「二脚」の版間の差分
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2013年3月29日 (金) 23:37時点における版
二脚(にきゃく、英: Bipod)は、三脚や一脚に類似した支持器具である。主に小火器類で使わる二脚銃架のこと。
概要
主に軍事用途、射撃スポーツ用途として、狙撃銃・小銃の一部や軽機関銃、分隊支援火器、対物ライフルのほとんどで使用される。地形への追従性と安定性が得られ、銃本体に標準装備している場合が多い。銃の重量を分担し、反動をある程度抑制し、二軸方向へ照準の自由性を得ることができる。
狙撃銃・小銃においては、銃の重量を負担し照準を安定させる効果が得られる。このため、命中率を大幅に向上させることができる。また、狙撃銃にあっては犯人など対象への狙撃タイミング待機、小銃にあっては待ち伏せ攻撃の際など、重い銃を構え続ける際の負担が軽くなり、待機時の体力消耗を減少させることができる。また、射撃姿勢を持続できるため、とっさの場合の対処も早くなる。
軽機関銃は原則的に二脚によって接地して射撃する。銃自体が小銃より重いせいもあるが、接地することで反動を吸収すること、全自動射撃でも十分な命中精度を得ることができ、それによる制圧力を発揮することができる設計になっている。分隊支援火器は軽機関銃に比べれば軽量で二脚に頼らずに射撃する場面も増えるが、やはり原則として二脚を装備している。
陣地防衛など固定的な運用がされる火器は、より安定性の高い三脚が用いられることもある。 二脚と異なり一人で運搬が難しくなるため、数名での運用が前提となる。 むしろ重機関銃がそうであるように、自動火器は軽量化がなされるまで三脚架で運用されていた。 一人で持ち運べる軽機関銃が必要とされ二脚装備の機関銃が登場したという経緯がある。 現代軍では汎用機関銃が三脚と二脚どちらでも有効に運用できる機関銃として配備されている。
陸上自衛隊(89式5.56mm小銃)やスイス陸軍(SIG 550)などは、弾を極力無駄にせず命中率を重視する傾向があり、小銃に二脚を標準装備させている。二脚を標準装備すれば銃自体の重量も増加するため、標準装備とするかしないか、すなわち重量と命中率のどちらを重視するかについては、用兵側の運用思想によるところが大きい。すなわち、二脚は敵を待ち構える防御的な運用思想と相性がよいとされている。
M16など二脚を標準装備していない小火器に対して、クリップ式の後付け二脚も存在するが、標準装備よりは安定性に劣る。それでも一定の効果が得られるために、特殊部隊やエリート部隊に配備されていることが多い。また、最近ではそういったSOPMOD用途のために、ピカティニー・レールに取り付けることのできる二脚も存在する。中にはバーティカル・フォアグリップの内部に格納式の二脚を組み込んだものもある。