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ドキュンサーガ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドキュンサーガ
ジャンル ファンタジー未来
SFギャグ
漫画
作者 いとまん
出版社 KADOKAWA
掲載サイト ComicWalker
WebComicアパンダ
レーベル MFC
発表期間 2021年1月13日 -
巻数 既刊5巻(2024年9月21日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

ドキュンサーガ(DQN SAGA)』は、いとまんによる日本漫画作品。

新都社』の「少年VIP」といとまんの個人サイト、Pixivの個人アカウントにWebコミックとして掲載され、それが好評を得たことにより、2021年1月13日、『ComicWalker』(KADOKAWA)にて「商業版」と銘打って連載を開始。2021年7月16日より『WebComicアパンダ』(同)に移籍[1]して連載を継続中。

キャッチフレーズは「ひとりの魔王が綴る復讐と破滅の叙事詩」。

あらすじ

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剣や魔法が幅を利かせているある時代、ザイダーマ王国に住む男・モッコスは持って生まれた圧倒的な力で暴虐の限りを尽くしていた。ある日、国王チャン・ウーピンに魔王討伐を依頼されたモッコスは横暴極まる態度でそれを引き受け、魔王とその眷族が住まう島へ上陸。魔王配下のモンスターや四天王を難なく打ち破るが、目的である魔王には激戦の末に敗れてしまう。しかし、魔王は自らを討伐に来たモッコスに対して処刑ではなく治療を施し、目を覚ましたモッコスに900年以上に渡る魔族の起源について真実を伝え始める。

登場人物

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主要人物

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勇者モッコス
先代勇者バッカスの息子。非常に短気で、蹂躙・略奪・強姦が大好きな上、相手が自国の王であろうと傲岸不遜に振る舞う下劣な人物だが、四天王を一蹴する圧倒的な膂力・魔力に加え、魔力が尽きない限り肉体を自動再生させる能力を持ち、国内では対抗できる者が居ない。一方で舎弟の頼みは一応聞き、一対一の戦いに水を差されることを嫌うなど、不良としての気骨はある。
「最強の戦闘能力」と「最低の人間性」を併せ持つがゆえに幼少期から孤立し、退屈を紛らわすために愚連隊「円卓飢死團ナイツオブラウンド」を結成。悪逆の限りを尽くし、ついには王命を受けた父から剣を向けられるもこれを返り討ちにして殺害した。
真央との邂逅により、自身が「外見が人間にしか見えない異形」であったことを知らされ、また、生まれて初めて全力を尽くしても敵わなかった真央をどんな手を使ってでも屈服させるという目標に目覚める。
本名で呼ばれることを嫌い、「エドワード・ハインリッヒ」と自称している。
魔王(まおう) / 山田 真央(やまだ まお)
魔族と呼ばれる存在を束ねる者。エルフのように耳が尖っている以外は10代前半の少女にしか見えない姿をしているが、実年齢は900歳を越え、モッコスを軽く凌駕する魔力・戦闘センスを持つ。
現在の世界が形成されるに至った過程を知る人物でもあり、商業版5話(Web版9話)からは彼女の独白として魔族の起源、そして人類との抗争を経て魔王を名乗るに至った軌跡が語られる。
元々は日本で生まれ、迫害を免れながら母親と生きていたが、信じた人間の友人から裏切られ、暴徒に母親を殺される。心を閉ざして放浪する中、薮内・五木を始めとする仲間との出会いや異形に対する残虐な仕打ちを目の当たりにしたことで人類社会と敵対することを決意。戦争の末、勝利を目前にして人類側の放射性物質による焦土作戦の前に地下への退避を余儀なくされる。その後は次世代の異形たちが弱体化したため人類との決戦に備え、仲間が開発した転生機で生き永らえることになったが、築き上げた異形社会の問題に対する苦渋の決断の数々、仲間や恋人との死別を経験して精神をすり減らしていき、今では早く役目を終わらせて恋人の元へ逝くことが望みとなってしまっている。
能力は「魔力の物質化」で、大量の刀剣や鈍器を創り自在に操る。ステイシーの強靭な肉体に唯一傷を負わせたほどの強度を誇る上、その武器を分解・吸収することで魔力を回復できるため、魔力切れをほとんど気にせず戦える。「導線」の感知・操作能力も持っているため、不意打ちにも強い。
リーパー / ギデオン・クリーパー
大戦時代、アメリカ合衆国陸軍対異形特殊部隊の隊長を務め、真央の軍勢と戦った新人類の一人。当時の米軍最強の新人類としての力に加え、真央と同じく導線の感知・操作能力を持っている。現役時代は5桁に及ぶ数の異形を葬り、明日香の予知で防がれた未来では真央の殺害に一度成功しているほどの実力者。真央たち第一世代の異形をして「最強の米兵」「マジやベー奴」と称され、桐生からは宿敵と認定されていた。
かつては部隊の仲間と共に当時の世界各地を支配していた強大な力を持つ異形を倒して回り、人類の版図を取り戻していた。しかし部隊が不在の間に真央一派にアメリカを占領されてしまい、祖国奪還のために戦いを挑むも、真央一派の鉄壁の布陣を前に自身と恋人であった科学者・サバントを残して隊員は全滅。人類最後の砦となっていた欧州に合流しようとするも、そこでは新人類が危険分子として粛清されたことを知り、サバントと共に大西洋の孤島にあるシェルターに落ち延びた。真央は最後の戦いで取り逃がしたと考えていたが、ある人物の肉体を乗っ取る形で現代に復活する。再現武器エミュレーター「ノクチルカ」を所有。

異形(魔族)

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幹部

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異形の中でも際立った能力を持ち、900年前の人類との戦争で活躍した者たち。大半は真央と同様に転生機という機械で延命を行い人類との戦いに備えていた。

