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マツホド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マツホド
マツホドの菌核
マツホドの菌核
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
: ハラタケ綱 Agaricomycetes
: タマチョレイタケ目 Polyporales
: タマチョレイタケ科 Polyporaceae
: マツホド属 Wolfiporia
: マツホド W. extensa
学名
Wolfiporia extensa
シノニム

Poria cocos

和名
マツホド(松塊)
茯苓(ブクリョウ)
英名
hoelen
poria
tuckahoe
China root
fu ling (茯苓, pīnyīn: fúlíng)
matsuhodo

マツホド(松塊)とはサルノコシカケ科菌類の一種。学名は Wolfiporia extensaシノニム: Poria cocos )。アカマツクロマツ等のマツ属植物の根に寄生する。

菌核は伐採後2-3年経った切り株の地下15-30cmの根っこに形成される。子実体は寄生した木の周辺に背着生し、細かい管孔が見られるがめったに現れず(外部リンク参照)、球状の菌核のみが見つかることが多い。

利用

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菌核の外層をほとんど取り除いたものを茯苓(ブクリョウ)と呼び、食用・薬用に利用される。『本草綱目』によると、元々は松の神霊の気が伏結しているから「伏霊」といったが、その後に転写の誤りによって「茯苓」になったとのこと。

天然ものしかなかった時代は、松の切り株の腐り具合から見当をつけて先の尖った鉄棒を突き刺して地中に埋まっている茯苓を見つける「茯苓突き」と言う特殊な技能が必要だった。日本はかなり産出量が多く、大正時代から昭和初期までは、日本から中国へ輸出していた[1]。1970年代までは農家の副業として、冬の風物詩であった。「茯苓突き」で生計を立てる人(「茯苓渡世」)もいたが、1970年代には国産とほぼ同じ品質で安価な韓国産の輸入物が主流となり、また日本の国土も薪炭に使う松林が里の近くに広がっているような時代ではなくなり、「茯苓突き」は高齢化して、いなくなった。高価ではあったが、プロでも茯苓を見つけるのは難しく、さらに大きいのだと1株あたりトータルで数貫(十数キロ)にもなるそれを掘り起こすのは大変だった。これで生計を立てるならともかく、ホビーとしてはかなり楽しいらしい。

中国では昔から栽培が試みられていたが、1980年代頃よりおがくず培地に発生させた菌糸を種菌として榾木に植え付ける(シイタケなどの木材腐朽菌と同様の)栽培技術が確立され、市場に大量に流通するようになって価格も下がった。現在ではハウス栽培で大量生産されている。屋外栽培だと不定形で汚く、かなり厚く皮を剝く必要があって取れ高が少ないが、ハウス栽培だと丸くてきれいなものができ、量産ができる。

茯苓の中央に松の根が通ったものを茯神と言い、安神(神経安定)効果が特に高いと言われる。これも栽培技術が確立されている。菌糸を榾木の片方に植え付けると、普通は反対側に菌核が形成されるが、榾木の反対側に松の根を付けておくと、それを巻き込む形で菌核が形成される。

北京では茯苓粉末を玉米粉(コーンスターチ)に混ぜて薄く半焼きにした餅で餡子をくるんだ物が「茯苓(夹)饼」(フーリン(ヂア)ビン、拼音:fúlíng (jiā)bǐng, 英語:Tuckahoe pie)の名で名物となっている。かつては宮廷でも食された高級菓子で、西太后も好物だったというが、現在は北京市内のスーパーでも購入することができる。なお英名タカホウ・パイのタカホウはパウハタン語(en)由来の言葉で、転じてヴァージニア近辺のアメリカ先住民が食用としていたマツホドやサトイモ科サトイモ亜科の塊茎植物ペルタンドラ・ヴィルギニカ(en)、同様のサトイモ科ミズバショウ亜科オロンティウム・アクアティクム(en)を指す。かつてアメリカ英語のヴァージニア方言では「植物の根を食べるほど貧しい人」という茯苓とは逆のイメージを持つ意味もあったが、現在では廃意である。

薬用の物では、雲南省に産する「雲苓」と呼ばれる天然品が有名であるが、天然物は希少であるためほとんど見ることはできない。安徽省で産する「安苓」も有名であったが、1970年代に安徽省で人工栽培に成功し、「安苓」というと栽培物を差すようになった。量産に成功した1980年代以降は、どこの産だろうとほぼ全て栽培物である。

日中国交正常化して以降、日本にも中国産が輸入されるようになった。日本は2010年代まで国内生産量は数百キロから数トン程度で、ほぼ全量を中国からの輸入に頼っていたが、2017年に石狩市の農業法人が漢方薬メーカーのツムラ(夕張ツムラ)との協力で、日本初となるハウス量産に成功した。生産量は、将来的には北海道全域で日本の年間使用量である2000トンまで拡大する見込み[2]

生薬

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エブリコ酸(KEGG C14495)を主要成分として含む。

ブクリョウ
臨床データ
別名 茯苓
投与経路 経口(粉末、湯液
法的地位
  • JP: 医療用医薬品
識別子
KEGG
化学的および物理的データ
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菌核の外層をほとんど取り除いたものは茯苓(ブクリョウ)という生薬日本薬局方に記載)で、利尿、鎮静作用等がある。五苓散猪苓湯安中散桂枝茯苓丸八味地黄丸四君子湯啓脾湯真武湯十全大補湯杞菊地黄丸など多くの漢方方剤に使われる。

関連項目

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参照

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  1. 『因伯くすり雑考 2』p221、森納、1984年8月
  2. てみるファーム 茯苓栽培国産化プロジェクト VOL.2

外部リンク

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