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バラシンガジカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バラシンガジカ
バラシンガジカ
バラシンガジカ Cervus duvaucelii
保全状況評価[1]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 偶蹄目 Artiodactyla
: シカ科 Cervidae
亜科 : シカ亜科 Cervinae
: ヌマジカ属 Rucervus
: バラシンガジカ R. duvaucelii
学名
Rucervus duvaucelii (G. Cuvier, 1823)[2]
シノニム

Cervus duvaucelii G. Cuvier, 1823[2]
Cervus elaphoides Hodgson, 1835[2]

和名
バラシンガジカ[3][4]
英名
Barasingha[2]
Swamp deer[3]

バラシンガジカRucervus duvaucelii)は、哺乳綱偶蹄目シカ科ヌマジカ属に分類される偶蹄類。別名インドヌマジカ[3]ヌマジカ[4]

分布

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インドネパール[3]パキスタンバングラデシュでは絶滅した[1]

形態

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頭胴長(体長)180cm。尾長12-20cm。肩高110-135cm。体重170-180kg[3]。頸部には鬣状に体毛が伸長する。腹面は淡黄色の体毛で被われる。

眼下部にある臭腺(眼下腺)は発達する。蹄は長い。これにより接地面が大きくなり、ぬかるんだ場所でも足をとられずに移動する事ができる。後肢の踵には臭腺(中足腺)がない。

夏季は背面が赤褐色、冬季には背面が黄褐色の体毛で被われる。幼獣は白い斑点が入る。

オスには左右に5-7尖ずつ枝分かれした角がある。和名や英名(barasingha)は「12本の角」の意。角の長さは89cm。

分類

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ションブルグジカを本種の亜種とする説もある。

3亜種に分かれるとされる[3]。以下の分類は、Grubb (2005) に従う[2]

  • Rucervus duvaucelii duvaucelii (G.Cuvier, 1823)
  • Rucervus duvaucelii branderi Pocock, 1943
  • Rucervus duvaucelii ranjitsinhi (Groves, 1982)

生態

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標高100-300mにある落葉広葉樹林内にある沼地湿原などに生息する。薄明薄暮性で昼間は茂みの中で休む。

食性は植物食で、主にを食べるが花、果実なども食べる。

繁殖形態は胎生。妊娠期間は240-250日。1回に1頭(まれに2頭)の幼獣を産む[3]

人間との関係

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開発による生息地の破壊、角目的の乱獲などにより生息数は減少している。1995年における生息数はインドの個体群が3,500-4,000頭、ネパールの個体群が約1,900頭と推定されている[3]

脚注

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  1. ^ a b Duckworth, J.W., Kumar, N.S., Pokharel, C.P., Sagar Baral, H. & Timmins, R. 2015. Rucervus duvaucelii. The IUCN Red List of Threatened Species 2015: e.T4257A22167675. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2015-4.RLTS.T4257A22167675.en. Accessed on 20 June 2022.
  2. ^ a b c d e Peter Grubb, “Order Artiodactyla,” In Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (eds.), Mammal Species of the World (3rd ed.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 637-722.
  3. ^ a b c d e f g h 小原秀雄「バラシンガジカ(インドヌマジカ)」 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著『レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』、講談社、2000年、152頁。
  4. ^ a b 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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