パラノーマル作用素

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数学の、特に作用素論の分野におけるパラノーマル作用素(パラノーマルさようそ、: paranormal operator)とは、正規作用素のある一般化である。より正確に言うと、ある複素ヒルベルト空間 H 上の有界線型作用素 T がパラノーマルであるとは、

H 内のすべての単位ベクトル x に対して満たすことを言う。

パラノーマル作用素の類は1960年代に V. Istratescu によって導入されたが、「パラノーマル」という語はおそらく古田によるものである[1][2]

すべてのハイポノーマル作用素(特に、部分正規作用素英語版、準正規作用素および正規作用素)はパラノーマルである。作用素 T がパラノーマルであるなら、Tn もパラノーマルである[2]。一方 ハルモスは、作用素 T がハイポノーマルであっても T2 がハイポノーマルとならない例を見つけた。したがって、すべてのパラノーマル作用素がハイポノーマルということにはならない[3]

コンパクトなパラノーマル作用素は、正規作用素である[4]

参考文献[編集]

  1. ^ V. Istratescu. On some hyponormal operators
  2. ^ a b Furuta, Takayuki. On the Class of Paranormal Operators
  3. ^ P.R.Halmos, A Hilbert Space Problem Book 2nd edition, Springer-Verlag, New York, 1982.
  4. ^ Furuta, Takayuki. Certain Convexoid Operators[リンク切れ]