上野直樹

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上野 直樹(うえの なおき、1950年 - 2015年)は、日本認知科学者。

来歴・人物[編集]

北海道生まれ。1978年から国立教育研究所(現・国立教育政策研究所)で研究活動を展開し、その後、2003年からは武蔵工業大学(現 東京都市大学)にて後進の指導にあたった。

いわゆる状況論(状況的認知)のリーダーの一人として、佐伯胖や茂呂雄二らとともに国内外で活動した。

1990年代に、サッチマン(Lucy Suchman)、レイヴ(Jean Lave)、マクダーモット(Ray McDermott)、グッドウィン(Charles Goodwin)らとの交流を通して、状況的学習論に基づく研究コミュニティを形成した。さらに、活動理論、エスノメソドロジーアクターネットワーク理論へとそのネットワークを拡張し、個人による知識や技能の獲得としてではなく、コミュニティのメンバーや人工物との関係を形成していく過程として「学習」を捉える視点を定着させた。

二元論的な視点や官僚的な見方を徹底して排し、2000年代後半からは、Web2.0や、AR(拡張現実)といった新しい技術による社会的関係の再構築に関心を寄せつつ、制度的な組織やコミュニティを超えて広がる野火的活動や、資本主義的な商品経済では収まりきらない、労働や知識の交換を自ら組織することを通して、状況的学習論の捉え直しを図った。

著書[編集]

  • 『仕事の中での学習 状況論的アプローチ』東京大学出版会、1999年
  • 『インタラクション - 人工知能と心』(西阪仰と共著)大修館書店、2000年
  • 『状況のインタフェース (状況論的アプローチ1)』金子書房、2001年
  • 『視点』(宮崎清孝と共著)東京大学出版会、2008年(新装版)

論文[編集]

脚注[編集]