東京スカンクス

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TOK¥O $KUNX[1]は1990年代の日本のサイコビリーラスティックを代表するバンド。1986年にダビすけ(後のAA&TO\$OX副長だびすケ? ,現DJのダビス・K[2])が命名、ミヨリーノ(現TheDROPS)らと結成。アナログ・レコードを8タイトル、CDを9タイトル、DVDを1タイトル発表している。ファースト・ライヴは1987年9月20日@下北ナイトクラブ[3]。ファイナル・ライヴ(正式名称は「改燦GiG」)は2002年10月26日@新宿ロフト[4]。その後3度、臨時再結成ライヴを行ってはいるが基本的には「超期休業中」。[5]

楽曲およびジャンル[編集]

TOK\O $KUNX(以下たびたび単に「$KUNX」と略記)のレパートリーは全曲オリジナルで、「非ロックなルーツ音楽各種」と「ロックな音楽各種」との混成音楽が主体である[6]。レパートリーの旋律面でのベースとなるのは欧米Trad各種および、Hillbilly, Bluegrass, Western, TexMex, DixielandJazz, NewOrleansJazz, WesternSwing, Jug, Skiffle等々。それらルーツ音楽で使用されるAcoustic楽器各種[7]も用いながらPunk,Ska,Rockabillyあたりのノリでプレイする、というのが$KUNXの基本スタイルといえる。当初はみずからの音楽性を Dixie-Cow-Punk'a'Skabilly などと表現していたが、Psychobilly的CowPunk風ナンバーがレパートリーの中核をなしていたため、世間的にはPsychobillyバンドとして認知され[8]$KUNX側もそれを否定することなくロカビリー/サイコビリー系イベントへの出演を活動の中心としていた[9]。しかし1990年代中期になるとサイコビリー・シーンには、スニーカー・半パン・長髪というスケートボード乗り同様の身形でハードコア風やメタル的な楽曲をプレイするバンドが増えたため[10]、それらスケーター的「ロン毛サイコ勢」との差別化を意識して1994年より$KUNXは路線名としてRustic Stomp[11]を自称。1996年にはDOG'GIE DOGG, LOS RANCHEROS, BANANA SHAKES, CLASSIC CHIMES といった楽器編成の似たバンドばかり集めた全9バンド[12]のオムニバス・アルバム『RUSTIC STOMP 1996』[13]の制作を主導し、その参加9バンドでラスティックという新ジャンル[14]を立ち上げるに至った。同時に$KUNX主催で『東京ラスティックないと』[15]という隔月イベントを下北沢のCLUB251で開催し(1996~1999)、ラスティック・ストンプ・ミュージックの普及・発展に貢献。

音源[編集]

TOK\O $KUNXは アナログ45rpmレコード(7",12"),アナログ33rpmレコード(7",10",12"), CD, 8cmCD, DVD の各フォーマットを発表している。参加オムニバスも含めるとインディー9レーベル、メジャー4レーベルの計13ものレーベルからオフィシャル音源がリリースされており、完全自由な放浪楽団であったともいえる。[16]

  • 1988年『TOK\O $KUNX』(4曲入りアナログ7吋) PacificDamageLabel
  • 1990年 VA『Jappin'PsychoBomb1stAppearance』(3曲参加アナログLP) VinylJapan
  • 1991年『BAKABILLIE BOOGIE』(4曲入りアナログ12吋) VinylJapan
  • 1992年『JELLY ROLL RODEO』(6曲入りアナログミニLP) VinylJapan
  • 1993年『Cattle Dick』(11曲入りCD) VinylJapan
  • 1994年『LA BANDA』(2曲入りアナログ7吋/CD) VinylJapan
  • 1994年『BPカウボーイのテーマ』(3曲入り8糎CD) FunHouse[17]
  • 1995年『RiNGO KiD OiWAKE』(6曲入りアナログ10吋/5曲入りCD) VinylJapan
  • 1996年 VA『RUSTIC STOMP 1996』(2曲参加アナログLP+アナログ7吋) OneMillionDollar
  • 1996年 VA『ラスティックの夜明け』(2曲参加CD) KING
  • 1997年『ハップトゥーサンシー・ゴー・ラスティックス!』(10曲入りCD) KING
  • 1997年『Hup-Two-Sun-She GO RUSTIX!』(10曲入りアナログLP) OneMillionDollar
  • 1998年 VA『アトミック番長!転校編』(1曲参加CD) HappyHouse
  • 1998年 VA『VIDEO RUSTIX』(2曲参加VHS) OneMillionDollar
  • 1999年 VA『SHOT THE PINK GUN』(1曲参加CD) UKP
  • 2000年 VA『RUSTIC STOMP 2000』(1曲参加CD/アナログLP) OneMillionDollar
  • 2001年『関東ラスチック狂会推薦盤』(4曲入りアナログ12吋/CD) VinylJapan
  • 2001年『東海ラスチック狂会推薦盤』(4曲入りCD) CyberLabel
  • 2001年『関西ラスチック狂会推薦盤』(4曲入りアナログ7吋) BlueStone
  • 2001年 VA『LONDON NITE 4』(1曲参加アナログLP/CD) EastWest
  • 2001年 VA『ItAllStartedHereVol.1』(2曲参加CD) BigRumblePro.
  • 2002年『関西ラスチック狂会推薦盤』(4曲入りCD) BlueStone
  • 2007年 VA『実録!!東京ビッグランブル1998』(2曲参加DVD) BigRumbleProductions
  • 2007年『東京バカビリーブギ伝説』(26曲入り2CD) VinylJapan[18]
  • 2012年『ハップトゥーサンシー・ゴー・ラスティックス!』(別社再発10曲入りCD) DIW Phalanx
  • 2012年『東京スカンクスな日々'87-'02』(42曲74テイク入りDVD) DisKKwaizoKDau