五木(いつき / いっきー)
好き:真央、友達、体操服
嫌い:真央を傷つけるもの全般
頭に触角、右目に3つの瞳孔を持つ女性。ヤブと2人で異形狩りに追われる日々を送っていたが真央に助けられ、最初の仲間となる。このため真央にとってはヤブと並んで家族に等しい存在。見世物小屋に入れられた経験から素顔を晒すことに極度のトラウマを持ち、特に親しい者以外の前ではガスマスクなどを着けて顔を隠したがる。
能力は「バリア」。核爆発の衝撃さえも防ぎ、真央の能力や最強の肉体を持つとされるステイシーでも突破に数分かかるほどの強度を誇り、自身をバリアで包むことで肉弾戦にも対応できる。
長い間行動を共にするうちに真央と同性愛の関係になったものの、何度も挫折を重ね続けて疲弊した真央を見かね、メンザ作成の自殺薬を渡し共に逝こうと誘う。真央はやり残したことがあると彼女から薬を奪ったが、それは偽物で既に自殺薬を服用していた。それでも真央の決意が揺るがないことを知ると、最後の思い出作りとして残った時間を共に過ごし、真央への愛を伝えながらヤブ夫妻の墓前で息絶える。
藪内(やぶうち)
好き:自然物、仲間、家族(真央と五木含む)、ハンバーガー
嫌い:デリカシーの無い奴
頭に4本の触角と単眼の生えた触角を持ち、関西弁で喋る男性。あだ名はヤブ。五木とは幼いころに見世物小屋で出会い、以降行動を共にしていたようだ。のちに明日香と結婚し、数百年ほど転生機で延命し続けたが、子供たちとの死別を機に転生をやめ天寿を全うする。
能力は、千切った触角を挿したものを生物・無生物問わず操る「ラジコン化」。生物に挿した場合、記憶・人格を保ったまま操ることができ、さらに支配対象の視聴覚情報を薮内もリアルタイムで得られる。小石に眼球や脚を生やして偵察カメラとするなど、用途に応じて対象を変形させることも可能。触角1本につき再生するのに3時間かかる。
現代の四天王であるキョウトメガネンは彼と明日香の血筋を持つ。
日村(ひむら)
好き:尊敬されること、日村軍団の仲間、ボス(真央)、妻子
嫌い:舐められること、人間、本
鳥に似た顔を持つ男性。幹部の中でもひときわ粗暴なため、ステイシーとは犬猿の仲。承認欲求が強く、同時に人類の文化に対して極度に排他的であり、後の世代で作られる人類排斥派の先駆的な思考を持っていた。そのために焚書を行おうとして反発した若者たちからデモを起こされ、これに苛立つ中で家族にも非難されたことに激昂し、勢い余って妻を殺してしまう。最後は息子や仲間に見損なわれて完全に自暴自棄になり、デモ隊を殺そうとして、ステイシーに粛清された。仮に後の時代まで生き残っていれば、神聖日村帝国という人類排斥派のメッカのようなものを築いていたらしい。
能力は「肉体の炎化」。炎になっている間は一切の攻撃が効かなくなる上に、五木のバリアを数秒で破り都市をも蒸発させる最強クラスの破壊力を得られる、攻防両面に優れた能力。弱点は1日に15分間しか使えないことと、発動時に5秒間のタメ(精神集中)を必要とすること。
現代の四天王であるケンタッキーは彼の血筋を持つ。
桐生(きりゅう)
好き:日村の子孫、教え子たち、好敵手と呼ぶにふさわしい人間
嫌い:卑劣で弱い奴
3つの目を持つ男性。異形狩りでの拷問から右腕を失っており、それが元で人類への憎悪が特に強く、滅ぼすべき宿敵とみなして執着していた。同じ人間を憎む日村とは親友同士で、日村の死後は妻子の後見人となった。
人類との決戦を夢見、転生と冷凍睡眠で命をつないでいたが、人類の凋落を目の当たりにして生きる気力をも失ってしまう。虚しさから酒浸りになって仲間とも距離を置き、健太が天寿を全うしたの機に自死を選ぼうとしたものの、その寸前に訪ねてきた陽和から護身・戦闘の指南役を請われ、健太が自分の余生を案じていたことも知り再起。その後は陽和たちに戦術や過去の歴史について講義する日々を送り、そのまま天寿を全うした。
能力は「酸性雨」で、町一つを丸ごと溶かす威力を持ち(正確には様々な酸を生成する能力だが、桐生はその莫大な魔力で酸性雨まで形成することができる)、溶かされて酸の海になった場所は何百年も残り続ける。真央の能力に比べると精密な動作はできないようだが、特定の者だけを溶かすなどある程度範囲を調整することは可能。
中村 明日香(なかむら あすか)
