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「ストライサンド効果」の版間の差分

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* 2008年12月、[[イギリス]]の{{仮リンク|IWF (インターネット監視財団)|en|Internet Watch Foundation}}が英語版のウィキペディア中のロックバンド、[[スコーピオンズ]]のアルバムについてのページをブラックリストに載せた(「[[インターネット監視財団とウィキペディア]]」参照)。このとき、かえってこのページへのアクセス数が増加した<ref>Mario Cacciottolo,[https://www.bbc.com/news/uk-18458567 The Streisand Effect: When censorship backfires],BBC,15 June 2012</ref>。
* 2008年12月、[[イギリス]]の{{仮リンク|IWF (インターネット監視財団)|en|Internet Watch Foundation}}が英語版のウィキペディア中のロックバンド、[[スコーピオンズ]]のアルバムについてのページをブラックリストに載せた(「[[インターネット監視財団とウィキペディア]]」参照)。このとき、かえってこのページへのアクセス数が増加した<ref>Mario Cacciottolo,[https://www.bbc.com/news/uk-18458567 The Streisand Effect: When censorship backfires],BBC,15 June 2012</ref>。
* 2012年、[[スコットランド]]の[[スコットランドの地方行政区画|カウンシル(地方行政府)]][[アーガイル・アンド・ビュート]]が、9歳の小学生のブログ(「{{enlink|NeverSeconds|p=off|s=off}}」という学校[[給食]]の写真を掲載したもの)を禁じた。これによって国際的にメディアが過熱し、アーガイル・アンド・ビュートは意思決定をひるがえした。その後、このブログはさらに有名になった<ref>{{cite web |author=Mario Cacciottolo |date=2012-06-15 |url=http://www.bbc.co.uk/news/uk-18458567 |title=The Streisand Effect: When censorship backfires |publisher=BBC News |accessdate=2016-01-07}}</ref>。
* 2012年、[[スコットランド]]の[[スコットランドの地方行政区画|カウンシル(地方行政府)]][[アーガイル・アンド・ビュート]]が、9歳の小学生のブログ(「{{enlink|NeverSeconds|p=off|s=off}}」という学校[[給食]]の写真を掲載したもの)を禁じた。これによって国際的にメディアが過熱し、アーガイル・アンド・ビュートは意思決定をひるがえした。その後、このブログはさらに有名になった<ref>{{cite web |author=Mario Cacciottolo |date=2012-06-15 |url=http://www.bbc.co.uk/news/uk-18458567 |title=The Streisand Effect: When censorship backfires |publisher=BBC News |accessdate=2016-01-07}}</ref>。
* 2018年3月、[[日本青年会議所]]の批判についての匿名ブログ記事<ref>{{cite web | date=2018-03-06|url=https://megalodon.jp/2018-0306-0620-50/https://anond.hatelabo.jp:443/20180306002045|title=日本青年会議所を退会した (魚拓)|accessdate=2018-03-06}}</ref><ref>{{cite web | date=2018-03-06|url=http://archive.is/uWKMu|title=日本青年会議所を退会した (archive.today)|accessdate=2018-03-06}}</ref>が何者かによる圧力で削除に追い込まれ<ref>{{cite web | date=2018-03-06|url=https://anond.hatelabo.jp/20180306125540|title=日本青年会議所を退会した (他人によるバックアップ)|accessdate=2018-03-06}}</ref>、逆に注目される事態となっている<ref>{{cite web | date=2018-03-06|url=http://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20180306125540|title=日本青年会議所を退会した へのはてなブックマークコメント|accessdate=2018-03-06}}</ref>。
<!--2016年4月、UC Davis pepper spray incidentの事例あり-->
<!--2016年4月、UC Davis pepper spray incidentの事例あり-->



2019年12月23日 (月) 11:26時点における版

問題となったストライサンド邸の画像
California Coastal Records Project photo of coastline including Streisand Estate (2002).

ストライサンド効果(ストライサンドこうか、英語: Streisand effect)は、ある情報を隠蔽したり除去しようとしたりする努力が、かえってその情報を広い範囲に拡散させてしまう結果をもたらす現象を意味するインターネット・ミーム

それまで誰にも気づかれていなかったが、その事実を知る利害関係者などが隠蔽や除去を試みた結果、「ここに知られたくない秘密がありますよ」と逆に広く宣伝してしまうことになる。このような試みにより、元情報を一つ削除できたとしても、インターネット上の検索サイトのキャッシュなどに至るまで、多くの痕跡を完全に削除することは困難であるから、面白半分の人間や興味を持った人間、利害関係者などがそれを探し当ててそのコピーが再び拡散することにつながるため、「消すと増える」とも言われる。

