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ヘンリー・ファーナム・バーク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

サー・ヘンリー・ファーナム・バーク（英: Sir Henry Farnham Burke KCVO CB FSA、1859年 – 1930年8月21日）は、イギリスの系譜学者、紋章官。1880年にルージュ・クロワ紋章官補（英語版）に任命された後、通算50年間紋章官を務め、1919年にはガーター主席紋章官（英語版）に就任した。『バーク貴族名鑑』で知られる紋章官バーナード・バーク（英語版）の長男であり、系譜学者の批判を受けて信用を落とした同書の名誉挽回に一役買った[1]。

略歴[編集]

バーナード・バーク（英語版）（1814年 – 1892年）と妻バーバラ・マリア・フランシス（1827年 – 、1887年、ジェームズ・マクエヴォイの娘）の長男として、1859年にダブリンで生まれた[1][2]。弟が6人、妹が1人おり、弟のアシュワース・ピーター・バーク（1864年 – 1919年）は父の死後に『バーク貴族名鑑』と『バーク地主ジェントリ名鑑』の編集者を務め、前者の第62から79版まで（1900年 – 1917年）、後者の第8から11版まで（1894年 – 1906年）の編集者に名を連ねた[3]。

ヘンリー・ファーナム・バークは父と同じく紋章官になり、1880年8月27日、ルージュ・クロワ紋章官補（英語版）に任命された[4]。1887年1月29日、サマセット紋章官（英語版）に昇進した[5]。1889年から1893年までアルスター統括紋章官代理（英語版）および聖パトリック騎士団系譜担当官を務めた[1][2]。1911年10月26日、ノロイ統括紋章官（英語版）に昇進した[6]。1919年2月5日、ガーター主席紋章官（英語版）に昇進した[7]。

1882年、ロンドン考古協会フェローに選出された[2]。1902年8月22日、ロイヤル・ヴィクトリア勲章コマンダーを授与された[8]。1911年6月19日、1911年戴冠式記念叙勲（英語版）の一環としてバス勲章コンパニオンを授与された[9]。1913年3月7日、バス騎士団系譜担当官に任命された[10]。1919年2月22日、ロイヤル・ヴィクトリア勲章ナイト・コマンダーを授与された[11]。

著述業では系譜学に関する著作をいくつか出版したほか、系譜学者J・ホレス・ラウンド（英語版）らの批判で信用を失っていた『バーク貴族名鑑』の編集にも関わり、『オックスフォード英国人名事典』は同書の名誉挽回に一役買ったと評価した[3][1]。紋章院が2019年に公開した記事でも「父になかった優れた判断力をもたらした」と評価した[12]。

1930年8月21日にロンドンで死去した[2][13]。サリー州モートレイク（英語版）（現リッチモンド・アポン・テムズ区に属する）で埋葬された[14]。

家族[編集]

1885年4月23日、ヘレナ・メアリー・レイ・パーマー（Helena Mary Ray Palmer、1955年4月1日没、ヘンリー・ポラード・パーマーの娘）と結婚、1男1女をもうけた[14]。

  • バーバラ・ヘレン・メアリー（1888年2月17日 – 1967年10月23日） - 1912年7月20日、第5代ベリュー男爵エドワード・ヘンリー・ベリュー（1889年2月6日 – 1975年8月8日）と結婚[14]
  • ジョン・バーナード・メアリー（1892年11月6日 – 1917年12月1日） - 1912年10月3日、コンスタンス・マリア・カークハム（Constance Maria Kirkham、1886年7月24日 – 1959年6月4日）と結婚、1男をもうけた。第一次世界大戦の戦傷により死去[14]

ジョン・バーナード・メアリー・バークの孫にあたるジョン・バーナード・アンソニー・バーク（1944年8月14日 – ）は2024年時点で存命である[14]。

出典[編集]

  1. ^ a b c d Woodcock, Thomas (23 September 2004). "Burke, Sir (John) Bernard". Oxford Dictionary of National Biography (英語) (online ed.). Oxford University Press. doi:10.1093/ref:odnb/4022。 (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入。)
  2. ^ a b c d Godfrey, Walter H.; Wagner, Anthony (1963). "Garter King of Arms". Survey of London (英語). Vol. 16. London. pp. 38–74. British History Onlineより。
  3. ^ a b "Bibliography". Burke's Peerage (英語). 2024年6月18日閲覧。
  4. ^ "No. 24877". The London Gazette (英語). 27 August 1880. p. 4677.
  5. ^ "No. 25669". The London Gazette (英語). 1 February 1887. p. 533.
  6. ^ "No. 28545". The London Gazette (英語). 27 October 1911. p. 7794.
  7. ^ "No. 31168". The London Gazette (英語). 7 February 1919. p. 1956.
  8. ^ "No. 27467". The London Gazette (英語). 22 August 1902. pp. 5461–5462.
  9. ^ "No. 28505". The London Gazette (Supplement) (英語). 16 June 1911. p. 4592.
  10. ^ "No. 28697". The London Gazette (英語). 7 March 1913. p. 1756.
  11. ^ "No. 31201". The London Gazette (英語). 25 February 1919. p. 2735.
  12. ^ "Sir Henry Farnham Burke". College of Arms (英語). 25 February 2019. 2024年6月18日閲覧。
  13. ^ Burke, Sir Bernard; Burke, Ashworth Peter, eds. (1934). A Genealogical and Heraldic History of the Peerage and Baronetage, The Privy Council, and Knightage (英語). Vol. 2 (92nd ed.). London: Burke's Peerage, Ltd. p. 2643.
  14. ^ a b c d e "Family of John Burke". Burke's Peerage (英語). 2024年6月18日閲覧。

外部リンク[編集]

紋章官職
先代
スティーブン・アイザックソン・タッカー 		ルージュ・クロワ紋章官補（英語版）
1880年 – 1887年 		次代
ジョージ・ウィリアム・マーシャル（英語版）
先代
スティーブン・アイザックソン・タッカー 		サマセット紋章官（英語版）
1887年 – 1911年 		次代
エヴェラード・グリーン（英語版）
先代
サー・ウィリアム・ヘンリー・ウェルドン（英語版） 		ノロイ統括紋章官（英語版）
1911年 – 1919年 		次代
チャールズ・ハロルド・アシル（英語版）
新設官職 バス騎士団系譜担当官
1913年 – 1930年 		次代
アルフレッド・トレゴ・バトラー（英語版）
先代
サー・アルフレッド・スコット＝ガッティー（英語版） 		ガーター主席紋章官（英語版）
1919年 – 1930年 		次代
サー・ジェラルド・ウッズ・ウォラストン（英語版）
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