好き:家族、友達、恋愛系の漫画
嫌い:揉め事全般
大きな単眼を持つ巨乳の女性。親から愛を得られなかった者が多い同世代の異形の中では珍しく母親から愛され、下の名前を貰っている(母親は明日香を守って殺されている)。のちにヤブと結婚、長い転生生活の中でヤブとの間に多くの子供をもうけた。藪内と同様、我が子に先立たれることに耐えられず転生をやめ、夫の死去から暫くして天寿を全うした。
能力は「予知」で、マーキングした対象の15分先の未来が見える。同時にマーキングできるのは42人まで。これによって人類側の暗殺作戦や奇襲作戦を全て無力化し、異形勝利最大の立役者となるが、厳格に時間の制約がある彼女の能力は転生機の欠陥が判明するきっかけにもなった。
飛(フェイ)
黒い不定形の体と無数の目を持つ男性。思慮深い性格で異形の中心となって統治に努める。教養ある穏やかな種へと育った子孫から生み出される文化を楽しむことを夢見ている。
能力は「空間移動」で、自身が行ったことのある場所の空間を繋ぎ移動することができる。移動は他者も可能であり、放射性物質で汚染される地上から多くの異形を救い出した。白兵戦では無敵のように感じられるが、ある程度以上の者なら空間移動の気配を察知することができ、対処は可能らしい。
メンザ
好き:お菓子全般(特にチョコレート系)
嫌い:非論理的思考
大きな脳と触手状の小柄な体を持つ男性。真央一派の頭脳兼開発担当であり、単独でインフラからシェルターまであらゆるものを作り上げた。次世代の弱体化問題に対し、強い幹部が生き続け守るという解決策を考え転生機を完成させるが、これが物語の根幹となっていくことになる。
転生機の欠陥が発覚した後は思考能力の劣化に耐えられなくなり、自ら作成した自殺用の薬を飲んで死ぬが、没するまでに地下と地上に考えうる限りの備えと実質的な自身のコピーであるMNZ02を遺していた。
能力は「高知能」で、その名の通り圧倒的な知性を誇り、人類の天才でも数十年かかる計算問題を一瞬で解くほど。知能の高さと人格は関係しないため、デリケートな情緒や倫理性を慮ることを苦手とする。なお、彼だけは能力が頭脳と直結していたため転生機による能力劣化の影響が感情面にも出てしまった。
アリバタ
好き:自然物、仲間
嫌い:自分たちを万物の霊長と疑わない姿勢
泡が集まったような体を持つ、ひときわ異形度の高い男性。見た目とは裏腹に温和な性格で、まともな教育を受けられなかった者が多い第一世代としては非常に珍しく、真っ当な倫理観を有しているが、これは彼を育てた新興宗教団体が彼の能力に希望を見出し「神の子」として教育を施したためである。
その倫理観から転生を拒んだものの、子孫たちのため生涯に渡って物資の増殖に従事。死ぬ間際までメンザを心配し続けた。
能力は「物体の増殖」。無機物でも有機物でも際限なく増殖させられ、生物に使えば悪性腫瘍を増殖させて死に追いやることもできる。
ステイシー・スティール
好き:喧嘩、痛み、ピアッシング、友達
嫌い:面倒事全般、日村
モッコスと同じく外見に異形らしい部分がない女性。元米軍所属で、真央たちとは敵として戦場で出会ったが、真央の全力の攻撃を受けて初めて「傷」と「痛み」を知り、米軍では兵器扱いされていたこともあってそのまま寝返った過去を持つ。責任嫌いなカラッとした性格をしており、種族の未来を守るという目的に共感できずアリバタと並んで転生を拒んだ。
能力は殴る蹴るでビルをなぎ倒し地形を変え、ミサイルの直撃にも傷つかない「最強の肉体」で、不意打ちとはいえ同じく戦闘特化の幹部である日村を指2本で殺害した。防御力も高く、真央の作る武器以外では体にピアスを開けることすら叶わなかった。真央が生涯戦った中で印象深い強者として挙げる2人のうちの1人(もう1人はギデオン)。
クラーブ
蟹をそのまま擬人化したような男性。異形よりも魚類への仲間意識が強く、「魚語」で喋るため、普段はアリバタがそれを翻訳して意思疎通をしている。人類が異形を殲滅するために放射性物質を散布した際、海が放射性物質に汚染されていく中、愛する魚たちと運命を共にすることを決め、幹部の中では唯一シェルターに入らず死亡した。
能力は世界中のあらゆる魚類を支配する「魚と友達」。これにより人類の海洋戦力を監視・制限していた。

