土井典

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土井 典(どい のり[1]、生年非公開-2017)は、日本の美術家・球体関節人形作家である。

日本の球体関節人形制作のパイオニアの一人であり、主にFRPを用いて、肥満体の球体関節人形を制作した。

経歴[編集]

1955年、女子美術大学卒業。1955年から1975年までマネキン会社に勤め、メイキャップ等を担当。

1968年から1970年まで、澁澤龍彦責任編集「血と薔薇」にて小道具を制作。同誌第2号の表紙に用いられた貞操帯は土井の手によるものである。

1974年より個展・企画展等多数。

作品と交流[編集]

澁澤龍彦の書斎にある、腹部を中心に上下に脚が伸びた、ハンス・ベルメールの人形のレプリカと等身大の少女のマネキンは、澁澤の依頼によって1968年、土井が制作[2]したものである。

寺山修司が所蔵した「大山デブ子」人形は、土井典が制作したものを寺山が購入した[3]ものであった。土井の個展「王国の虜囚」には寺山が推薦文を寄せている。

土方巽の舞踏公演「肉体の叛乱」で用いられた男性器の張型は土井が制作した。

著書[編集]

  • 『葡萄色の乳房』(1986、ペヨトル工房)
  • 『偽少女』(2003、論創社)

脚注[編集]

  1. ^ 偽少女 | 論創社”. 論創社 | 社会科学・人文書、思想・哲学、歴史、文学、ミステリ・推理小説、芸術、演劇・戯曲・台本の新刊書籍・本の案内・販売の論創社 (2003年6月20日). 2022年5月4日閲覧。
  2. ^ Nise shōjo = La fausse fille. Nori Doi, 典 土井. 論創社. (2003). ISBN 4-8460-0434-1. OCLC 675934537. https://www.worldcat.org/oclc/675934537 
  3. ^ 『ドール・フォーラム・ジャパン第27号』ドール・フォーラム・ジャパン事務局、12.8、13頁。 

外部リンク[編集]