パラレリズム
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パラレリズム(対句法、平行構造、平行体、並行体、Parallelism)とは、全体に一定のパターンを与える目的で、2つ以上の文の部分に類似の形式を与えることを指す。
- In a democracy we are all equal before the law. In a dictatorship we are all equal before the police. - Millôr Fernandes
上の2つの文からなる一節を比較してみると、以下のようなパラレルな構造であることがわかる。
In a democracy | we are all equal before | the law. |
In a dictatorship | we are all equal before | the police. |
概略
[編集]さまざまな種類のパラレリズムは、ヘブライ語の聖書の詩(Biblical poetry)の主とした修辞技法である[1]。事実、「parallelismus membrorum」(詩行などの集団のパラレリズム)という言葉は、Robert Lowthがその著書『Lectures on the Sacred Poetry of the Hebrews』(1787年)の中で造った言葉である。ロマーン・ヤーコブソンは、祖国ロシアを含む世界中の詩=文学伝統の中の非宗教的パラレリズム研究を開拓した[2]。
漢詩も最初期以来パラレリズム(対偶、対句)を使っている。対句の中で、その内容や、品詞が釣り合っている必要があるだけでなく、声調もお互いに対になっていなければならなかった。平声は仄声と対になり、その逆に仄声は平声と対になる(詳細は対句、平仄を参照)[3]。
例
[編集]他には、以下のような例がある。
- Veni, vidi, vici(来た、見た、勝った) - ガイウス・ユリウス・カエサル
- The inherent vice of capitalism is the unequal sharing of blessing; the inherent virtue of socialism is the equal sharing of miseries. - ウィンストン・チャーチル
- 上手は目利かずの心に相叶ふことかたし。下手は目利きの眼に合ふことなし。 - 世阿弥『風姿花伝』
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ "Parallelism"。カトリック百科事典(1913年)New York: Robert Appleton Company.
- ^ Jakobson, Roman. 1987. "The Poetry of Grammar and the Grammar of Poetry." In Language in Literature. K. Pomorska and S. Rudy, eds. Pp. 121-144. Cambridge, MA: The Belnap Press of Harvard University.
- ^ Chinese Poetry