第一世代

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大戦時代の仲間のうち、幹部以外のメンバー。

鬼頭(きとう)
男性器のような頭部を持つ筋肉質の男性。能力は「巨大化」で、約3分間ビルと同程度のサイズになる。人間に対する憎しみは深いが、仲間に対しては明るく裏表のない性格。真央のことを最初に「ボス」と呼んだ。
河堀(かわほり)
コウモリの翼のような耳を持つ女性。あだ名はかわっち。能力は「影を実体化し操る」。真央や五木とは幹部以外の仲間では特に親しかった。
斑鳩(いかるが)
イカのような頭部を持つ男性。能力は「皮膚の鋼鉄化」。米軍精鋭部隊との戦いで戦死した。

次世代

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親が異形で最初から異形として生まれた者たち。外見や能力の性質は遺伝しているが強さは全く遺伝しておらず、転生機が作られる理由となった。

鳥飼 健太(とりかい けんた)
日村の息子。人類を叩ける強い戦士となるよう強要してくる日村とは日ごろから折り合いが悪く、母である陽菜(ひな)を殺害したのを機に完全に決別。以降は蘇生のために転生し記憶を失った陽菜を引き取り、幸せな家庭を築くが、日村を許すことは生涯なかった。
桐生を本当の父として慕っており、健太の今際の言葉が、目標を失い絶望していた桐生を立ち直らせるきっかけとなる。能力は、明確ではないが手を炎に変えるものだと思われる。
鳥飼 陽和(とりかい ひより)
健太の孫で健太と同じ形の嘴を持つ。健太や飛に桐生の鼓舞を託され、また、自らも様々なことを学ぶために桐生に戦闘訓練を依頼した。為政者としても有能だったようで、のちに西の街の副議長に就任している。
彼女の子孫は桐生と同じく額に第3の目を持つなど、桐生との関係には様々なことが推測される。能力は「手の炎化」。
エレノア
陽和の友人。トカゲの特徴を持った少女。桐生の教え子となる。能力は「電気トカゲを生み出す」。後に作家となり、桐生から聞いた話をまとめ上げた小説『桐生伝』を出版。何度も映画化されるほどの成功を収めた。
川津(かわず)
陽和の友人。カエルの特徴を持つ少女。桐生の教え子となる。真面目で礼儀正しい性格。元々モルモ派に加わっていたが、地上で無抵抗の人間を虐殺することに抵抗を感じて穏健派に転向した過去を持つ。今でも怒ると口調が昔のヤンキー口調になることがあり、エレノアにからかわれたりする。能力は「自分と同じ体積の水を操る」。
ロッブ
陽和の友人。ロップイヤー(ウサギ)の特徴を持つ少女。桐生の教え子となる。能力は「手から粘弾性の高い物質を出す」ことで、本人はこれを「おもち」と呼んでいる。
モルモ
ケンタウロスのような女性。モルモシティの原型となる東の街のまとめ役で、実力もその中では最強だった。当初は幹部陣に対しても挑発的な態度を取っていたが飛によって身の程を思い知らされ、以降は良き興行者・為政者として東の街をまとめあげる。
その功績からモルモシティの終身市長として君臨していたが、さすがに「終身」は行き過ぎという意見も多く、息子にクーデターを起こされて退陣。現代の四天王であるユタは彼女の血筋を持つ。
能力は「加速」だが、飛の能力には全く対応できなかった。
テロイドス
鬼頭の子孫。人類排斥派の中ではモルモに次ぐ実力者として君臨していた。仲間思いだが醜悪な性格で、表立って西の街の住民を差別し、最終的には集団で嬲り殺すなど行きつく所まで行ってしまい、同胞である異形を殺害した主犯として真央によって大衆の前で処刑される。
能力は「筋肉の膨張」だが、真央には全く通じず素手で解体された。
ムーワ
常にフードジャケットを着込み、その奥から触手を伸ばした男性。真央にすら「性格は最悪」と評される軽薄かつ悪辣な人物だが、要領は良く、制裁されないラインはしっかり弁えるタイプ。当初はテロイドスらと共に差別を楽しんでいたが、彼が処刑されて以降は真央に従う。
箱庭計画の裏で独自に実験(拷問・強姦)を行い、人間の女性との間に一人娘のイソメをもうける。イソメの出自が露見すると困るため、イソメはクアドラとの間の子ということにされ、結果としてクアドラとは事実婚のような状態になってしまう。能力は「触手で舐めた物の成分分析」。
クアドラ
4つの目を持つ女性。かつてはモルモに憧れ東にいたが、テロイドスの処刑後は真央に従う。直情的な性格で、煽り癖のあるムーワとは諍いが絶えなかったものの、イソメの成長を共に見守る中で仲は改善されていった。勝手な行いをした罰でイソメの横にいれなくなったムーワに代わって実質的な親としてイソメを育てたが、イソメとは別に実の子供もいたようだ。
能力は「自身の皮膚を任意のタイミングで爆発させる」。自身にダメージは無く、戦闘向けで使い勝手のいい能力。
オースティン
ウシ科のような角と猫のような耳を持つ女性。除染が済んだ地上で初めて救出された意思疎通できる異形であり、その容姿から人類の慰み者にされていた過去を持つ。当初はムーワを除く救出時のメンバーにのみ心を開いていたが、やがて箱庭自治区の子供たちから母親のように慕われ、生きる希望を得る。
現代の四天王であるテキサスは彼女の血筋を持つ。

四天王

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現代、真央に従う異形の幹部連。4大都市の為政者候補でもあるため、「インターンシップ」とも呼ばれる。

テキサス
オースティンの子孫の女性。たびたび「痴女」と揶揄される際どいファッションセンスをしているが先祖代々のものらしい。モッコスに敗れて一時奴隷にされてしまうも真央によって救われ、以降真央を強く慕っている。
能力は「触れた無機物の変形と操作」。主に愛用の鞭とセットで用いるが、「鞭へのこだわりは捨てた方がいいのでは」と他の四天王には評されている。
Web版では「淫牛のテキサス」と名乗っていたが、商業化以降は言及されていない。
キョウトメガネン
頭に単眼の生えた5本の触角を持ち、関西弁で喋る男性。ヤブと明日香の子孫だが、ムーワ(イソメ)の血筋でもある。
良く言えば打算的、悪く言えば卑劣な性格。四天王でありながらモッコスの強さを見るやあっさり寝返ってテキサスを人質に取るなど、ろくな行動を起こさない。ユタとテキサスにも嫌われているが、ヤブの血を引いていること・決して無能なわけではないことから、真央には見逃されている。観察眼は確かなようで、同僚の能力にも嫌味混じりとはいえ実用的な評価を下したりしている。
能力は「触手を刺した相手の肉体を奪う」「目玉が1つでも残っている限り死なない」。
ユタ
好き:自分、世界で一番美しいご先祖様(モルモ)の肖像画
嫌い:美意識に欠けた輩
モルモの子孫の男性。美しさにこだわる性格で、気取った言動をとるがまともな倫理観は持っている。下半身の通り移動速度は馬と同程度らしい。現代はモルモの死後500年ほど経っているが、彼女の肖像画はユタの代でも大切にされているようだ。
Web版では「種馬のユタ」と名乗っていた他、ケンタッキーに借金をしたり夜更かしを咎められるなどあまり素行の良くない面も描写されていたが、商業化以降は一貫して高潔な武人として扱われ、二つ名も言及されていない。
能力は「電気を纏わせた物体の移動速度を3倍にする」。Web版では普通の弓矢を用いてモッコスと戦ったが、商業版では自らの骨を矢に変えて射出する。
ケンタッキー
好き:整理整頓
嫌い:仲間同士の揉め事
日村の子孫の男性。先祖と違って人当たりが良く、癖が強い四天王の間を取り持っている。キョウトメガネンとはまた違う方向で優れた観察眼を持っており、四天王それぞれの能力にも的確に利点を見出していた。
能力は「自身の体液の発火」。生じる炎の量と燃焼時間は消費した体液の量に比例するほか、体外に出た後の体液も遠隔で燃やすことができる。口から吐き出した胃液を発火させ、強烈な火炎放射とする奥義炭火焼鳥ワタミンチは絶大な威力を誇るが、ユタとテキサスからは見栄えの悪さ、キョウトメガネンからは性格との不一致を指摘されている。
Web版では「焼き鳥のケンタッキー」と名乗っていたが、商業化以降は言及されていない。
スレイプ
ユタの妹。政治結社「純血党」の党首で、モッコスに殺されたユタに代わるモルモシティ代表として四天王に就任。人類と人類に近い外見を持った異形への差別意識が特に強く、何かと暴言を繰り返す。
モリー
飛の養子。モッコスに殺されたケンタッキーに代わるライブラリ代表として四天王に就任。普段は図書館に引きこもりがちでコミュニケーション能力に難があり、乗り物にも弱い。
ネマトダ
モリーの親友。コミュニケーション能力に難のあるモリーの介助人を務める。

