ヴラド2世

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ヴラド2世

ヴラド2世またはヴラド竜公ヴラド・ドラクル Vlad II Dracul, 1447年12月没)はワラキアヴォイヴォダ(公爵)である。彼は1436年から1442年にかけて、また1443年から1447年にかけて統治を行った。彼はミルチャ2世ヴラド4世(僧公)、ヴラド3世(ドラクリア、串刺し公)、ラドゥ3世(美男公)の父である。

ヴラド2世はカトリック教会からの政治的な支持を獲得し、オスマン帝国からワラキアを防衛するための助力とするための計画と一部として、1408年にハンガリー王(後の神聖ローマ皇帝)ジギスムントによって1408年に設立されたドラゴン騎士団に加盟後の1431年に竜公、又は悪魔公(ドラクルDracul)の異名を受けた。

家族[編集]

ヴラド2世はワラキアのヴォイヴォダ、ミルチャ1世(老公)の子であり、ドラクレシュティ家の祖である。対立する公家であり、父の兄弟の系統であるダネシュティ家を殺戮し、ワラキアでの権力を獲得し、1436年に追放先のトランシルヴァニアから帰還したことで知られている。

ヴラド2世の最初の妻については特定されていない。後妻であるモルダヴィア公女ヴァシリッサはアレクサンドル善良公の長女であり、シュテファン3世の父方のおばにあたる。

彼の嫡出の子どものうち、長子はミルチャ2世である。彼の母親については特定されていない。ヴラド4世僧公は、ヴラド2世と彼の愛人の一人であるカルトゥーナと呼ばれるワラキアの貴婦人との子である。ヴラド3世ラドゥ3世はモルダヴィアのヴァシリッサとの子である。 ヴラド2世は多くの愛人を持ち、ミルチャ(長子ミルチャとは別人。父ミルチャ1世老公の威名から、「ミルチャ」は一族内で数多い名前だった)と名づけられたもう一人の子を含む幾人かの非嫡出子の父となった[1]

オスマン帝国との戦争と公位の継承[編集]

1431年、ヴラド2世の兄アレクサンドル1世アルデアはダン2世からワラキア公位を奪い取った。1436年にアレクサンドル1世が病死すると、ヴラド2世が爵位を継いだ。

ヴラド2世はトランシルヴァニアフニャディ・ヤーノシュに対抗するための支持を得るためにオスマン帝国の宮廷に行ったため、ミルチャ2世が1442年に公位を継承した。

1442年のスンティンブルの戦いの後、フニャディは強引にワラキアに侵入し、ヴラド2世に服従を迫った。1443年にミルチャ2世はフニャディに導かれて侵入した軍隊によって地位から追い落とされ、逃走を強いられた。フニャディはダン2世の息子バサラブ2世をその席に据えた。しかし、バサラブ2世はわずかな時間しか地位を維持することができず、一年のうちにオスマン帝国軍の支援を受けたヴラド2世に奪われてしまう。ヴラド2世はワラキアの少年たちをオスマン帝国の軍隊への奉仕の中で鍛錬させることと、毎年年貢を納めるという内容でオスマン帝国との間に和議を結んだ。彼はまたヴラドラドゥの二人の息子を人質としてオスマン帝国に残した。 ミルチャ2世は父であるヴラド2世を補佐したが、ヴラド2世のオスマン帝国への政策は支持しなかった。ミルチャは父の知識を活用してオスマン帝国の軍事行動を成功に導いたが、ヴラド2世からは支持も反対もなかった。有能な指揮官としてミルチャは1445年にジュルジュ要塞を奪還した。しかし、ヴラド2世は、彼の地位の維持と人質になっている二人の息子の安全を守るために要塞の支配権をオスマン帝国に渡す別の条約を結んでしまった。

1443年、ハンガリーの新王ウラースロー1世(ポーランド王ヴワディスワフ3世ヴァルネンチク)はフニャディ指揮のもと、トルコ人のヨーロッパからの駆逐をもくろんでヴァルナ十字軍を興した。フニャディはヴラド2世にドラゴン騎士団の一員として、またハンガリー家臣の一員としての義務を果たすことを要求し、軍への参加を命じたが、ヴラド2世は拒否した。

教皇エウゲニウス4世はヴラド2世の義務を免除したが、かわりに息子であるミルチャ2世を送ることを要求した。ヴァルナの戦いでキリスト教軍は壊滅した。フニャディはその場所から脱出し、ミルチャ2世やヴラド2世を含む多数の人から敗走を非難された。これがヴラド2世の一家とフニャディの対立の端緒となった。

[編集]

1447年12月、ハンガリーの摂政となったフニャディはヴラド2世に対して軍を興し、バルテニ近くの沼地で彼を殺害した。ヴラド2世の長男であり相続人のミルチャ2世は目を潰された上で、生きたままトゥルゴヴィシュテに葬られた。

脚注[編集]

  1. ^ Florescu, Radu R.; Raymond McNally (1989). Dracula, Prince of Many Faces: His Life and His Times. Boston: Little, Brown & Co..