む[3]。日本ではオイルパステルの製法を一部取り入れて面描適性を改善した軟質クレヨンが1957年に開発され、以来主流として普及している[2]。
‘crayon’はフランス語の‘craie’(白亜)に接尾辞‘on’(小片)が組み合わさった言葉で、元来は固形描画材一般に使われる[1][2]。欧米では‘crayon’が鉛筆を指したり、棒状の画材諸々が「チャコールクレヨン」や「コンテクレヨン」などと呼ばれることがあるが、それぞれ蝋製のクレヨンとは区別される[4]。
種類
通常のタイプの他に各種が各社から販売されている。
- 太巻き - 太い線や面塗りに適しており、折れにくい
- 水性 - 水や石鹸で落とす事が可能
ヨーロッパの玩具の安全規格(EN 71)を満たした製品にはCEマークが付され、米国画材・工芸材料協会(ACMI)の基準を満たした製品にはAPマークが付される。日本工業規格にもEN 71に準じる安全規格を含んだJIS S 6026「クレヨン及びパス」があるが、1998年以降は業界団体がJIS表示許可を返上したことから[5]、JISマークは付さず規格に沿った自主検査が行われている。クレヨンを含む玩具の安全性に関わる国際規格にはISO 8124がある。
脚注
- ^ a b Q&Aコーナー 8.クレヨンとパスの起源と歴史, 日本絵具クレヨン工業協同組合, 2015年9月11日閲覧.
- ^ a b c 亀川學, 絵具講座 (第VII購) クレヨン・パス, J. Jpn. Soc. Colour Mater. (色材), 75 (10), pp. 500-504, 2002.
- ^ 清水靖子 , サクラコラム「クレパス・クレヨンはどう違う」, 株式会社サクラクレパス, 2015年9月11日閲覧.
- ^ Crayon, Conservation & Art Materials Encyclopedia Online, Museum of Fine Arts Boston, 2015年9月11日閲覧.
- ^ 日本絵具クレヨン工業協同組合沿革, 日本絵具クレヨン工業協同組合, 2015年9月11日閲覧.