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*全く出してもいないスコア
*全く出してもいないスコア
*規則に違反して難易度などの設定を変更した状態のスコア
*規則に違反して難易度などの設定を変更した状態のスコア
**[[プロアクションリプレイ]]などで[[チート]]を加える
**[[プロアクションリプレイ]]などで[[チート]]を加える([[自機]]を無敵の状態にするなど)
**既知または未知の[[バグ]]を利用してスコアを増やしたりタイムを縮めたりする
**既知または未知の[[バグ]]を利用してスコアを増やしたりタイムを縮めたりする
などある。
などある。


==解説==
==解説==
[[ゲーメスト]]や[[月刊アルカディア|アルカディア]]などで開催の[[アーケードゲーム]]におけるハイスコア集計は、証拠となるプレイ画面の写真や動画などを送る必要はなく、自己申告でスコアのみを記入する形式であるため、完全に申請者の良心を信頼する形になる。
[[ゲーメスト]]や[[月刊アルカディア|アルカディア]]などで開催の[[アーケードゲーム]]におけるハイスコア集計は、証拠となるプレイ画面の写真や動画などを送る必要はなく、自己申告でスコアのみを記入する形式であることが多いため、完全に申請者の良心を信頼する形になる。


申請するにあたり、店舗側の確認取る必要があるが、店舗側もまた広い意味で申請者といえる。また、[[家庭用ゲーム]]のハイスコア集計の場合、プレイ時の動画を収録したビデオやセーブデータの入ったメモリーカードなどの提出を義務付けるケースもある。これらは雑誌編集部などの集計母体によって方針が異なる。もっとも、近年の家庭用ゲームではスコアの概念そのものが存在しないゲームが大半であり、システム上にスコアの概念があっても形骸化していることがほとんどであるため、近年ではアーケードゲームに限った事象といえる。
申請するにあたり、参加する店舗側の確認取る必要があるが、店舗側もまた広い意味で申請者といえる。また、[[家庭用ゲーム]]のハイスコア集計の場合、プレイ時の動画を収録したビデオやセーブデータの入った[[メモリーカード]]などの提出を義務付けるケースもある。これらは雑誌編集部などの集計母体によって方針が異なる。もっとも、近年の家庭用ゲームではスコアの概念そのものが存在しないゲームが大半であり、システム上にスコアの概念があっても形骸化していることがほとんどであるため、近年ではアーケードゲームに限った事象といえる。


この結果、虚偽の報告が送られることがあり、また、そのスコアが全国一位([[全一]])となってしまうこともあった。
この結果、虚偽の報告が送られることがあり、また、そのスコアが全国一位([[全一]])となってしまうこともあった。


== 嘘の摘発 ==
== 嘘の摘発 ==
ただ、いくら虚偽のスコアを申請したとしても、簡単に嘘がバレてしまうケースは意外と多い。
ただ、いくら虚偽のスコアを申請したとしても、意外と簡単にバレてしまうケースは多い。


===基本的な一例===
===基本的な一例===
ウソスコア発覚の端緒で最も基本的なものは、最少得点の桁(けた)で本来ありえない数字が記載されている場合である。得点の最小単位が50点または100点なのに申請されたスコアの10の位がありえないはずの「10~40・60~90」になっているというのがその例である。コンティニューした証として最小単位よりも小さい「1点」などの得点を付加するゲームもあるため、完全に嘘と断定できないケースもあるが、そもそもコンティニューで出したスコアは有効な記録ではないため考慮する必要はほとんどない。
ウソスコア発覚の端緒で最も基本的なものは、最少得点の桁(けた)で本来ありえない数字が記載されている場合である。得点の最小単位が50点または100点なのに申請されたスコアの10の位がありえないはずの「10~40・60~90」になっているというのがその例である。コンティニューした場合、スコアを一旦0点にリセットし、さらにコンティニューした証として最小単位よりも小さい「1点」を付加するゲームもあるため、完全に嘘と断定できないケース<ref>コンティニューを100回行うと、1・10の位が「00」になるため、判断できなくなる場合がある。</ref>もあるが、そもそもコンティニューで出したスコアは有効な記録ではないため考慮する必要はほとんどない。


有名な事件としては、[[ファミリーコンピュータMagazine]]([[徳間書店インターメディア]])で創刊時から人気のあった「ハイスコアルーム」にて、[[スクリーンショット]]を合成した画面写真を送ってハイスコアを申告し、不正が見破られずに掲載された事件が存在する。投稿者のペンネームより「'''スーパータイガー事件'''」と<!-- ここに「も」を入れるのは、スーパータイガー事件以外の呼び名のほうが一般的な場合 -->呼ばれる事件で、読者がハイスコア写真を検証して指摘した結果偽造が発覚し、スクリーンショットを[[X1]]で加工したものと判明した。
有名な事件としては、[[ファミリーコンピュータMagazine]]([[徳間書店インターメディア]])で創刊時から人気のあった「ハイスコアルーム」にて、[[スクリーンショット]]を合成した画面写真を送ってハイスコアを申告し、不正が見破られずに掲載された事件が存在する。投稿者のペンネームより「'''スーパータイガー事件'''」と<!-- ここに「も」を入れるのは、スーパータイガー事件以外の呼び名のほうが一般的な場合 -->呼ばれる事件で、読者がハイスコア写真を検証して指摘した結果偽造が発覚し、スクリーンショットを[[X1]]で加工したものと判明した。


