かじき座AB星

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かじき座AB星(AB Doradus)は、かじき座にある前主系列星の三連星系である。主星は閃光星で、明るさが周期的に変化する。

主星は、太陽の50倍の速さで自転しており、強力な磁場を持つ[1]黒点も太陽より多い。そのため、自転のたびに明るさが変化するように見える。赤道付近の自転速度は、磁場のため時間とともに変化する[2]

伴星かじき座AB星Bは主星の周りを平均135天文単位の距離で公転する。かじき座AB星Cは、主星から2.3天文単位と非常に近い位置を公転しており、軌道周期は11.75年である。3番目の恒星は、これまで発見された中で最も質量が小さいものの1つである。質量は推定で木星の93倍であり、褐色矮星に分類される境界である75-83木星質量に近い[3]

この星系は、30個程度の同じくらいの年齢の恒星が同じ方向に運動している「かじき座AB運動星団」の名前の由来となっている[4]。これらの恒星は全て同じ巨大分子雲で形成されたと考えられている。

出典

  1. ^ JR Minkel (2001年12月11日). “Shimmying Star May Shed Light on Forces at Work in the Sun”. Scientific American. 2006年6月25日閲覧。
  2. ^ A. C. Cameron, J.F. Donati. “Christmas Star Does the Twist”. PPARC. 2006年8月25日閲覧。 (The AB Dor Picture Gallery)
  3. ^ “Weighing the Smallest Stars”. ESO. (2005年1月19日). http://www.eso.org/outreach/press-rel/pr-2005/pr-02-05.html 2006年8月13日閲覧。 
  4. ^ B. Zuckerman, I. Song, M. S. Bessell (2005), “The AB Doradus Moving Group”, The Astrophysical Journal 613 (1): L65–L68, Bibcode2004ApJ...613L..65Z, doi:10.1086/425036 

外部リンク