上記以外にもVinylJapan(英国盤)のオムニバス3枚とOneMillionDollar(ドイツ盤)のオムニバス1枚にも各1曲ずつ参加しているが、オリジナル収録の単独盤と全くの同一テイクなので省略。[19]


編制[編集]

1987年の活動開始時にも2002年の活動停止時にも$KUNXに参加していたメンバーは、ダビすけ と ミヨリーノの2名のみである。以下は初期、中期、末期 それぞれの代表的な編制例である。[20]

  • 1990年 (12"EP『BAKABILLIE BOOGIE』録音当時)
ダビすけ:Banjo, Mandolin, Vox
チャリオ:Guitar, Vox
カツ:Trumpet, Kazoo, TinWhistle, SlideWhistle, Harmonica, JawHarp, Washboard, Vox
ユージ:DoubleBass
ミヨリーノ:(Standing)Drums
  • 1995年 (10"LP『RiNGO KiD OiWAKE』録音当時)
ダビすけ:Banjo, Mandolin, Kazoo, Vox
チャリオ:Guitar, Fiddle, Kazoo, Vox
ハマ:Trumpet, Accordion, TinWhistle, SlideWhistle, Harmonica, JawHarp, Vox
島倉:DoubleBass, Vox
ミヨリーノ:(Standing)Drums, Vox
  • 2002年 (「改燦GiG」当時の正式最終メンバー)
ダビすけ:Banjo, Mandolin, Kazoo, Vox
てつ:Guitar, ResonatorGuitar, Kazoo, Vox
しろ:Trumpet, Harmonica, TinWhistle, Vox
カツヤ:DoubleBass, Kazoo, Vox
ミヨリーノ:(Standing)Drums

ライヴ活動[編集]

1987~2002年の15年間に、31都道府県の153会場で376本のライヴを行ったTOK\O $KUNX。15年間の平均としては、月に2本強のペースであった。以下そのデータ詳細。[21]

  • 最北端にして最東端の地は北海道旭川、最南端にして最西端の地は沖縄県宮古島。(海外なし)
  • 都道府県別ライヴ本数、上位5つは、①東京都(210本),②愛知県(32本),③神奈川県(22本),④沖縄県(14本),⑤静岡県(10本)
  • 会場別ライヴ本数、上位5つは、①新宿ANTIKNOCK(32本),②下北沢CLUB251(30本),③新宿Loft旧店舗(18本)[22], ④下北沢ZOO(15本)[23],⑤川崎CLUB CITTA'(10本)
  • 欧米バンド(Psycho/NeoRocka/Jive/NeoAco/Punkなど)30組の来日公演にサポート出演しており、$KUNXは90年代日本の「外タレ前座王」であった[24]

売上[編集]

