気配

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気配(けはい/きはい)とははっきりとは見えないが周囲の様子から何となく漠然と感じられる様子、または転じて市場での売り方買い方の様子動向を言う。

語源[編集]

この気配という語、元々は漢語ではなく和語の「けわい」(歴史的仮名遣い:けはひ)に由来する語で、「(け)+(は)うの名詞形」が元になったと言われる。この「けわい」という語は何となく感じられる様子だけでなく、具体的に聴覚嗅覚触覚として感じた様子や、人の言葉や動作といった物腰から受ける人柄や品位、既に無くなったり離れ離れになったもの(故郷や故人)の面影や名残や影響なども含んだ。

なお、これに相当する英語表現にsignまたはindicationがあり、また気配を感じる事をsenseという動詞で表すことがあるが前者2つの名詞は「徴候」といった意味で、後者の動詞は五感により読み取る事を含んだ「感じる」という意味であるため、なんとなく感じられる様子という意味での気配という語に相当する概念だけを表す簡潔な語はない。 あえて背後から人に見られているときに感じる気配を英語に訳すと"Sense of being stared at"となる。

市場の気配の場合は、マーケット・インディケーション(market indication)と言われることが多い。

感覚としての気配[編集]

「視覚の外に誰か(何か)がいる」という感覚は誰しもが経験するが、頭頂葉または側頭葉にある「脅威や安全に関わる相手をとらえる感覚」の活性化によって発生すると考える研究者もいる[1]。慣れない状況での独り歩きなどの不安な精神状態、薬物による意識の変容、統合失調症ではこの感覚が誘発されやすくなる[1]。また、片頭痛パーキンソン病などの脳神経の障害によって身体性のイメージが損なわれ、幻覚として気配が生じる場合がある。

気配は警戒の念を生じさせるが、気配に慣れた登山家などには孤独を癒す存在として感じられる場合もある[1]。また、ウィリアム・ジェイムズによれば、超越的な何かを感じる気付きを与える場合もあるという。

脚注[編集]

  1. ^ a b c サックス 2014, pp. 340-349.

参考文献[編集]

  • オリヴァー・サックス『見てしまう人々:幻覚の脳科学』大田直子訳、早川書房、2014年。ISBN 9784152094964

関連項目[編集]