概要

「ストライサンド効果」という用語は、アメリカ合衆国の歌手・女優でエンターテイメント界の大物、バーブラ・ストライサンドに由来する。2003年、バーブラは自分の邸宅が写っていたネット上の画像の公開を差し止めようとして裁判を起こしたが、かえって世間の関心を集める結果になってしまった。

同様のことは、大企業などからユーザなどへの警告状 (cease-and-desist letter) の発信、DVDビデオの暗号解除コード(違法素数)の公表差し止め警告、ファイルやWebサイトなどに対する削除要求の際にも起こる。これらの情報が隠蔽されたり公開差し止めとなったりする代わりに、かえってその情報に対するネット上やメディアの関心が高まり、ミラーサイトファイル共有ソフトなどで情報が際限なく拡散することになる[1][2]

語源

「ストライサンド効果」という用語を最初に使ったのは、2005年、IT業界などに関するニュースを伝えるブログ「Techdirt」の管理人マイク・マズニックであった[3]

2003年、ストライサンドは、シリコンバレーの実業家で環境保護運動家のケネス・エーデルマン(Kenneth Adelman)とPictopia.com に対して、カリフォルニア州の「反パパラッチ法」に違反して許可無く家屋を撮影しプライバシーの侵害を行ったとして、彼らが撮って公開しているカリフォルニア州の12,000枚にのぼる海岸線の航空写真データベースの中からマリブの断崖上にあるストライサンドの邸宅の写真を削除して、5,000万ドルを支払うよう訴えた[1][4][3]。エーデルマンは、自分は政府の公認による「カリフォルニア海岸記録計画」(California Coastal Records Project、カリフォルニア州の全海岸線の航空写真をヘリコプターから撮影して公開し、過去の写真と比較することで海岸侵食の進行を研究するプロジェクト)の一環として海岸線の写真を撮ったに過ぎないと述べた[5]

裁判はストライサンドの訴えを却下して終わったが、裁判のニュースが各国のメディアで報じられた結果、ストライサンドの豪邸の写った写真は広く知られることになった。 裁判が起こされてからの1ヶ月で42万のアクセスがこの写真に集まっている[6]

事例

政略

ビジネス

  • 2007年、AACSコピープロテクト規格の団体は、digg を含む大手Webサイトに対して、そのシステムの暗号解除コードの投稿を掲載し続けることの中止を求めるレターを送付した。これによって、かえって多くのサイトに暗号解除コードが掲載された[10][独自研究?]
  • 2013年、YouTubeユーザのghostlyrichは、自身のサムスンGalaxy S4のバッテリーが発火した動画をアップロードした。サムスン電子が証拠を要求し、その後さらに追加の条件も要求したため、かえって再生回数が急増した[11][独自研究?]
  • 2014年8月、ニューヨーク州ハドソンにあるホテルが次のようなポリシーを掲げた。「インターネット上のUSGH(Union Street Guest House)についてのいかなるネガティブなレビューに対しても500ドルの罰金を課し、あなたのデポジットから引かせていただきます。」[12]このポリシーは、2013年11月のYelpサイト上の不都合なレビュー[13]を抑える試みとして使われた。これによって、何千ものレビューがYelpや他のレビューサイトに投稿された[14][15]
  • 2016年4月、株式会社DYMの社員がタイの王室保養地で全裸になる事件が発生し、その件について批判した数多くのニュースなどの記事がDMCAテイクダウンによる申し立てで検索サイトから削除される事態となった。これに対する反発[16]がおき、事件の批判以外にも会社に対する批判記事[17]が投稿されるなどし、検索結果を削除するという対応は逆効果になってしまった[独自研究?]
  • 2017年8月、ウォンテッドリー株式会社の株式公開についての意見を投稿したブログに対し、会社はブログに利用されている社長の写真が著作権違反であるとDMCAテイクダウンを申し立て、検索結果から削除したほか、当該ブログ記事をツイートした他人のTwitterの投稿も削除した[18]ことで、Twitterの複数のユーザーが気づき[19]、騒ぎは収束するばかりか大きくなってしまった。会社の対応について、批判に対する言論封殺ではないかという意見[20][21]が相次いだ[独自研究?]。なお、その後検索結果は復帰し、ブログ記事は再表示されるようになった[22]。一連の流れはストライサンド効果ではないかと指摘されている[23]

