ユニヴァーサル・スペース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

ユニヴァーサル・スペース(Universal space)はモダニズム建築の理念の一つで、内部空間を限定せず、自由に使えるようにしようとするもの。モダニズムの建築家ミース・ファン・デル・ローエの建築空間を指して使われた語。均質空間などと訳される。

西欧の伝統的な建築物は煉瓦や石で築かれ、部屋と部屋の間は厚い壁で仕切られていた。近代になって鉄骨造、鉄筋コンクリート造の構造によって、柱・天井・床の構成により広い空間を取ることができるようになった。

ミースイリノイ工科大学クラウンホール(en)(1956年)において鉄骨造で内部に柱のない220×120フィートの広い空間を達成し、シーグラム・ビルディング(1958年)ではガラス貼りの超高層ビルで内部に柱のない広いオフィス空間を造った。ミースはクリア・スパン構造と呼んだが、一般にユニヴァーサル・スペースとして広まった。

事務所建築では、各階を柱・壁の少ない広い空間とし、パーティションなどで適宜区切ることによって、各部署がその時々の組織変更(定員の増減)にも対応できるようになった。

日本では丹下健三の旧東京都庁舎(1957年)がユニヴァーサル・スペースの早い導入例として知られる。

ポストモダンの建築家からは、ユニヴァーサル・スペースは無機質な空間を生み出したとして批判を受けた。

参考文献[編集]

  • 彰国社編『建築大辞典』(彰国社、1993年)
  • 佐野潤一『ミース、オーダー、黄金比 ミース・ファン・デル・ローエの建築理念を辿る』(丸善プラネット、2015年)

関連項目[編集]