ナーラーヤン内垣

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ナーラーヤン内垣(ナーラーヤンうちがき、Narayan Uchigaki1924年 - 2012年)は、宗教・哲学・神話学の研究者、平和活動家、詩人である。大阪高槻市とアメリカのカリフォルニア州に研究所を持つ。神道系の世界観に、仏教、西洋哲学、アインシュタインの科学、ラーマクリシュナの教え、光速瞑想、民主主義を導入し、新しい教えを立てた。内垣日親(うちがき・にっしん)とも呼ぶ。

日本ヴェーダンタ・ソサイティの創立者で、終身会長である。

生涯[編集]

求道者としての活動[編集]

1924年に日本の和歌山県で生まれる。金光教の教えに幼くして親しみ、同じ神道系の新宗教に入信、女性教祖の薫陶を受け、人間の救いについて問い、求道者としての道を進む決意を持つ。

ラーマクリシュナとの出会い[編集]

近代インドの宗教家であり「大聖」との称号でも呼ばれるシュリー・パラマハンサ・ラーマクリシュナの教えと出会い、感銘を受ける。『仏陀再誕:大聖ラーマクリシュナの生涯・3巻』を著す。また、みずから独立して教団を創立する。この当時は、内垣日親(うちがき・にっしん)を名乗っていた(現在も、ナーラーヤン内垣と共に、内垣日親とも呼ぶ)。

すなわち、1957年に、ラーマクリシュナ・ヴィーヴェーカーナンダ学園を創立し、神道の系譜にある金光教の教えの上で、ラーマクリシュナの教え、ヴェーダーンタ哲学・思想に基づく宗教を語る。帰依者の寄付により大阪府高槻市に、日本ヴェーダンタ・ソサイティの本部館を建設する。1970年に大阪で開催された日本万国博覧会では、インド館の運営に協力し、由緒あるガネーシャ神の石像などを贈られる。

自らインドに支部を建設し弟子も派遣する。インドにおいては7年間に渡り、6箇所の文化交流センターを設置し、賎民部落では、奉仕による医療活動と職業訓練活動を行う。またバングラデシュでは、戦災孤児と戦災未亡人のための母子寮を設立。教育、衣食住を与える。そして、1974年、インドに滞在中、アジュメールにて、夜間、星の輝きを眺めているとき、超越体験(神秘体験)を持ち、超越的存在との合一を知る。帰国後、「ピュアーなる人間」「ピュアーなる社会」を提唱し、「ピュアー文明」という教えを伝える。

アメリカでの活動[編集]

1970年代後半より、アジアの文明や宗教の枠を超え、アメリカの民主主義にフォーカスし、アメリカ・カリフォルニアに支部を開設し活動を開始した。人間が真に幸福になる為の自己実現の方法として、宗教や神に頼らず、まずは人間としての独立、人と人とが同じ人間として繋がることの大切さを説く。しかしそれだけでは完全とは言えず、アメリカが象徴する人々の中での実現を自己実現のための第一段階とするなら、日本や東洋思想が象徴する第二段階としては、人と自然、宇宙、神や仏と繋がって行くことであるとし、その両方の大切さを説く。この第二段階の自己超越の方法として、科学的な「光速瞑想」を編み出したのも特長である。第一段階は自己の独立、第二段階は自己超越という言い方もできるし、此岸の極としてのアメリカ、彼岸の極としてのインドという対極を結び、両者の良さを統合させたとも言える。

傾向としてアジアの宗教哲学は、この最初を飛ばして、いきなり宇宙との合一に向いがちであるため、内省的、内向的に偏りやすい。一方移民の国アメリカでは、国や歴史、宗教、人種の異なる人々が、自国内で差別と戦いながら、同じ人間であるという同一性に向かって進化してきた歴史であるため、人と人がオープンに開かれ繋がって行きやすい。特に民主主義の建国の父達の言葉に耳を傾けると「全ての人は平等に幸福になれる権利持つ」というトーマス・ジェファソンのメッセージが蘇ってくる。

しかしそのアメリカも第二段階の自己超越、宇宙との合一というワンネスの方向性を持たないと、現象界のみに偏り、やみくもに物質欲を追求したり、戦争を起こしたりしてしまう危険性を持つ。そんなアメリカでの布教は、宗教の違いを超えた普遍的な教えとなり、同じ人間という同一性の上に立ち、芸術的、詩的、文化的に違いを生かし合う思想となる。ワンネスという根源と現実の架け橋にそんな芸術的、神話的な領域があるとする。そこでは人々は頭で作り出した善悪や損得でバラバラになった相対の世界から自由になり、それぞれが輝きあい、柔らかい波動の世界で繋がっていけるという。またインドで体得した光速瞑想は科学的に誰もが宇宙と合一できるという実践的瞑想法である。

これらの思想はアメリカの科学者や大学の名誉教授、教師、映画監督を含むインテリ層に広がる。

インドにて最下層のカーストの人々や、戦後のバングラデシュでは、食糧、住居、薬、職業訓練を提供する活動を続けて来たが、アメリカにおいては教育と文化交流の活動が中心になる。

北カリフォルニアにあるシャスタ山の近くのレディングという街は、かつてインディアンの聖地であった。そんな場所でカチカチの大地を開墾し、大きな日本庭園や果樹園や畑を造り、日本文化であるお茶や剣道も伝える。また、民主主義のホイットマンという詩人の歌詞に歌を作曲しても、スポンサーがなく発表できないでいたカリフォルニア大学の教授に、活動資金の寄付をすることで、その教授はコンサートを開くことができ、その収益は大学の奨学金に当てられた。当時1980年代のアメリカでは、日本人はエコノミックアニマルと言われ、日本車ボイコット等のニュースが多い中、内垣日親とアメリカヴェーダンタソサイティの貢献は、「日本人による文化の貢献」としてアメリカの新聞でも取り上げられた。

このような長年に渡る実践活動が評価され、1995年には日本文化振興会より、社会文化功労賞を受賞、1998年には国連ユニセフとユネスコより世界平和賞を受賞、2007年にはアメリカ大統領より大統領最優秀賞 金賞を受賞する。英語版の本も2冊出版する。

以降、今日に至るまで、アメリカ・カリフォルニアを活動中心に布教を行い、また「光速瞑想」と称する、ヴェーダーンタの不二一元論を現代的・科学的・神秘主義的に展開させた行法を語る。アメリカでの布教と共に、ナーラーヤン内垣を正式に名乗る。

著作[編集]

  • 『仏陀再誕:大聖ラーマクリシュナの生涯』 ヴェーダーンタ文庫
  • 『グルへの道』 ヴェーダーンタ文庫
  • 『ピュアー文明の到来』 ヴェーダーンタ文庫
  • 『光速瞑想』 ヴェーダーンタ文庫
  • 『詩集:神笛』 ヴェーダーンタ文庫
  • 『スリー・ナーラーヤン内垣全集第一巻:超宗教・神話は幾何学である』
  • 『スリー・ナーラーヤン内垣全集第二巻:超宗教・神話は幾何学である』
  • 『スリー・ナーラーヤン内垣全集第三巻:21世紀はひびき人間』
  • 『スリー・ナーラーヤン内垣全集第四巻:神の面相』
  • Transparent Reality (英文書籍:『神の面相』の翻訳書)
  • その他多数

参考書籍[編集]

  • ナーラーヤン内垣 『グルへの道』
  • ナーラーヤン内垣 『ピュアー文明の到来』
  • ナーラーヤン内垣 『全集・第一巻』
  • ナーラーヤン内垣 『全集・第二巻』

関連項目[編集]

外部リンク[編集]