ザイダーマ

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チャン・ウーピン
ザイダーマの現国王。モッコスを煽って魔王討伐を依頼した張本人だが、魔王とモッコスを潰し合わせ、自国の脅威を2つとも消し去るのが真の目的。
ザイダーマの実情を知っていることもあって相当に荒んだ性格だが、バッカスの所業に怒りを抱いたり、望まぬ妊娠でも我が子を産んで愛したモッコスとラミーの母たちに敬意を表するなど、人並みの情や倫理観は持ち合わせている。
Web版1話では「女に興味は無い」という注釈が付けられているが、商業化以降は直接的な言及はない。
エスメラルダ
預言者の女性。何らかの理由でザイダーマに囚われており、自由放免を条件にウーピンに協力している。なぜか魔王を激しく憎んでおり、モッコスと魔王が共倒れになる未来を伝えた。
その正体は、小さく細長い体の姉が妹の眼窩に潜む形で一体化している異形。姉の能力は「予知」で、妹の能力は「マーキングした対象人物の居場所と周囲の人数の感知」。
ザクラダ
ザイダーマ警察の署長で眼帯を付けた中年男性。若年層には秘匿されている魔族(異形)の事情も知っている。現国王であるウーピンとは幼馴染であり、彼に遠慮なく意見を言える数少ない人物。魔王への対決姿勢を強めるウーピンに危機感を抱いている。
ローワン
モッコスに殺された先王(ウーピンの兄)の息子。仲間想いの爽やかな好青年で、かつてモッコスとの才能の差に打ちひしがれていた自分を慰めてくれたラミーを心から愛し、全てにおいて彼女を優先している。モッコスの元部下たちについても「悲しき怪物」と考えるなど心優しい性格。
エスメラルダの預言を受け、古代文明の兵器を求めて仲間と共に旅に出た。ラミー以外の仲間を失いながらも辿り着いた古代遺跡で目的を果たし帰還するが、過酷な旅とラミーに起きた出来事のせいでやつれてしまっている。
ラミー
先代勇者バッカスの娘でモッコスの腹違いの妹。恋人でもあるローワンらと共に古代兵器探索に出ていた。
他者の苦しみに寄り添うことができる、兄とは正反対の心優しい性格。他者への暴力を嫌うがゆえに父に無能の烙印を押され、周囲からもいじめられて育ったため卑屈で、コミュニケーション能力にも乏しかったが、帰還後は国王の前でも平然と煙草を吹かすなど人格が豹変。公には過酷な旅で精神が激変したということになっているものの、実はギデオンに体を乗っ取られている。
闘争心も戦闘センスも皆無だが新人類としては平均以上の素質で、ザイダーマ基準では圧倒的な魔力と身体能力の持ち主。
アゴル
ザイダーマの警察官の一人で、ローワンやラミーの幼馴染。しゃくれた顎が特徴の青年。円卓飢死團ナイツオブラウンドに父親を殺されており、モッコスにも強い憎しみを抱いているが、ラミーには憎しみも下心も向けず親身に接する好漢。
フォック
ザイダーマの警察官の一人。子供のころから周りを煽ってラミーをいじめていた、性根の腐った人物。円卓飢死團ナイツオブラウンドに殺された被害者の遺族を煽ってモッコス討伐の主導権を握ろうとするが、ギデオンから制裁を受けて従わされることになった。
スカーレット
旧ザイダーマの監獄村で囚人監視の責任者を務める女性。顔や足などに傷跡が目立つ。魔力量はローワンの1.3倍ほどあり、幹部クラスの囚人以外は軽く制圧できる実力者。
先代勇者バッカス
モッコスとラミーの父親。表向きは質実剛健な人格者として振舞っていたが、本性は異常性欲を持った強姦殺人鬼。女子監獄の自分専用区画に無実の女性を冤罪で収監させては強姦の末に殺しており、モッコスとラミーもそこで孕まされた母親から生まれた。
幼少期のモッコスに対して虐待同然の修練を施し、当時のモッコスは期待してくれていると受け止めていたが、実際はストレス発散のサンドバッグとしか思っておらず、裏でその想いを爆笑しながら嘲笑っていた。
その一方で、裏の顔を知らない民衆から英雄扱いされることにも強い幸福感を覚えていたため、ウーピンをして「生涯見たクズの中でも最低のクソ野郎」と評されている。のちに王命でモッコスを粛清するも、その再生能力の前に返り討ちに遭い死亡した。
チャン・イーピン
ザイダーマの初代国王となった女性。日本の埼玉県に在住していた中国系住民の末裔で、当時欧州で虐殺の脅威に晒されていた東洋系の移民団をまとめ上げて新天地(アメリカ大陸)に渡った女傑。
真央によって移民団ごと大西洋の孤島に拉致され、そこで仲間と共にザイダーマを建国、真央との折衝にあたった実績から彼女の一族が現在のザイダーマ王家の開祖となった。

円卓飢死團ナイツオブラウンド

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10代のモッコスが古文書を参考にして国中の喧嘩自慢や犯罪者を束ね、立ち上げた愚連隊。警察や軍に甚大な被害をもたらし、ついには王権さえも簒奪したが、自身の力量では国を治めるのが不可能であることに気づいたモッコスは表向き「飽きた」ということにして1ヶ月でウーピンに王権を譲り渡した。モッコスは本名で呼ばれることを嫌うため、構成員は彼を「エドさん」または「総長」と呼ぶ。現在幹部クラスは4人が生存しており、いずれもギデオン水準で及第点を超える魔力量を持つ。

