プリンス・チャーミング

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眠り姫に登場するチャーミング王子
「シンデレラ」にてシンデレラと踊るチャーミング王子
1912年発行の「シンデレラ」にてシンデレラと踊るチャーミング王子

プリンス・チャーミングPrince Charming)は、おとぎ話におけるストックキャラクターのひとつ。プリンスであり、いわゆる「囚われの姫君」(Damsel in distress)を窮地から救い出す。「白馬の王子」「魅惑の王子」と称されることもある。物語によっては固有の名前を与えられることもあるが、逆に物語の中では固有の名前が判らないこともある。

多くの物語では、プリンス・チャーミングは美男子でありロマンチックな雰囲気を身に着けているが、あくまでもヒロイン(囚われの姫君)の引き立て役であり、特徴付けがされていないことも多い[注釈 1]

スペイン語ではPríncipe azulイタリア語ではPrincipe azzurroとなり、これらを日本語に直訳すると「青い王子」となる。

歴史[編集]

1697年初版されたシャルル・ペローの『眠れる森の美女』には王女が目覚めて王子と初めて言葉を交わした際に「Le Prince charmé de ces paroles」「The prince charmed by her words」「王子は彼女の言葉に魅せられた」という文がある。この一文が、プリンス・チャーミングの発祥と取られることが多い(もちろん、ペローの文では王子が魅せられたのであり、王子が魅了したのではない)。

17世紀のオーノワ夫人英語版作の『うるわしき金髪姫英語版』ではアヴナント(Avenant、フランス語でFineBeautifulの意)というヒーロー、『青い鳥英語版』ではLe roi Charmant (The Charming King) という王が登場している。アンドルー・ラング英語版は『あおいろの童話集 (Blue Fairy Book)』(1889年)でヒーローの名前を「チャーミング (Charming)」とした。また、『みどりいろの童話集 (Green Fairy Book)』(1892年)には「キング・チャーミング」が登場している。

オスカー・ワイルド1890年に発表した小説『ドリアン・グレイの肖像』では主人公のドリアン・グレイは若い女優から「プリンス・チャーミング」と呼ばれるが、ドリアンに振られて女優は絶望し自殺する。プリンス・チャーミングの語をイロニー的に用いた最初の例と言える。

1937年ディズニーのアニメ映画『白雪姫』に登場する王子は固有名が作中では明らかになっていないが、白雪姫が7人の小人たち英語版に王子のことを「the prince was Charming」と説明するくだりがある。このことから、『白雪姫』に登場する王子を「プリンス・チャーミング」と呼ぶことがある。

注釈[編集]

  1. ^ 例えばグリム童話の『いばら姫』の王子はただそこに訪れただけで、いったいどのような人間なのか説明がほぼなく、眠りの呪いも時間の経過で解けていたことになっている。