その他の組織

個人

脚注

  1. ^ a b Canton, David. "Today's Business Law: Attempt to suppress can backfire" Archived 2007年9月27日, at Archive.is, London Free Press, November 5, 2005. Retrieved July 21, 2007. The "Streisand effect" is what happens when someone tries to suppress something and the opposite occurs. The act of suppressing it raises the profile, making it much more well known than it ever would have been".
  2. ^ Mugrabi, Sunshine (January 22, 2007). “YouTube—Censored? Offending Paula Abdul clips are abruptly taken down.”. Red Herring (magazine). 2007年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。July 21, 2007閲覧。 “Another unintended consequence of this move could be that it extends the kerfuffle over Ms. Abdul’s behavior rather than quelling it. Mr. Nguyen called this the "Barbra Streisand effect", referring to that actress’s insistence that paparazzi photos of her mansion not be used”
  3. ^ a b Since When Is It Illegal to Just Mention a Trademark Online?, techdirt.com
  4. ^ Josh Bernoff; Charlene Li (2008). Groundswell: Winning in a World Transformed by Social Technologies. Boston, Mass: Harvard Business School Press. p. 7. ISBN 1-4221-2500-9 
  5. ^ Barbra Sues Over Aerial Photos | The Smoking Gun”. The Smoking Gun (2003年5月30日). 2010年11月22日閲覧。
  6. ^ Rogers, Paul (2003年6月24日). “Photo of Streisand home becomes an Internet hit”. San Jose Mercury News, mirrored at californiacoastline.org. 2007年6月15日閲覧。
  7. ^ Sampson, Tim (2014年2月19日). “Greek politician who sued Wikipedia editor clearly never heard of the Streisand Effect”. 2016年1月7日閲覧。
  8. ^ pernillarydmark (2013年4月8日). “Wikipediaに記事内容を削除するよう圧力をかけたら逆に注目を集める結果に”. Gigazine. 2016年1月7日閲覧。
  9. ^ Wonderlane (2014年4月24日). “Wikipediaが政治家によって訴えられた編集者を法的に支援すると発表”. Gigazine. 2016年1月7日閲覧。
  10. ^ Stone, Brad (2007年5月3日). “In Web Uproar, Antipiracy Code Spreads Wildly”. New York Times. http://www.nytimes.com/2007/05/03/technology/03code.html 2016年1月7日閲覧. ""The ironic thing is, because they tried to quiet it down it's the most famous number on the Internet."" 
  11. ^ 「GALAXY S4」を純正品で充電中に炎上、その後Samsungの対応が問題でさらに違う意味で炎上”. Gigazine (2013年12月9日). 2016年1月7日閲覧。
  12. ^ Siegler, Mara (2014年8月4日). “Hotel fines $500 for every bad review posted online”. Page Six, New York Post. http://pagesix.com/2014/08/04/hotel-charges-500-for-every-bad-review-posted-online/ 2016年6月10日閲覧。 
  13. ^ Simon R. (2013年). “Union Street Guest House - Hudson, NY (review)”. Yelp. 2016年6月10日閲覧。
  14. ^ Micah Solomon (2014年8月4日). “This Hotel Fines Customers $500 For Bad Reviews (Yes, There's A Better Approach)”. Forbes. http://www.forbes.com/sites/micahsolomon/2014/08/04/you-cant-fine-guests-500-for-bad-reviews-like-this-hotel-but-heres-what-you-can-do/ 2016年6月10日閲覧。 
  15. ^ Jordan Crook (2014年8月5日). “ネガティブレビューを書く客に罰金500ドルを科すホテル”. Tech Crunch. http://jp.techcrunch.com/2014/08/05/20140804no-just-no/?iframe=true&preview=true 2016年6月22日閲覧。 
  16. ^ [2]タイ「全裸騒動」DYM、新人研修でも裸踊り? 企業HPには「風評被害対策」が専門と...
  17. ^ [1]「タイ全裸事件」水谷佑毅さんの株式会社DYMが、中国で違法な無資格医療ツーリズム実施中
  18. ^ [1]WantedlyのIPO批判記事、Google検索から消える 「写真を無断利用された」とWantedlyが削除申し立て
  19. ^ [2]Wantedlyにツイートを消された(かもしれない)話
  20. ^ [3]ウォンテッドリーの「批判記事排除」は問題だ
  21. ^ [4]求人サービス運営「ウォンテッドリー」批判ブログ、ツイートするだけで削除対象? 「封殺」とも取れる対応に批判集中
  22. ^ [5]Wantedly社によるDMCA申請で渦中のブログエントリ、Googleの検索結果に復活. 2017年8月30日閲覧
  23. ^ [6]徳力基彦, Wantedly騒動に学ぶ、ネットの悪評を削除するリスク. 2019年6月08日閲覧。
  24. ^ Mario Cacciottolo,The Streisand Effect: When censorship backfires,BBC,15 June 2012
  25. ^ Mario Cacciottolo (2012年6月15日). “The Streisand Effect: When censorship backfires”. BBC News. 2016年1月7日閲覧。
  26. ^ Google's right to be forgotten creates Streisand effect”. Recombu (2014年6月3日). 2016年1月7日閲覧。

関連項目

外部リンク