フクロネコ科

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フクロネコ科
フクロネコ
フクロネコ Dasyurus viverrinus
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: フクロネコ形目
Dasyuromorphia
: フクロネコ科 Dasyuridae
学名
Dasyuridae Goldfuss, 1820[1]
和名
フクロネコ科[2][3]

フクロネコ科(フクロネコか、Dasyuridae)は、哺乳綱フクロネコ形目に分類される科。

分布[編集]

オーストラリア、ニューギニア[3]

形態[編集]

主に体重100グラム未満の小型種で構成され、ニンガウイ属では体重2グラムという種もいる[3]。一方でタスマニアデビル属やフクロネコ属には大型種も含まれる[3]

前肢の指は5本、後肢の趾は4 - 5本[3]。育児用の袋(育児嚢)が発達しない種が多いが、乳頭を覆う程度の育児嚢がある種もいる[4]

分類[編集]

ネズミクイ
D. cristicauda
オオネズミクイ
D. byrnei
アンテキヌスモドキ
P. apicalis
タスマニアデビル
S. harrisii
チャアンテキヌス
A. stuartii

以下の分類は、Groves(2005)に従う[1]。和名は川田ら(2018)に従う[2]

フクロトビネズミ
A. laniger
オブトスミントプス
S. crassicaudata

生態[編集]

森林や低木林・砂漠など様々な環境に生息する[3]

主に昆虫を食べる種が多いが、ミミズ、クモ、爬虫類、脊椎動物、動物の死骸、花、果実などを食べる種もいる[3]

多くの種で1年に2回以上の排卵を行うと考えられているが、大型種では1年に1回のみ出産する[3]。アンテキヌスモドキ属やファスコガーレ属ではオスの寿命が1年に満たず、繁殖期を迎えた後にオスが全滅してしまう種もいる[3]。小型種ほど、産仔数が多い傾向がある[3][4]。フクロネコ属のように、乳頭数よりも産仔数が多い種もいる[3]

人間との関係[編集]

農地開発や放牧による生息地の破壊、人為的に移入されたアカギツネやネコによる捕食などが原因で、生息数が減少している種もいる[5]

出典[編集]

  1. ^ a b Colin P. Groves, "Order Dasyuromorphia," Mammal Species of the World, (3rd ed.), Volume 1, Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 23 - 37.
  2. ^ a b 川田伸一郎他 「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1 - 53頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k A. K. Lee 「フクロネコ」白石哲訳『動物大百科 6 有袋類ほか』今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編、平凡社、1986年、112 - 119頁。
  4. ^ a b 小野勇一 「フクロネコの仲間たち」『動物たちの地球 哺乳類I 1 カモノハシ・オポッサムほか』第8巻 37号、朝日新聞社、1992年、24 - 25頁。
  5. ^ 橘川次郎 「コワリ(オオネズミクイ)」など『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ7 オーストラリア、ニューギニア』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、131 - 136頁。

関連項目[編集]