日本航空安全啓発センター
日本航空安全啓発センター(にほんこうくうあんぜんけいはつセンター。単に安全啓発センターとも)は、日本航空(以下、JAL)が航空安全を啓発するために運営する教育・展示施設である。東京都大田区の東京国際空港(羽田空港)第2総合ビル2階にあり、東京モノレール整備場駅から徒歩5分圏内の場所にある。安全啓発センターの主な目的はJALグループ社員の安全意識の確立である[1]。主な展示は、JAL123便(ボーイング747型機を使用)の衝突事故に関するものである[2]。
沿革
1985年8月12日、東京国際空港(羽田空港)18:00発・大阪国際空港(伊丹空港)行きの日本航空123便は、高天原山(御巣鷹の尾根)に衝突した[3]。単独機による衝突事故としては過去に例のないものであった[4]。事故から遡って数年前に行われた後部隔壁の不適切な修理が原因で、致命的な構造的欠陥を引き出したことにより、衝突事故は発生した[5]。
科学・航空・危機管理で著名な作家、柳田邦男を座長とする外部の安全に関する専門家5名で構成される調査委員会が2005年に日本航空によって設立された。委員会は、安全啓発センターの構築を推奨した[6]。
2006年4月24日、安全啓発センターが開館[7]、金崎豊が館長となった[6]。安全啓発センターの主な目的の一つが、JAL従業員の安全意識の確立であった[1]。
公表していなかったにもかかわらず、安全啓発センターは平日でも毎日80名の訪問を受けている。
所在地
安全啓発センターは羽田空港にほど近い整備区域の特徴のないビル内、東京モノレール羽田線の整備場駅の近辺にある[1]。一般公開されているが、予約が必要となっている[1]。
展示
後部胴体の残骸、ボイス・レコーダー、事故に関する新聞記事、そして事故の様子が写された写真が展示されている。事故機は直ちに衝突をしたわけではなく、乗客が別れの手紙を書く時間があった。それらの手紙のうち、幾つかも展示されている[6]。また、JALにおける他の歴史的な航空機事故をも展示している[1]。安全啓発センターの床面積は622㎡を占める[7]。
関連項目
外部リンク
脚注
- ^ a b c d e “安全啓発センター”. 2010年9月18日閲覧。
- ^ “JAL's Safety Promotion Center with 1985 jet wreckage opens. Industry & Business Article - Research, News, Information, Contacts, Divisions, Subsidiaries, Business Associations” (2006年4月24日). 2010年9月18日閲覧。
- ^ TIME (2005年6月21日). “Last Minutes of JAL 123,”. 5. 2010年9月18日閲覧。
- ^ Magnuson, Ed (2005年6月21日). “Disasters: Last Minutes of JAL 123”. Time 2010年5月23日閲覧。
- ^ “ASN Aircraft accident description Boeing 747SR-46 JA8119 - Ueno”. 2010年9月18日閲覧。
- ^ a b c Stanley, Bruce (2006年7月27日). “Japan Airlines exhibits contrition for '85 crash”. Pittsburgh Post-Gazette 2010年9月18日閲覧。
- ^ a b “JAL、安全啓発センターを開設” (2006年4月19日). 2010年9月18日閲覧。