スサビノリ

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スサビノリ
スサビノリ(赤紫色部)とアオサ(緑色)と混植(千葉県千葉市産)
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: アーケプラスチダ Archaeplastida
: 紅色植物門 Rhodophyta
: 紅藻綱 Rhodophyceae
: ウシケノリ目 Bangiales
: ウシケノリ科 Bangiaceae
: アマノリ属 Pyropia
: スサビノリ P. yezoensis
学名
Pyropia yezoensis (Ueda) M. S. Hwang et H. G. Choi[1]
和名
スサビノリ
英名
Nori

スサビノリ(荒び海苔、学名Pyropia yezoensis)は、ウシケノリ科アマノリ属に分類される紅藻類の海藻で、海苔の1種。 海苔養殖の対象として最もよく用いられる。

特徴

葉状体は、海水〜汽水域の潮間帯から潮下帯の岩床に多く見られる。葉状体は赤紫色をしており細胞一層からなる膜質。形は生育地により倒卵形、楕円形、倒披針形と変異に富む。雌雄同株。

生活環は、1949年イギリスドリューらにより、通年で有性生殖と無性生殖を繰り返すことが発見された。春から秋にかけては無性生殖である糸状体期、秋から春にかけては有性生殖である葉状体期となる。

糸状体期
春に放出された接合胞子(果胞子)は、カキ殻などの基質に穿孔して潜り込み、糸状体を形成して越夏する。20℃程度の高水温下で糸状体は成長する。水温が23℃に達すると糸状体の先端に胞子を形成し、20℃程度まで低下すると放出する。
葉状体期
秋季に放出された殻胞子は、岩床や防波堤などの基物に着生し、葉状体を形成する。葉状体は春にかけて成熟、周縁部に精子及び卵子を形成し、接合胞子を作る。[2]

分布

日本から朝鮮半島にかけての東アジア。

日本における生育地

福島県以北の太平洋岸に自生。また、海苔原料として日本各地で養殖されている。

ナラワスサビノリ(奈良輪荒び海苔、学名Pyropia yezoennsis f. narawaensis
1967年に選抜された本種の養殖品種。かつてノリ養殖の主流であったアサクサノリと比較して繁殖力が強く、生育が早く育てやすい特徴があり、全国的にノリ養殖品種となった。以後も、品種改良により各種の栽培品種が作られている。アサクサノリとは別種である。[3][4]

近縁種

Laver Porphyra umbilicalis
イギリスウェールズ地方で食用とされる。形態はスサビノリによく似ており、煮てペースト状にしたものをLaverbreadとする。

脚注

  1. ^ Sutherland et al.. “A NEW LOOK AT AN ANCIENT ORDER: GENERIC REVISION OF THE BANGIALES (RHODOPHYTA)”. J. Phycol. 47 (5): 1131-1151. doi:10.1111/j.1529-8817.2011.01052.x. 
  2. ^ 【スサビノリ(黒のり)編】〜ノリの一生ってご存じですか?〜 - さかなの目・三重県「みえのうみ」
  3. ^ 海藻育種 (pdf) 日本藻類学会創立50周年記念出版
  4. ^ 登録品種・あさぐも 登録品種データベース(海藻)

関連項目