また、[[プレイステーション|PS]]用ソフト[[ザナック×ザナック]]のインターネットランキングにおいて、特定のステージで999,999,999点という、通常のプレイでは不可能なスコアが掲載されたことを受け、販売元の[[コンパイル (企業)|コンパイル]](現在は倒産)はインターネットランキング上位入賞者に「ゲームプレイの動画」を提出する事を義務つけるようになったという事件もあった。後にこのハイスコアは[[プロアクションリプレイ]]による[[改造コード]]を使用して出しただということが判明している。
また、[[プレイステーション|PS]]用ソフト[[ザナック×ザナック]]のインターネットランキングにおいて、特定のステージでプレイした場合、通常では達成不可能なスコア(999,999,999点で[[カウンターストップ|カンスト]])が掲載されたことを受け、販売元の[[コンパイル (企業)|コンパイル]](現在は倒産)はインターネットランキング上位入賞者に「ゲームプレイの動画」を提出するよう義務つけるようになったという事件もあった。後にこのハイスコアは[[プロアクションリプレイ]]による[[改造コード]]を使用して出したものだということが判明している。


先述のように、改造ツールを悪用したスコアコンテスト参加者は[[ファミリーコンピュータ ディスクシステム|ディスクシステム]]の時代から横行しており、景品が貰えるコンテスト程その手の参加者が多く見られ、問題となるケースがある。
先述のように、改造ツールを悪用したスコアコンテスト参加者は[[ファミリーコンピュータ ディスクシステム|ディスクシステム]]の時代から横行しており、景品が貰えるコンテスト程その手の参加者が多く見られ、問題となるケースがあり、動画を見るだけではチートしているかどうかが判断できなくなっている。


例えば[[スーパーファミコン|SFC]]で発売された[[鮫亀]]のハイスコアコンテストでは[[NINTENDO64]]が景品となっていたため、改造ツールを使ったハイスコアが多かったとのことで、応募のために必要なパスワードでハドソン側がツール使用の有無を判別していた。
例えば[[スーパーファミコン|SFC]]で発売された[[鮫亀]]のハイスコアコンテストでは[[NINTENDO64]]が景品となっていたため、改造ツールを使ったハイスコアが多かったとのことで、応募のために必要なパスワードでハドソン側がツール使用の有無を判別していた。
似たケースとして、自社ソフト専用の改造ツールに準ずるソフトを発売していた[[コナミ]]の一部MSXソフトにも、自社のコンテストにおいてツール使用の判別ができる仕組みの応募用パスワードを採用していた。
他に、[[チュンソフト]]の[[不思議のダンジョン]]シリーズにも早解きイベント応募用パスワードが存在した作品があるが、同様のツール判別を行っていたかは不明。


似たケースとして、自社ソフト専用の改造ツールに準ずるソフトを発売していた[[コナミ]]の一部MSXソフトにも、自社のコンテストにおいてツール使用の判別ができる仕組みの応募用パスワードを採用していた。他に、[[チュンソフト]]の[[不思議のダンジョン]]シリーズにも早解きイベント応募用パスワードが存在した作品があるが、同様のツール判別を行っていたかは不明
ごく最近では[[グラディウスV]]のスコアコンテストでのツール使用者と思われるランキング入りの指摘があったが、コナミ側の「''ユーザーの判断に任せる''」旨の発言が問題になったことがある。こちらも上位ランキング入賞者には景品が贈呈されていた。


ごく最近では[[グラディウスV]]のスコアコンテストでのツール使用者と思われるランキング入りの指摘があったが、コナミ側の「''ユーザーの判断に任せる''」旨の発言が問題になったことがある。こちらも上位ランキング入賞者には景品が贈呈されていた。
これらの問題がある為か、現在ではメーカー主催のスコアコンテストにあたる応募イベントは皆無に等しい。

また、ポケットモンスターの対戦イベントにおいては、参加者のセーブデータをチェックする装置で正規の手段で育てたデータか、改造ツールで改ざんされたデータかを判別する装置を用意しなければならない事態になっていた。
これらの問題があるためか、現在ではメーカー主催のスコアコンテストにあたるイベントはあまり行われていない。また、ポケットモンスターの対戦イベントにおいては、参加者のセーブデータをチェックする装置で正規の手段で育てたデータか、改造ツールで改ざんされたデータかを判別する装置を用意しなければならない事態になっていた。

