櫻井武
表示
櫻井 武(さくらい たけし、1964年5月17日 - )は、日本の医学者。筑波大学医学医療系教授、国際統合睡眠医科学研究機構副機構長。医学博士(筑波大学、1993年)。学位論文の題は 「Cloning of a cDNA encoding a non-isopeptide-selective subtype of the endothelin receptor(非選択性エンドセリン受容体cDNAのクローニング) 」[1]。 1998年にオレキシンを発見。 睡眠研究の第一人者。
経歴
[編集]東京都出身。筑波大学医学専門学群卒業。筑波大学大学院在学中に、血管収縮因子エンドセリンの受容体を単離[2] 。テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンターに移り、柳沢正史教授とともに、ナルコレプシーの原因となるオレキシンを発見[3]。視床下部全腹側周室核に存在し、冬眠様状態を誘導するQニューロンを発見、マウスやラットに人工冬眠様状態を惹起することに成功[4] [5] [6]。
受賞歴等
[編集]- 1998年度 第4回国際神経内分泌学会優秀論文賞
- 2001年度 つくば奨励賞
- 2009年度 第14回安藤百福賞大賞
- 2012年度 第65回中日文化賞
- 2013年度 文部科学大臣表彰科学技術賞
- 2017年度 第2回塩野賞
- 2021年度 第32回つくば賞
著書
[編集]- 睡眠の科学―なぜ眠るのかなぜ目覚めるのか (ブルーバックス) [新書] 新書: 248ページ 出版社: 講談社 (2010/11/19) ISBN 978-4062577052
- <眠り>をめぐるミステリー―睡眠の不思議から脳を読み解く (NHK出版新書) [新書] 新書: 240ページ 出版社: NHK出版 (2012/2/8) ISBN 978-4140883723
- 食欲の科学 (ブルーバックス) [新書] 新書: 208ページ 出版社: 講談社 (2012/10/19) ISBN 978-4062577892
- 「こころ」はいかにして生まれるのか 最新脳科学で解き明かす「情動」 (ブルーバックス) 新書:240ページ 出版社: 講談社 (2018/10/17) ISBN 978-4065135228
- 「すごく使える睡眠学テクニック」 日本実業出版社 出版社: 日本実業出版社 (2024/8/30) ISBN 978-4-534-06129-4
- 「SF脳とリアル脳」 (ブルーバックス) 新書:240ページ 出版社: 講談社 (2024/12/26) ISBN 978-4-06-538174-8
参考文献
[編集]- ^ 博士論文書誌データベースより
- ^ Sakurai T, Yanagisawa M, Takuwa Y, Miyazaki H, Kimura S, Goto K, Masaki T. Nature. 1990 Dec 20-27;348(6303):732-5.
- ^ Sakurai T, Amemiya A, Ishii M, Matsuzaki I, Chemelli RM, Tanaka H, Williams SC, Richardson JA, Kozlowski GP, Wilson S, Arch JR, Buckingham RE, Haynes AC, Carr SA, Annan RS, McNulty DE, Liu WS, Terrett JA, Elshourbagy NA, Bergsma DJ, Yanagisawa M. Cell. 1998 Feb 20;92(4):573-85.
- ^ “冬眠様状態を誘導する新規神経回路の発見 ~人工冬眠の実現へ大きな前進~”. 筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 (2020年6月11日). 2020年8月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月26日閲覧。
- ^ “冬眠様状態を誘導する新規神経回路の発見 ~人工冬眠の実現へ大きな前進~” (PDF). 筑波大学 理科学研究所 (2020年6月5日). 2021年2月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月26日閲覧。
- ^ Takahashi, T.M., Sunagawa, G.A., Soya, S., Abe, M., Sakurai, K., Ishikawa, K., Yanagisawa, M., Hama, H., Hasegawa, E., Miyawaki, A., Sakimura, K., Takahashi, M., Sakurai, T. A discrete neuronal circuit induces a hibernation-like state in rodents, Nature Jul11., 2020 DOI: 10.1038/s41586-020-2163-6