戸谷茂樹

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戸谷茂樹(とだにしげき 1945年 - )は、日本弁護士

略歴[編集]

兵庫県佐用郡出身[1]

中央大学法学部法律学科卒業[1]

1970年弁護士登録[1]

附属池田小事件[編集]

附属池田小事件の犯人の弁護士を務める。起訴内容を争わない方針を取り、犯人には罪を償う意識を持ってもらうことを目指した[2]。だが犯人は最後まで謝罪の言葉を口にせず事件と向き合わなかったことを悔やむ。治療では解決しない人間もいるため、人格形成が重要と説く。生まれながらの犯罪者はいないとして、歪んだ人間を生まない教育や家庭環境をいかにして築くかとする[3]

事件後の犯人と獄中結婚した女性がいた。戸谷茂樹を通じて手紙差し入れが行われていた。死刑確定後は親族以外は犯人とは面会できないため、死刑確定の前に獄中結婚していた。戸谷茂樹や女性の両親は結婚に反対していたが結婚した。女性が書いた婚姻届の用紙を戸谷茂樹が差し入れとして犯人に送り、犯人がこれに署名して結婚が成立した[4]

同時期にもう1人犯人との結婚を望む女性がいた。この女性からの手紙も戸谷茂樹を通じて差し入れとして送られていた。戸谷茂樹はこのもう1人の女性のことを、犯人と結婚することで有名になることを計算して結婚しようとしていると見ていた。この女性では犯人との交流は難しいと見ていた[4]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 所属弁護士;戸谷茂樹”. www.kyobashikyodolo.com. 2023年1月7日閲覧。
  2. ^ 宅間守元死刑囚に言ってほしかった「一言」 向き合った弁護士の思い:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2022年6月5日). 2023年1月7日閲覧。
  3. ^ 小松 大騎, 小川 恵理子 (2021年6月7日). “【池田小事件20年】悲劇二度と…元死刑囚と接した弁護人と面会者の苦悩”. 産経ニュース. 2023年1月7日閲覧。
  4. ^ a b なぜ死刑囚・宅間守の妻になったか 小野一光|文藝春秋digital”. 文藝春秋digital. 2023年1月7日閲覧。