  • 2012年11月3日(土),4日(日)に新宿Loftで開催された$KUNXの再結成2days(11/3が「活動カイシ25周年記念」、11/4が「活動テイシ10周年記念」)の初日[25]が、2012年・新宿Loftドリンク売上(1日単位)の年間第1位を記録。[26]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Yは「\」を使用、Sは「$」を使用、末尾は「X」
  2. ^ Dabis-KのDJ選曲はRustic~CowPunk,RusticのRoots各種~各国Trad,昭和Jazz歌謡,Latin各種,60s~70s欧州軽音楽各種,GS~昭和和製R&R,日独米等の行進曲&軍歌&ミリオタアニソン?wなどなど
  3. ^ 5曲演奏、観客30人
  4. ^ 40曲演奏、来客500人超えの満員札止め。1日に30曲以上も演奏するのはこの日が最初で最後であった。ちなみにサポートバンドは急遽臨時再結成したFloozy Drippy's 1組で3曲だけ演奏。開場時と幕間のDJはLOS RANCHEROSのBang-joeが担当
  5. ^ 参考文献:月刊『DOLL』((株)ドール) 2003年1月号61頁,同 1991年2月号27頁,隔月刊『Bollocks』((株)メディア総合研究所) 2012年10月号30頁
  6. ^ 参考文献:月刊『宝島』(JICC出版局) 1990年2月号11頁,月刊『BURST』((株)白夜書房) 1998年3月号28頁,月刊『DOLL』((株)ドール) 1989年8月号59頁,同 1995年11月号54頁
  7. ^ Banjo,Mandolin,Fiddle,Accordion,Kazoo,Harmonica,JawHarp,Washboard,Whistle各種など
  8. ^ 活動開始2年目の1988年末から2002年の活動停止に至るまでの累計三名のベーシストは全員がウッドベースでのスラップ奏法であった。
  9. ^ ビリー系イベントの他には、パンク中心のイベントやスカ中心のイベントにも出演していた。
  10. ^ 逆に$KUNXのメンバーの身形は「皮製ブーツ(Drマーチンやエンジニア)・作業系ズボン(ペインターやカーゴ)・短髪(フラットトップやリーゼント)」が基本であり、$KUNXの楽曲はあくまでも各種民俗音楽とパンク/スカ/ロカビリーとの混成音楽が基本であった。
  11. ^ Rusticは英語で「田舎くさい、荒づくりの、粗暴な」といった意味。StompはJazz系,Billy系,Ska系,Oi系の音楽で幅ひろく使われるダンス用語。
  12. ^ 他にM.M.BOCCOS, SPEED BALL, THE HOLSTERS, DOGGY MOUNTAIN BULLDOGS。
  13. ^ ドイツ盤LPをOneMillionDollarレコーズが、日本盤CDをKINGレコードが邦題『ラスティックの夜明け』でリリース。
  14. ^ グループサウンズ、ニューミュージック、ビートパンクなどと同じく日本発祥のジャンル名である。しかもバンド当事者による命名、さらに複数バンドで示し合わせての新ジャンル旗揚げであった。
  15. ^ ライヴは毎度の$KUNXの他に毎回2~3組のラスティック楽団(既出バンドの他にもTheSTaRKEYS,CaveGazeWagon,PistolPackin'Mama等の新しいラスティック楽団)が不定期に出演。DJは$KUNXのダビすけ、てつ の他、その日のライヴ出演バンドのメンバーの中から毎度数人選ばれた。
  16. ^ 参考文献:月刊『MUSIC MAGAZINE』((株)ミュージックマガジン) 1992年1月号359頁,同 1993年10月号346頁,月刊『DOLL』((株)ドール) 2002年1月号60頁,同 2002年10月号60頁,隔月刊『Bollocks』((株)メディア総合研究所) 2012年10月号30頁
  17. ^ 製菓会社・カルビーの「サッポロポテトBP(ベーコンポテト味)」のテレビCMソング(歌詞に商品名入りのダビすけ書き下ろしコマソン。'94年4月~6月の3ヶ月に関東・甲信越でだけオンエアされたこのCFのメインアクトは当時人気モデルだったM・パンサー。$KUNXはCFアタマ2秒にだけクチパク演奏で出演)。
  18. ^ 現在もっとも入手しやすく、さらに一挙に26曲きける廉価盤。問:VINYL(新宿西口)。この2枚組コンピ、曲名表記1ヶ所に誤字あり。×JerryRollRodeo, ◎JellyRollRodeo
  19. ^ 参考文献:月刊『DOLL』((株)ドール) 2002年1月号60頁
  20. ^ 参考文献:月刊『BURST』((株)白夜書房) 1998年3月号28頁,月刊『DOLL』((株)ドール) 1995年11月号54頁
  21. ^ 参考文献:紀刊「Ru$TiQu€」(ぢすく怪俗堂) 21世紀創刊号兼廃刊号(2012年7月)10頁,月刊『DOLL』((株)ドール) 2003年1月号61頁
  22. ^ ちなみに歌舞伎町の現店舗では6本。
  23. ^ ちなみに前身の下北ナイトクラブでは6本、後身のSLITSではゼロ。
  24. ^ $KUNXが前座を務めた来日バンドの主なものはKingKurt,Meteors,DementedAreGo,Frenzy,Polecats,Rockats,Stargazerz,MonochromeSet,Rezillosなどである。
  25. ^ 東京スカンクス活動カイシ25周年記念スペシャル「Phalanx Night & Tokyo Rustic Jamboree」
  26. ^ 参考文献:月刊(無料)『FOLLOW UP』((株)disk union) 2013年2月号26頁 (または裏から11頁)の新宿Loft大塚店長のコメント。