氷河流

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
南極の氷の動き
南極の速度図。海岸に近づくにつれ青・黄・白と速度を増している[1]

氷河流: Ice stream)は、周囲の氷よりも遥かに高速で流動する氷床の領域であり、氷河の1種である[2]南極における重要な特徴であり、幅50キロメートルで厚さ2キロメートルに達し、長さは数百キロメートルに及んで氷床に由来する氷の大部分を占めうる。

氷の流速は年間1000メートルを超えることがあり、周囲の氷の10倍以上の速度である。氷河流の先端の剪断力により氷は変形・再結晶化を起こして柔らかくなる。この現象は剪断の縁には集中し、クレバスの形成もこの周縁で生じる。

氷河流の大部分の底には水が存在し、摩擦を小さくしている。岩石の構成も重要であり、柔らかく変性しやすい堆積物は硬い岩よりも流速が大きくなる[3]

南極[編集]

南極氷床は複数の氷河流で海に流れている。東南極で最大のものはランバート氷河であり、西南極においてはパイン島氷河スウェイツ氷河が最もバランスを崩しており、2006年の計測では年間85ギガトンの氷が失われている[4]

南極氷床は質量を失いつつあることが示唆されている。近年バランスが崩壊していることの原因ではないにしても、過去及び現在における流れと出口の氷河の加速は重要な要素であると考えられている[4]

グリーンランド[編集]

Kangerlussuaq 氷河や Jakobshavn 氷河および Helheim 氷河を含め、複数の氷河からグリーンランド氷床も流出している。

出典[編集]

  1. ^ Bamber J.L.; Vaughan D.G.; Joughin I. (2000). “Widespread complex flow in the interior of the Antarctic Ice Sheet”. Science 287 (5456): 1248–1250. Bibcode2000Sci...287.1248B. doi:10.1126/science.287.5456.1248. PMID 10678828. 
  2. ^ National Snow and Ice Data Centre. “Types of Glacier”. 2010年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月30日閲覧。
  3. ^ British Antarctic Survey. “Description of Ice Streams”. 2009年2月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年1月26日閲覧。
  4. ^ a b Rignot, E.; Bamber, J. L.; Van Den Broeke, M. R.; Davis, C.; Li, Y.; Van De Berg, W. J.; Van Meijgaard, E. (2008). “Recent Antarctic ice mass loss from radar interferometry and regional climate modelling”. Nature Geoscience 1 (2): 106. Bibcode2008NatGe...1..106R. doi:10.1038/ngeo102. PMC: 4032514. https://www.researchgate.net/publication/232802727_Recent_Antarctic_ice_mass_loss_from_radar_interferometry_and_regional_climate_modelling.