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ハングオン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ハングオン(ハングオフ)オートバイの乗車技術のひとつ。カーブを走行する際、車体の左右の中心線よりも内側の低い位置に乗員の身体を移動させる「リーンイン」のフォームで、特にサーキット走行時にライダーの体を大きく移動させるテクニックのことを言う。英語での正しい呼び方はハングオフ(: hang off)だが、日本ではハングオンと呼ばれることが多い[1]

概要

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ほぼ正面から見たハングオン。体がバイクの中心線よりも内側に落ちている。

ハングオフは2輪車でカーブを旋回する際に、乗員がシートからカーブの内側方向へ腰をずらして乗車する技法である。傾斜させた車体に乗員がぶら下がっているように見えることから「ハングオフ」(英語でぶらさがるという意味)と呼ばれるようになった。しかし日本では「ハングオン」と誤認され、間違った呼称が定着している。

乗員の身体の重心をカーブの内側方向の低い位置に移動させることで、車体を大きく傾斜させなくても遠心力に拮抗させられるため、安定した旋回が可能となる[2][3]。同時に、カーブ内側のひざを開いて路面に接触させ、車体の傾斜角度の目安にするテクニックとして機能している場合も多い[2]

本来はロードレースにおいてレーシングライダーが使用する特殊なテクニックであるが、レーシングライダーではないライダーが、一般道のカーブ走行時に模倣して使用していることもある。

起源

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ケニー・ロバーツのハングオン

ハングオフ(ハングオン)の起源にはいくつかの説が存在する。

広く知られている説のひとつは「ケニー・ロバーツ[4]が起源(考案者、あるいは完成者)である」というものである。

もうひとつの説は「ヤーノ・サーリネン[5]が起源であり、元はサーリネンがアイスレースで使用していたテクニックをロードレースに持ち込んだ」というものである。

だが1960年代には既に多くのレーシングライダーが、コーナーでシートから腰を落とし、膝を開いて走行している[6]。そのため上記2説(ロバーツ起源説、サーリネン起源説)に対する異論も存在する。

影響

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二輪車の運転では、ライダーがシートに真っ直ぐ座り、脚を閉じて膝でタンクを挟み(ニーグリップ)、カーブでは車体と身体を真っ直ぐ一体にして傾ける(リーンウィズ)のが基本とされる。ハングオフ(ハングオン)はこの基本姿勢から大きく逸脱しており、視覚的にも分かりやすいため、レースやレーシングライダーに憧れる一般ライダーが模倣する例が見られる。膝を路面に擦るといった独特のフォームに固執するあまり、スムーズで安全な運転操作になっていない場合も多い。そういった技術的な合理性を伴わない模倣に対し、「無理膝」(膝だけを無理に突き出して路面に擦る)などの俗称が存在する。

ハングオフ(ハングオン)ではライダーが腰を内側に落とし膝を開くため、ライディングスーツ(レーシングスーツ)の膝の外側を路面に擦ることが多い。路面に膝を擦るとライディングスーツが削れて穴が空いてしまうため、現在のライディングスーツの中には、この部分にプラスチック製や革製の「バンクセンサー」あるいは「ニースライダー」などと呼ばれる突起物が付いているものがある。これらの部品は交換が可能な構造になっているため、路面に擦って擦過傷が付いたり削れた場合にも対応している。バンクセンサーが考案される前は、膝の部分にガムテープなどを厚く貼って対処する例が見られた。

脚注

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  1. その呼び名カン違い!? あの頃「ハングオン」はライダーの憧れ……だったけど、ホントは「ハングオフ」!?(バイクのニュース ) | 自動車情報・ニュース - carview!”. 日本最大級のクルマ総合情報サイト、カービュー! (2025年8月8日). 2025年10月25日閲覧。
  2. 1 2 ライテク実践講座・安定したライディングフォームとは?”. 株式会社バイクブロス. 2011年10月3日閲覧。
  3. ライテク実践講座・ライディングスタイルを考える”. 株式会社バイクブロス. 2011年10月3日閲覧。
  4. 世界GP500ccクラスで1978年から1980年まで3年連続チャンピオン。
  5. 世界GP250ccクラスで1972年にチャンピオン。
  6. ヒュー・アンダーソンマイク・ヘイルウッドジム・レッドマンなど。日本人では片山義美など。


関連項目

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