マンデルスタム表示

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マンデルスタム表示(マンデルスタムひょうじ)とは、素粒子散乱振幅積分表示のひとつ。二体反応振幅は、エネルギー移行運動量のように2つの独立な変数関数である。そこでスタンリー・マンデルスタムは、この2変数の関数としての散乱振幅の解析性を示す表示を提案した。これがマンデルスタム表示と呼ばれる。

マンデルスタム変数[編集]

マンデルスタムはsチャンネルの反応と呼ばれるという反応を考え、という3変数を導入した。これらをマンデルスタム変数と呼ぶが、で結びついているので独立な変数は2個である。変数sはAとBの重心系におけるエネルギーの二乗を表し、tはAからCへの(移行運動量)2を表し、uはAからDへの(移行運動量)2を表す。

マンデルスタム表示で重要なのは、この表示が同時に次の2つの反応を表すことである。

・・・「tチャンネルの反応」
・・・「uチャンネルの反応」

ここで反粒子である。反応振幅は互いに解析接続で結ばれている。3つの反応の振幅スペクトル関数を使って以下のように書くことができる。

参考文献[編集]

  • 『物理学辞典』培風館、1984年。 

関連項目[編集]