パーカーホ
パーカーホ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() Catlocarpio siamensis
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保全状況評価[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
CRITICALLY ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) ![]() | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Catlocarpio siamensis (Boulenger, 1898) | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Giant barb or Siamese giant carp |
パーカーホ Catlocarpio siamensis(タイ語: กระโห้、英語: Giant barb)はコイ亜科に属する大型の淡水魚の一種。コイ目で最大の魚である。本種の属するCatlocarpio 属は単型である。
分布[編集]
東南アジアのタイ、カンボジア、ラオス、ベトナムのメコン川、メークローン川、チャオプラヤー川に生息する。
形態[編集]
頭部が大きく、触鬚(ひげ)がない[2]。背鰭に棘がない。淡水魚で最大級の大型種であり、コイ科で最大の種である[3]。最大で全長3m、重量300kgに達するが[2]、乱獲‣環境破壊によって個体数が激減しており、100kgを超える個体は非常にまれである。通常はメスの方がオスより大きくなる。
また、植物食の魚類としても、メコンオオナマズと並び世界最大とされる。
パーカーホは南アジアのインドからミャンマーにかけて分布するカトラと形態が酷似しており、過去には同一種であると誤認して報告されていた。染色体数の検討から、二倍体であるカトラ(2n=50)の祖先型から本種(2n=98)の祖先型が染色体の倍数化によって四倍体として出現し、地理的隔離によって分化したものと考えられたこともあった[4]。だが、他の種も含めた大規模な系統解析では、カトラがラベオ属内部に含まれるのに対し、本種はProbarbus 属とともにコイ亜科で最も基底的な位置にあるという結果が得られており[5]、この2種の類似性は二次的なものであると考えられる。
生態[編集]
回遊魚であり、餌場や繁殖の場を求めて季節ごとに移動する[2]。成魚は普段は大きな河川の深い淵にいるが、水量が増す雨季には運河や氾濫原や浸水林に移動する。10月にメコン川下流に現れる若い個体群が観察されている[2]。普段はオスとメスがペアで行動する[6]。幼魚は通常は小さな支流や湿地帯で見られるが、池や運河に封じられた場合にはその環境に順化する[2]。繁殖可能な成魚になるまでに約7年かかる。
保全状態[編集]
現地では美味とされており、食用にするための捕獲と生息環境の破壊により個体数が減少している[2]。近年は成魚になるまで生存する個体が非常に少なくなっている。メコン川を管理する政府間組織のメコン川委員会によると、記録された漁獲数は2000年に10尾まで減少している。
脚注[編集]
- ^ Hogan, Z. (2013年). "Catlocarpio siamensis". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2014.3. International Union for Conservation of Nature.
- ^ a b c d e f Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2007). "Catlocarpio siamensis" in FishBase. Mar 2007 version.
- ^ Nelson, Joseph S. (2006). Fishes of the World. John Wiley & Sons, Inc. ISBN 0471250317
- ^ Suzuki, A. and Y. Taki (1988). "Karyotype and DNA content in the cyprinid Catlocarpio siamensis" Japanese journal of Ichthyology 35(3): 389-391.
- ^ Yang, Lei, et al. (2015). “Phylogeny and polyploidy: Resolving the classification of cyprinine fishes (Teleostei: Cypriniformes)”. Molecular phylogenetics and evolution 85: 97-116. doi:10.1016/j.ympev.2015.01.014.
- ^ Southeast Asia Rivers Nework. "The Return of Fish, River Ecology and Local Livelihoods of the Mun River : A Thai Baan (Villagers') Research" n.p. November 2004. p. 59