御書 (日蓮)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

御書(ごしょ)は、日蓮が執筆した書状や著作[1]

概要[編集]

日蓮が執筆した書状や著作を指して「御書」と称した文は、信者富木常忍[注釈 1]の『日常置文』(1299年永仁7年))にまで遡ることが出来る。また、大石寺に伝わる『御伝土代』にもその記述が見られ、初期の頃から全日蓮教団的に広く称されていたことがわかる[1]。なお、「(御)遺文」((ご)いぶん)、「祖書」(そしょ)、「御妙判」(ごみょうはん)とも称される[2]

『昭和定本日蓮聖人遺文』には、正編434編、続編55編、図録30編、断簡357点、目録19点が収録されている[3]。一方、宗派もしくは研究者によって偽書とされる御書があったり、断簡が存在したりするため、総数は明らかでない。

そのうち重要な3編を三大部、5編を五大部と呼ぶ。

三大部[4] 五大部[5]
立正安国論
開目抄
観心本尊抄
撰時抄
報恩抄

ただし、どの御書をもって三大部もしくは五大部とするかについては、諸説ある[6]

なお、創価学会2021年に『日蓮大聖人御書全集 新版』を刊行した際、同御書全集に「出家功徳御書」[注釈 2]を除く461編の御書を収録しており、日蓮の御書のほか、日興の著作も一部収録している[7]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 日蓮没後に出家し、日常と号した。
  2. ^ 創価学会では「出家功徳御書」を除外した理由として「会員の信行に資さない」ことを挙げている。

出典[編集]

参考文献[編集]

  • 日蓮宗事典刊行委員会 編『日蓮宗事典』日蓮宗宗務院、1981年10月13日。ASIN B000J7QTDQNCID BA61075492OCLC 17071163