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ナード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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ナード(Nerd)とは、英語圏で用いられる英語スラングの一つで、豊富な知識を保持する社会的内向な者の総称。認知度は高く、英語圏全域で非常に幅広く使われるスラングと言える。

概要

日本では「オタクを意味する英語圏での表現」というイメージが最も近いものの、日本でのいわゆるステレオタイプのオタク像(服装や髪型などの身だしなみに対して極端に無頓着で、マニアックな趣味に没頭する)とは違い、どちらかと言えば単に「内向的でパッとしない者」という程度の意味合いで扱われることが多い。よって、「オタク」に比べればそれほど侮蔑的意味合いは強くはなく、まさにスラング的に使われる。なお、ナード文化(ファッション)の発祥はMITだといわれている。

「オタク」と同様、しばしば「異性関係が苦手な者」といったニュアンスも持つ。

アメリカでは、ナードは他者との関係をうまく作り上げられないことと、特定のものに対する強い興味を抱くことから、アスペルガー症候群を持つ人間との比較がよくされる。[1]

また、アメリカでは一般的にナードという概念をなす要素のひとつは他人の感情や神聖な心理状態を読み取り、他人の些細な神経に敬意を払う能力の欠如を指す。典型的なナードは周囲の感情の変化を察知する能力もなければ、そういう意思も持たない人物[2](通常、ナードは男のみに限られる)を指す。

例えば修道女に下着を着けているかなどを聞いたり、葬式の最中に死体防腐技術について考察したり、何時間も前に誰もがうんざりとしてしまった話題について、いつまでもまくしたてたり、誰もが関心を持っていることがらを「無意味」と一蹴したり、論議の本筋に無関係、事実誤認だと思われる発言に対して牙をむいて襲いかかったりする態度など。

日本語で言うならば「 KY=空気の読めない変わり者」が比較的近いニュアンスを持つ。

Massachusetts Institute of Technologyの場合

MITではナードという言葉の概念は他と異なり、安逸な生活やキャリアなどのために妥協しない人間、こだわりすぎて暴走してしまう人間を指す。どんな半端仕事でも完璧に仕上げることを強要する「職人ナード[3]」、きわめて興味深いが、まったく立証されていない設計アイディアを追求して、どこまでも突っ走ってしまう「コンセプト・ナード」、さらには当面の問題を解決するかわりに、そんな問題があったことすらわからなくなるほど、痕跡をとどめぬまでに消し去ってしまう解決方法を考え出す「抹殺ナード」などという言葉まで存在する。なおMITでは、最高のナードとは思慮分別を超えて力を注ぎ込んでしまう存在らしい。自分を抑えられず、やり過ぎてしまう人物を指し、MITではナードという言葉によって、こうした放縦が許されたり、奨励されたり、正当化されたりされる。

技術用語

打ち込む対象が電子技術(顕著な例はコンピュータ)のナードの場合、これを特にギークgeek)という。

脚注

  1. ^ http://www.salon.com/books/int/2008/05/20/American_nerd/
  2. ^ これは理性ある知識人の意識には感情の変化などというのは伝わりにくいため
  3. ^ 例:体験談として、レストランでMIT出身のエンジニアと一緒に食事をしたことがあった。食事を終えて勘定をした際、そのエンジニアがレシートを要求したが、店員はレジスターが壊れているからプリントアウト出来ないと言った。彼はなぜプリントアウトできないのかわかるからプログラムを見せてくれと要求した。そのプログラムを目にした途端、地雷原(その非論理的かつ非効率的で下劣なプログラム)にはまり込んでしまい、(打ち合わせ途中であったにもかかわらず、レジスターの修理に)時間がかかりそうなので先に帰るようにと体験者に言い、一日かけてレジスターのプログラムを書き直した

関連項目

用語
映画
ナードたちがジョックスからの嫌がらせに立ち向かう学園コメディ
楽曲
Ridin'(カミリオネアの曲)の替え歌。
ゲーム