ノーマ
かつて円卓飢死團ナイツオブラウンドの幹部だった女性。モッコスを熱烈かつ一方的に愛していて妻を自称し、同じくモッコスを愛するマッシュとは度々殺し合っている。また、子供のころに縄張り争いの最中に出会って自分を綺麗と評してくれたベティのことも大切に想っている。
殺した人間の死体を使って悪趣味なオブジェを作ることを生き甲斐としており、モッコスからも悪い意味でイカれていると評される危険人物。魔力は新人類に及ばないが、ギデオンの戦い方を一目見ただけで模倣したり、「念動」の計算式コードを用い、周囲の岩石や土砂を材料に人形を形成して戦う(ギデオンの現役時代では「傀儡使いパペッティア」と呼ばれるタイプ)高い素質を持つ。
マッシュ
かつて円卓飢死團ナイツオブラウンドの幹部だった男性。癇癪持ちで、些細なことで激昂しては身内を惨殺し、その度に我に返って号泣する危険人物。かつてモッコスと戦って敗れ、その時自分を肯定してくれたモッコスを深く愛する一方、ノーマとはモッコスを巡って反発しあい、度々殺し合っている。
その正体はモッコスやステイシーと同じく外見が人間にしか見えない異形で、能力は「筋肉の操作と巨大化」。素の状態でも地面へのパンチ一つで周囲が大損害を被る破壊力を持ち、能力を発動すると異常に筋肉が膨張した怪物と化して、凄まじい破壊力と回復力を発揮する。
ベティ
ノーマの側近で眼帯を付けた隻眼の美女。常識的な感性の持ち主で、ノーマの言動に内心で呆れつつもイエスマンを務めている。モッコスのことはどうでも良いと考えているが、ノーマには幼いころに慰み者にされていたところを救われて以来強い思い入れを抱いており、どんな結末に終わろうとも一蓮托生になることを望んでいる。
ウォルム
マッシュの側近で顔を覆面で覆った大柄な男。ノーマに顎を引きちぎられて以来、喋ることができない。マッシュには完全に力で従わされており、事あるごとにストレス発散で殴られるため恐怖を抱いている。

その他の人物

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真央の初めての友達(仮称)
かつて真央が母親と共に流れついた町で出会った年上の少女。当時生きることに必須とされていた計算式コードの基本に躓き、家族から役立たず扱いされて売春を強要されていた。
真央が昼寝場所としていた場所で計算式の練習をしていたことで親しくなり、ある時、自分を助けるために真央が力を使ったことで異形であることを知る。その場では真央に泣いて感謝したが、悲惨な境遇から抜け出したいあまり懸賞金目当てに異形狩りに密告してしまう。結果母親を惨殺されて怒り狂った真央に追い詰められ、感情のままに自分と真央の境遇の違いを叫んで拒絶し、生きる気力も失う。最後は真央に殺されたが、その直前に自分にとって唯一安らげたのが真央と過ごした時間だったことを思い出し、後悔の涙と共に「ごめんね」と呟いた。
真央の母親
普通の人間の女性。顔立ちは真央によく似ている。異形として生まれた娘を守るため「他人と関わらないこと」が口癖になるほど娘に言い聞かせ、少しでも怪しまれたら他の土地へ移ることを親子の鉄則として生きてきた。しかし上記の通り真央の友人に娘の正体を知られて異形狩りに通報されてしまう。捕らえられて凄惨な拷問を受け、最期まで口を割らずに娘を庇い抜いて死亡した。生前は真央が寂しがっていることも承知していたが、それでも自分がずっと一緒にいてあげると慰めていた。
真央は母親の言いつけを破ったことを激しく後悔し、以後2年間、五木・薮内と出会うまで誰にも心を開くことなく生きていた。
ノクチルカ
大戦時代にロシアで真央一派とは別のグループを率いて暴れていた異形の少女。当時14歳。両掌に大きな眼があり、それ以外は人間の少女と変わらない姿をしている。
同郷の住人(人間も異形も含む)以外は人間も異形も関係なく害虫とみなして仲間と共に殺戮していた危険人物。能力は生物に当たると爆発する光球を発生させ、大量かつ数十万km2 という広範囲にばらまくというもので、光球はノクチルカ本人が消滅させない限り残り続け、生物を感知すると低速で追尾する性質を持つ。さらに自分や自分が除外指定した生物に触れても爆発しないようにすることも可能。この能力で支配地域を広げていたが、ギデオンに討伐され、能力のみを再現武器エミュレーターに加工された。
当時はノクチルカや真央以外にも世界各地で有力な異形が集団を率いて暴れまわっており、アフリカのユルグ、中東のアンカプット、東南アジアのグェンがいた。

対異形特殊部隊

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かつてギデオンが所属していたアメリカ合衆国陸軍の特殊部隊。当時のアメリカは国内の異形を全て駆逐することに成功していたが、世界各地では都市を単独で壊滅させるほどの異形が集まり勢力を拡大しており、この集団を潰すために結成された。アメリカ国内の強力な新人類を所属問わず集めており、構成員の肩書は軍人や自警団の他、賞金稼ぎやギャング、さらに死刑囚までいる。ギデオンとサバント以外は全員終戦までに戦死しており、単行本描き下ろしのおまけ漫画や真央とギデオンの回想に登場する。

