京葉シーバース

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京葉シーバース

京葉シーバース(けいようシーバース)は千葉県袖ケ浦市沖約8kmの東京湾にあるシーバースである。運営主体は京葉シーバース株式会社。

長さ470m、幅54m、水深20.5m。20万トン級タンカー2隻の接岸が可能であり、海底下を通るパイプラインによって京葉工業地域内の4箇所の製油所コスモ石油株式会社千葉製油所・大阪国際石油精製株式会社千葉製油所・出光興産株式会社千葉製油所・富士石油株式会社袖ケ浦製油所)に繋がっている。

京葉シーバースの成り立ち[編集]

南側海上から見た京葉シーバース。2023年11月12日撮影。

京葉臨海工業地帯に立地する、丸善石油株式会社(現コスモ石油株式会社)・極東石油工業株式会社(現大阪国際石油精製株式会社)・出光興産株式会社富士石油株式会社の石油精製4社は、原油タンカーの巨大化の趨勢に対処するために十分な水深を有する海上バースの設置が必要であると結論。タンカーなど大型船舶の東京湾における航行安全の問題などを考慮し、4社共同で海上バースを設置する事で意見が一致。
この4社合意を受けて海上バースの建設協議会を設置し、共同バース建設の経済性等の検討を行い、運輸省(現:国土交通省)、通商産業省(現:経済産業省)、千葉県など行政機関とも摺り合わせと調整をし、バースの規模、位置、建設時期、工法等の具体的検討が行われた。
1967年昭和42年)2月 京葉シーバース株式会社を設立、1968年昭和43年)7月31日に完成した[1]8月11日に初めてのタンカー「飛燕丸」が着桟。

運営会社概要[編集]

社名[編集]

  • 京葉シーバース株式会社

所在地[編集]

  • 千葉県袖ケ浦市長浦拓1-1-18

創立[編集]

資本金[編集]

  • 2億円

建物[編集]

  • 鉄筋コンクリート2階建 2棟

敷地面積[編集]

  • 3300平方メートル

本館延面積[編集]

  • 1013平方メートル

別館延面積[編集]

  • 535平方メートル

京葉シーバースの概要[編集]

位置[編集]

  • 北緯35°30′41.6″ 東経139°56′13.1″ 袖ケ浦沖合8.0km

型式[編集]

  • ドルフィン桟橋両面接岸式

規模[編集]

  • 全長470m 幅54m(水深20.5m)

設備[編集]

  • ローディングプラットフォーム(作業床)
  • 連絡橋
  • ドルフィン
    • ブレスティングドルフィン
    • ムアリングドルフィン
  • 係留設備
    • ストームウィンチ
    • ストームワイヤー
    • クイックリリーズフック
  • 昇降用ラダー
  • 原油受け入れ配管 44B、50B
  • 原油揚荷用ローディングアーム(16B、緊急離脱装置付き)
    • 送油能力 4000kL/h×3本(合計 12000kL/h)
  • 給油用ローディングアーム
    • 原油船側(10B) 2基
    • 給油船側(8B)  1基
  • 管制棟
    • 1階 待合室、機械室
    • 2階 食堂、仮眠室
    • 3階 監視室
  • 陸電設備
  • 非常用発電設備

海底パイプライン[編集]

  • 出光ライン 7800m
  • 富士ライン 7300m
  • コスモ・東燃(極東)ライン 10000m

浮油式オイルフェンス[編集]

  • 1340m

使用鋼管杭[編集]

  • 径600~1500mm×60m~70m 255本
  • 使用鋼材総重量 13600ton

作業船[編集]

  • 五和丸(オイルフェンス展張船、兼作業船)
  • 千葉丸(曳船、兼防災船)
  • 五葉丸(曳船、兼オイルフェンス展張船)
  • 清澄丸(油回収船)

建設[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ “京葉シーバース十日に完工、世界最大の規模大タンカー2隻も着棧”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 千葉版. (1968年8月1日) 

外部リンク[編集]