==脚注==
<references />


==関連項目==
==関連項目==

2009年12月26日 (土) 15:04時点における版

ウソスコア(嘘スコア)とは、コンピュータゲームハイスコア(またはクリアタイム)の集計において、正当でない方法で出したスコア(タイム)のことをいう。

例としては、

  • 全く出してもいないスコア
  • 規則に違反して難易度などの設定を変更した状態のスコア

などがある。

解説

ゲーメストアルカディアなどで開催のアーケードゲームにおけるハイスコア集計は、証拠となるプレイ画面の写真や動画などを送る必要はなく、自己申告でスコアのみを記入する形式であることが多いため、完全に申請者の良心を信頼する形になる。

申請するにあたり、参加する店舗側の確認も取る必要があるが、店舗側もまた広い意味で申請者といえる。また、家庭用ゲームのハイスコア集計の場合、プレイ時の動画を収録したビデオや、セーブデータの入ったメモリーカードなどの提出を義務付けるケースもある。これらは雑誌編集部などの集計母体によって方針が異なる。もっとも、近年の家庭用ゲームではスコアの概念そのものが存在しないゲームが大半であり、システム上にスコアの概念があっても形骸化していることがほとんどであるため、近年ではアーケードゲームに限った事象といえる。

この結果、虚偽の報告が送られることがあり、また、そのスコアが全国一位(全一)となってしまうこともあった。

嘘の摘発

ただ、いくら虚偽のスコアを申請したとしても、意外と簡単にバレてしまうケースは多い。

基本的な一例

ウソスコア発覚の端緒で最も基本的なものは、最少得点の桁(けた)で本来ありえない数字が記載されている場合である。得点の最小単位が50点または100点なのに申請されたスコアの10の位がありえないはずの「10~40・60~90」になっているというのがその例である。コンティニューした場合、スコアを一旦0点にリセットし、さらにコンティニューした証として最小単位よりも小さい「1点」を付加するゲームもあるため、完全に嘘と断定できないケース[1]もあるが、そもそもコンティニューで出したスコアは有効な記録ではないため、考慮する必要はほとんどない。

有名な事件としては、ファミリーコンピュータMagazine徳間書店インターメディア)で創刊時から人気のあった「ハイスコアルーム」にて、スクリーンショットを合成した画面写真を送ってハイスコアを申告し、不正が見破られずに掲載された事件が存在する。投稿者のペンネームより「スーパータイガー事件」と呼ばれる事件で、読者がハイスコア写真を検証して指摘した結果偽造が発覚し、スクリーンショットをX1で加工したものと判明した。

また、PS用ソフトザナック×ザナックのインターネットランキングにおいて、特定のステージでプレイした場合、通常では達成不可能なスコア(999,999,999点でカンスト)が掲載されたことを受け、販売元のコンパイル(現在は倒産)はインターネットランキング上位入賞者に「ゲームプレイの動画」を提出するよう義務つけるようになったという事件もあった。後にこのハイスコアはプロアクションリプレイによる改造コードを使用して出したものだということが判明している。

先述のように、改造ツールを悪用したスコアコンテスト参加者はディスクシステムの時代から横行しており、景品が貰えるコンテスト程その手の参加者が多く見られ、問題となるケースがあり、動画を見るだけではチートしているかどうかが判断できなくなっている。

例えばSFCで発売された鮫亀のハイスコアコンテストではNINTENDO64が景品となっていたため、改造ツールを使ったハイスコアが多かったとのことで、応募のために必要なパスワードでハドソン側がツール使用の有無を判別していた。

似たケースとして、自社ソフト専用の改造ツールに準ずるソフトを発売していたコナミの一部MSXソフトにも、自社のコンテストにおいてツール使用の判別ができる仕組みの応募用パスワードを採用していた。他に、チュンソフト不思議のダンジョンシリーズにも早解きイベント応募用パスワードが存在した作品があるが、同様のツール判別を行っていたかは不明。

ごく最近ではグラディウスVのスコアコンテストでのツール使用者と思われるランキング入りの指摘があったが、コナミ側の「ユーザーの判断に任せる」旨の発言が問題になったことがある。こちらも上位ランキング入賞者には景品が贈呈されていた。

これらの問題があるためか、現在ではメーカー主催のスコアコンテストにあたるイベントはあまり行われていない。また、ポケットモンスターの対戦イベントにおいては、参加者のセーブデータをチェックする装置で正規の手段で育てたデータか、改造ツールで改ざんされたデータかを判別する装置を用意しなければならない事態になっていた。

脚注

  1. ^ コンティニューを100回行うと、1・10の位が「00」になるため、判断できなくなる場合がある。

関連項目

外部リンク