サバント・ソフィア
若き天才科学者でギデオンの恋人。再現武器エミュレーターの開発者でもある。結成当時13歳で部隊では唯一普通の人間だが、既に蛇口を開発した実績を持っていた。
大戦を生き残った後はギデオンと共に地下シェルターに避難するものの、再現武器エミュレーターの副作用で恋人の体が蝕まれていくことに苦悩。ギデオンの望みで人格をデータ化して他者の肉体に移す技術を完成させるが、データ化の際にギデオン自身の生命活動を止めることになってしまい、人格データ転送後、耐えきれず自ら命を絶った。生前は通信で3分間だけ会話したメンザを敵ながら非常に尊敬しており、再び語らうことを望んでいた。
ギデオン・クリーパー
前歴:合衆国陸軍異形殲滅隊
#主要人物を参照。結成当時は14歳で、サバントに一目惚れした。
ルーシー・カナベル
前歴:合衆国陸軍異形殲滅隊
糸目とツインテールが特徴の女性。ギデオンとは同い年で、サバントたちと出会う前から共に戦ってきた最も長い付き合いの戦友である。ギデオンが他の女子に興味を示すと焦りだすなど、彼のことを異性として意識している模様。
ジミー・ダンフォード少佐
前歴:合衆国陸軍異形殲滅隊
ギデオン、ルーシーの異形殲滅隊時代からの上官で保護者のような存在。
ビリンバウ
前歴:黒人系自警団「デトロイトパンサーズ」代表
逞しい筋肉が自慢のブラジル系アメリカ人。愛称はビリー。「ナルシスト」「筋肉馬鹿」とも評されるが、ギデオンやルーシーに通信教育を勧め、人生の選択に有利になることを説くなど年長者としての面倒見の良さも併せ持つ。本業は研究者でジミーからは博士と呼ばれる。
エンジェル
前歴:バイカーチーム「テキサスエンジェルズ」総長
マスクをしたギャング風の女性。バイクと酒と喧嘩を生き甲斐としていて喧嘩っ早い性格。勉強ができることを理由に偉そうにする人間が嫌い。一方でサバントとは親友同士で、自分のバイクをマッハで走れるように改造して貰っている。
イン(兄)ヤン(弟)
前歴:中国系自警団「双龍幇」リーダー
双子の兄弟。陰険な性格でいつも誰かをおちょくっている。エンジェルのことを小姐(日本語で「アネゴ」)と呼ぶ。
シスターテレジア
前歴:人民教会 主席エクソシスト
右目周辺に火傷のような痕があるシスターの女性。仲間の喧嘩を穏やかに仲裁するなど聖職者らしい性格だが、異形に対しては神を貶めるためにサタンが放った悪魔であると捉えており、陰で「イカれ修道女」「真面目系のヤバい人」と揶揄されていた。一方でサバント、ルーシー、エンジェルと一緒にピースしながら写真に写るなど部隊の仲間とは気さくに接していた模様。戦闘では多数の異形の死体を念動で操り、ゾンビ軍団とすることを得意としていた。
ドニー
前歴:異形討伐懸賞金獲得額全米1位賞金稼ぎ
馴れ合いを嫌う一匹狼な性格の男性。自身のことをプロの狩人と称して強い自負を抱いており、自警団をアマチュア集団と見下している。あくまで報酬のために狩りを行い、無名の異形は犠牲者が出ても懸賞金が上がるまで放置していた。一方で残酷に殺すことは好まなかった模様。
フーディー
前歴:異形討伐懸賞金獲得額全米2位賞金稼ぎ
フードを被った少年。ドニーよりは社交的な性格で、仕事は半分遊びと考えて楽しんでいる。異形を殺す様子を自身の動画チャンネルにアップしており、スポンサーから貰った武器の宣伝も行っている。
ゾディア
前歴:死刑執行無期限延期中
顔に傷跡のある男性。一人称は「僕」で、やや子供のような性格をしている。異形を殺す前に拷問などの残虐行為を行うことを趣味とする変態だが、クレアのことは恐れている。
エディ
前歴:死刑執行無期限延期中
性別不詳の殺人鬼。声が高くて一人称は「私」。丁寧な口調で話す。異形の皮で作ったマスクや衣服に身を包んでいるが、ちゃんとした処理を施して着用しているとのことで不潔扱いされると怒る。免罪の条件として異形を殺しているだけで、本当は人間を殺したがっている。
クレア
前歴:CIA異形問題対策室 室長
部隊の発起人とされる女性。ゾディアとエディの体内に生殺与奪の権を握る監視アクセサリを埋め込んで逆らえなくするなど、目的のために容赦のない戦略をとることから、ギデオンやルーシーから「腹黒おばさん」と呼ばれて恐れられている。

用語

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技術

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魔法
新人類と呼ばれる子供たちから発見された人類・異形共通の能力。計算式コード(呪文)と呼ばれる文言を口述することで脳の休眠部位を活性化させ、一時的に手から炎を出すなどの超能力を得ることができる。種類は「発火」「発電」「爆発」「治癒」「肉体強化」「念動」「噴霧」「毒」の8つ。どれだけ正確に唱える必要があるか、唱えてから能力を使える時間がどれだけ持続するかなどは個人差がある。
新人類や強い異形は最初から脳の特定部位が活性化しており、計算式コード(呪文)を唱えずに魔法を発動することができる。
なお、モッコスは自身の魔法に汚物消毒ファイア(=発火)」「有機溶剤ケアル(=治癒)」「少年法プロテス(=肉体強化)」「副流煙ブライン(=噴霧)」といった名前を付けているが、商業版では諸般の事情により若干の修正が施されている。
魔素 / 魔力
魔法(超能力)の源となる酵素。「MP」という読み仮名を振られる場合もある。作中では、莫大な魔力を持つ強力な新人類や異形が生まれる条件は、母体にかかるストレスと母体が生き残らんとする意志の強さに起因するという仮説が立てられており、これが後の箱庭計画に繋がった。
導線
魔力を持つ生物が、特定の対象に意識を向けた時に対象に走らせる魔力の線。遠隔で能力を発動させる際に使うほか、視線や殺気なども導線となり集中するほど太くなる。これを感知できると相手の動きをことごとく先読みしたり、奇襲を回避できるようになる。自身が対象に導線を走らせないよう魔力を精密操作できれば、気配を完全に消しての奇襲も可能。
導線の感知・操作は非常に稀有な技能であり、現在作中で可能なのは真央とギデオンのみ。
転生機
異形の次世代を守るためにメンザが作った機械。対象の肉体を分解・再構築することで任意の肉体年齢にすることができる。
クローン量産防止の観点から「脳が生きている」状態でしか完全な転生(記憶を伴った転生)はできないが、死後でも早い段階、かつ脳が無事なら記憶引き継ぎなしの転生自体は可能。
不具合により、転生する度に対象者の魔力が減少し、固有能力にも劣化が生じる。加えてその魔力の減少率も当初は400年で3割減程度の割合だったようだが、さらに500年経った現代の真央は計算以上に大きく魔力が減っているような描写がなされている。
MNZ02 / メカメンザ
メンザの遺品で当時のメンザ相当の知識を持つ機械。機械のメンテナンスから文書の作成まで様々な業務をこなし異形社会の土台を支える。MNZ02としてよく出てくる機体はあくまで端末であり、本体は地下都市の中にある。
APC-2321 / 蛇口
かつて米軍で開発された、新人類以外でも魔法を無詠唱で使えるようにするための装置。腕時計のような形状の本体と装着者の肉体を管で接続することで体内の魔素の流れを制御する仕組み。
再現武器エミュレーター
かつて米軍で開発された、異形の異能を司る器官と機械を融合して固有能力を再現した生体兵器。元となる異形の力からは大幅に劣化しているが、それでも計算式コードでは不可能な破壊力を有している。米軍の対異形特殊部隊では、主要メンバーは全員専用の再現武器エミュレーターを所持していた。ギデオンが所持する「ノクチルカ」「ゲッセマネ」「錐」「BMW(ビリーズマーベラスウェポン)」の4つが現存している。

