モルゲン

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モルゲン(morgen)は、かつてドイツオランダ・ポーランド、およびオランダの統治下における南アフリカ台湾で使用されていた面積単位である。その広さは地域により様々で、0.2ヘクタールから1ヘクタールの幅があった。また、プロイセンバルカン半島ノルウェーデンマークでも使用されており、その大きさは約0.27ヘクタールであった。

morgenとはドイツ語およびオランダ語で「朝」を意味する言葉である。1頭の農耕牛が午前中に耕すことのできる面積として定義されたことに由来するもので、この由来はヤード・ポンド法エーカーに似ている。"morgen"は通常、"tagwerk"(丸一日で耕すことのできる面積。英語に直訳すると"day work")の60 - 70%とされた。

1869年、北ドイツ連邦は1モルゲンを0.25ヘクタール(2500平方メートル)に固定したが、現在では多くの農地で1ヘクタールを1モルゲンとしている。モルゲンの下の単位に、ヤード・ポンド法のロッドに相当するルート(rute)があったが、長さ5メートルと規定されたメートル法化ルートは普及しなかった。

台湾では、モルゲンに由来するという単位が現在でも使用されている。1甲は2934である。

ドイツ[編集]

下表は、ドイツの各地で使用されていたモルゲン(および、それに類する単位)の大きさである。モルゲンの大きさは、肥沃な土地や平野の広がる土地、すなわち耕作のしやすい地域では大幅に大きくなる傾向があった。モルゲンの下の単位は、ヤード・ポンド法の平方ロッドに相当するQuadratruteであった。

ドイツ各地のモルゲンの大きさ
地域(時期) 単位名称 本来の定義(QR = Quadratrute)
メートル法化モルゲン Viertelhektar = vha 2,500 (100 QR)
ホンブルク 1,906 160 QR
フランケン 2,000
フランクフルト Feldmorgen 2,025 160 QFeldR
オルデンブルク 2,256
カッセル Acker 2,386 150 QR
プロイセン (1816–1869) Magdeburger Morgen 2,553.22 180 QR
ヴァルデック=ピルモント
ブレーメン 2,572 120 QR
シャウムブルク 2,585 120 QR
ハノーファー (-1836) 2,608 120 QR
ハノーファー (1836-) 2,621 120 QR
ケルン ラインラント Rheinländischer Morgen 3,176 150 QR
ベルク Bergischer Morgen 2,132 120 QR
ヴュルテンベルク (1806–1871) 3,152 384 QR
フランクフルト Waldmorgen 3,256 160 QWaldR
ブラウンシュヴァイク Waldmorgen 3,335 160 QR
バヴァリア Tagwerk 3,407 400 QR
バーデン 3,600 400 QR
オルデンブルク Jück 4,538 160 QR
ダンツィヒ ca. 5,000 300 QR
ホルシュタイン Tonne (Tønde) 5,046 240 QGeestR
シュレースヴィヒ=ホルシュタイン Steuertonne 5,466 260 QGeestR
Kulmischer Morgen 5,601.17 300 QR
東フリースラント Diemat (h) 5,674
メクレンブルク 6,500 300 QR
アルテス・ラント (Harburg & シュターデ) 8,185
ハンブルク 9,658 600 QGR
Kehdingen Marschmorgen 10,477
アルテス・ラント 10,484 480 QR
Hadeln 11,780 540 QR

類義語[編集]

古代ローマには2頭の牛が午前中に耕す広さ、ユゲルムがある。[1]

脚注[編集]

  1. ^ 『はかりきれない世界の単位』株式会社創元社、2017年6月20日、25頁。 

参考文献[編集]

  •  この記事にはアメリカ合衆国内で著作権が消滅した次の百科事典本文を含む: Chisholm, Hugh, ed. (1911). "Morgen". Encyclopædia Britannica (英語). Vol. 18 (11th ed.). Cambridge University Press. p. 836.

関連項目[編集]