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2012年4月22日 (日) 15:01時点における版
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『美貌の果実』(びぼうのかじつ)は、白泉社「花とゆめ」で連載されていた川原泉の漫画作品。サブタイトルは「10月はゆがんでる」。
また、同作を表題作とする漫画短編集。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
ストーリー
甲州で小さな独立ワイナリーを営む秋月家の母娘は途方に暮れていた。ふらっと訪れたグルメ評論家に絶賛されたせいで注文が殺到し、ワインの発送に追われた父と兄を突然の事故で一度に失ったからだ。
そこへ、「恩返しをせんか」と行基の霊に叱咤された、秋月ワイナリー最古の葡萄の木に宿る葡萄の精が、この母娘を助けるために実体化した。
同じ頃、総合酒販メーカー「リーベル社」の社長、都築貴英も商談のため秋月ワイナリーを訪れた。しかし娘の七実が秋月家の菜苗と仲良くなったこともあり、商談そっちのけでワイン作りに勤しむ日々が続く。
葡萄の収穫期になり、リーベル社のライバルメーカーが商談のため秋月ワイナリーを訪れた。それは当時事業がうまくいっていなかったため、産まれたばかりの七実を置いて出て行った貴英の元妻だった。過去の傷に打ちひしがれた貴英は、もう秋月ワイナリーを訪れないと宣言する。しかし、これに反発した七実は家出のように出て行ってしまう。
闇の中迷子になった七実は崖から落ちそうになるが、葡萄野精の最後の力で助けられた。探しに来た一同が見つけた七実は太いブドウの蔓によって宙吊りになっており、その手には彼が残したブドウの種がしっかりと握られていた。
登場人物
- 秋月菜苗(あきづき ななえ)
- 秋月ワイナリーの「オピニオンリーダー or 家庭内実力者(いばりんぼ)」。お気楽極楽性分な一家のただ一人のしっかり者 (?) で、父兄を交通事故でなくしたあと母を助けワイン作りにいそしむ。
- 都築貴英(つづき たかひで)
- 総合酒販メーカー「リーベル社」の社長。商談のため訪ねた秋月ワイナリーに娘ともども入り浸るうちにすっかり馴染む。酒の会社の社長なのに酒に弱い。
- 都築七実(つづきななみ)
- 都築貴英の一人娘。父親と一緒に訪れた秋月ワイナリーで、菜苗と仲良くなった。彼女を母のように慕っている。
- 葡萄野精(ぶどうの せい)
- 秋月家の葡萄に宿っている美貌の精霊だが、惰眠をむさぼっているので行基様に叱られている。秋月家の危機に際し、恩返しの為にと実体化する。行基様が大善寺(山梨県東山梨郡勝沼町、作中では「Y県K町」、現甲州市)に植えた甲州葡萄の末裔にして、薬師如来様縁の葡萄樹の直系子孫。
- 山本虹益(やまもと にじます)
- グルメ評論家。ある時、フランスパン・フォアグラ・チーズを小脇に抱えて試飲にやってきた。後日、雑誌に派手にかつ親切に書いたおかげで、小規模ワイナリーであった秋月ワイナリーには異常な数の注文が殺到。
コミックス
- 花とゆめコミックス
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- 「美貌の果実」 1987年2月25日 ISBN 4-592-11578-3
- 白泉社文庫
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- 「美貌の果実」 1995年9月15日 ISBN 4-592-88313-6
- 収録 愚者の楽園/大地の貴族/美貌の果実/架空の森/森には真理が落ちている/パセリを摘みに
- 「美貌の果実」 1995年9月15日 ISBN 4-592-88313-6