ノート:正字

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正しい[編集]

[1]における編集で、「正しい」と「正統な(正規の)」とを区別されていますが、今ひとつ区別の根拠がわかりません。参考になる文献を提示いただければ幸いです。--КОЛЯ 会話 2010年5月7日 (金) 14:45 (UTC)[返信]

正字とは、
  • 「①字画のただしい文字。もとの字。本字。[対義]略字(俗字・譌字・省文)など。②官名。…」(諸橋轍次著『大漢和辞典』)
  • 「①もとからの正確な文字。[対義]略字・俗字。②字画の正しい文字。【-法】…」(小林信明編『新選漢和辞典 』)
  • 「①正しく用いられた文字。[対義]誤字・当て字。②点画の正しい文字。[対義]略字・俗字。」(『日本語大辞典』)
  • 「①正しく使われた文字。[対義]誤字。②点画を略したり変えたりしない、正統とされている文字。「冰」は正字、「氷」は俗字である類。[対義]略字・俗字。③官名。…」(『広辞苑 第4版』)
  • 「①字画の正しい字。[対義]略字・俗字・譌字・省文。②官名。…」(藤堂明保編『漢字源』(学習研究社))
  • 「①点画の正しい文字。[対義]略字・俗字・誤字。②借用でなく、漢字の表意的用法として本来期待される用法。…[対義]当て字。」(『新明解国語辞典 第3版』)
  • 「字画の正しい文字ということ。[対義]俗字。ただし、正しいという意味は、社会的規範として認められる基準であって、これは必ずしも絶対不変のものではない。雷は靁の略字であったが、今は正字となっている例が示すように、時代ととにも変遷するものである。…」(中西慶爾編『中国書道辞典』(木耳社))
  • 「拠りどころがあって、著述・文章・答案・碑文に使うもの。[対義]俗字・通字。」(の『干禄字書』の規定、中西慶爾編『中国書道辞典』 P.541)
  • 「公式に定められて、重要な文書ではその字を使うことになっている字。(中略)現代の日本では常用漢字正式な文字、正字です。しかし、実は正字にはもう一つ裏の意味があるようです。それは、字源的に正しい文字(その文字の成り立ちをもっとも正確に表している文字)という含みがあるのです。(中略)今でも正字という場合に、常用漢字ではなく、いわゆる旧字を指すことが多いのは、そうした裏の意味の正字が頭にあるのでしょう。」(小池和夫『異体字の世界』(河出書房新社)PP..28-30)※白川静は『字統』の中で、字源的にもっとも正確に表している文字という意味で「正字」という言葉を使っています。ただし、白川静の「正字」の定義は見つかりませんでした。少なくとも旧字という意味では使っていません。
よって、正字とは、「①公式に定められた文字のこと([対義]略字・俗字・旧字など)。②字源的に正確な文字のこと(=本字。[対義]略字・俗字など)。③正しく使われた文字のこと([対義]誤字・当て字)。」という3つの意味があると思います。最後まで日本の常用漢字を正字と呼ぶのか、呼ばないのか、呼ばれつつあるのか、結論が出ませんでしたが、小池和夫が『異体字の世界』の中で明確に定義してました。あと、③は国語辞典だけに見られ、日本特有の解釈と考えられますが、実際にどのように使われているか分かりませんでした。以上、参考にしてください。--岡部碩道 2010年10月21日 (木) 04:06 (UTC)[返信]
補足ですが、単に「正しい」という表現では不明確だと思います。上述の出典内容でも単に「正しい文字」という表現はありません。正統とは、「正しい系統」、正規とは、「正しいきまり」の意ですから、これらとの区別を論議するなら「正しい○○の文字」というように論点を明確にする必要があると思います。--岡部碩道 2010年10月22日 (金) 00:21 (UTC)[返信]