中村雀右衛門 (初代)

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初代 中村 雀右衛門(しょだい なかむら じゃくえもん、文化3年(1806年) - 明治4年8月18日1871年10月2日))は、幕末歌舞伎役者。屋号は江戸屋。俳名に芝斗・我升がある。

大坂に生まれ、四代目中村歌右衛門の門人となる。子役の頃から中村源次の名で敵役を務め、文政11年(1828年)正月より中村芝蔵と改名し中芝居に出る。同年師匠と共に江戸下る。天保5年(1834年)には大坂に戻り大芝居に出る。その後も大西芝居で大役を務めたがあまりぱっとせず、弘化3年(1846年)春に名古屋で中村儀左衛門と改名した。嘉永3年(1851年)11月にはまた帰坂し中村雀右衛門と改名。この頃が一番活躍した時期で、評判記では実悪で大上上吉の評価を受けている。

晩年は「実悪の開山」の異名をとった。当たり役は『仮名手本忠臣蔵』の加古川本蔵など。