種族

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新人類
膨大な魔力を持ち、魔法を無詠唱で使える人類。あくまで魔力量が非常に高いだけの人間であり、異形のように特異な何かを持っているわけではない。
異形 / 魔族
計算式コードで表せない(≒上記8種に当てはまらない)固有の能力と、個体差はあるがおおむね常人の数倍から数百倍の筋力を持つ新種の生物。大戦時代は主に「ミュータント」「バケモノ」、現代では「魔族」「魔物」と呼ばれる。
姿形の幅は大きく、一般人とほぼ変わらない外見の者もいるが、あくまで「計算式コードで再現できない能力」を持っていれば異形である。また、外見や能力は遺伝し、例え人類とのハーフであっても子は異形となる。
外見と能力ゆえに人類から差別され、人身売買や虐殺の対象にもなったが、真央を中心として結束し人類との間に戦争を起こした。
遺伝子改造動物 / モンスター / メンザビースト
真央たちが放射線汚染から逃れる際、生態系の保全のため地下に持ち込んだ動植物をメンザが改良し、放射線耐性や戦闘力、異形への忠誠心などを付与したもの。現代の人類からは脅威とみなされているが、モルモシティでは訓練した遺伝子改造動物同士を戦わせる「メンザビーストバトル(MBB)」が大衆娯楽として定着している。

地名

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東の街 / モルモシティ
次世代異形の中でも純血主義の者たちが住んでいる街。やがて興業と賭博を軸に様々な産業が充実した最大の盛り場と化し、モルモの一族が代々治めるようになった。人類文化に排他的で、人類でも使える計算式コードを忌み嫌っている。
西の街 / ライブラリ
人類文化を敵対視する東に対して逆に尊重した者たちの街。当初は飛が治めていたが、一線を退いて以降は陽和の子孫が治めているような描写がなされている。
箱庭自治区
放射線耐性を持つ人類の中から新たに生まれた異形たちの街。直接的に人類から生まれたということで東の街の住民からは差別されているが、自治区民も人類文化を敵視しているため、西の街とも険悪な雰囲気である。オースティンの一族が代々治めているような描写がなされている。
地下都市 / セントラル
真央たちが放射線汚染から逃れるため地下に築いたシェルター。現在は3つの街の中立地帯となっている。MNZ02の本体もここに存在し、そういう点でも重要な拠点である。
監視島 / 魔王の島
ザイダーマの状態を監視するために用意された無人島。ザイダーマ本土から見て南に位置する。飛以外の幹部や友人全員と死別した後、異形たちから神格視されることを嫌った真央が転生機を持ち込んで新たな拠点とした。

その他

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箱庭
未だ放射線汚染が解消されない欧州を征するために真央が考えた計画。放射線耐性を持つ人々を攫い洋上の孤島に隔離、ストレスを調整し放射線耐性のある強力な異形を生み出すというもの。これで集められた人々が後にザイダーマを作り、モッコスが誕生するに至った。

書誌情報

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  • いとまん『ドキュンサーガ』KADOKAWA 〈MFC〉、既刊5巻(2024年9月21日現在)
    1. 2021年3月23日初版発行(同日発売[2][3])、ISBN 978-4-04-680318-4
    2. 2021年3月23日初版発行(同日発売[4])、ISBN 978-4-04-680319-1
    3. 2021年8月20日初版発行(同日発売[5])、ISBN 978-4-04-680462-4
    4. 2022年8月22日初版発行(同日発売[6])、ISBN 978-4-04-681124-0
    5. 2024年9月21日配信(電子版のみ[7])、ASIN B0DGFK6557

脚注

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  1. ^ 新ウエッブコミックサイト WebComic アパンダ 本日オープン!! - 無料コミック ComicWalker” (2021年7月18日). 2021年7月18日閲覧。
  2. ^ “「ドキュンサーガ」単行本化、クズ勇者と少女魔王の出会いから始まるSFファンタジー”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年3月23日). https://natalie.mu/comic/news/421272 2021年3月24日閲覧。 
  3. ^ ドキュンサーガ 1”. KADOKAWA. 2021年3月25日閲覧。
  4. ^ ドキュンサーガ 2”. KADOKAWA. 2021年3月25日閲覧。
  5. ^ ドキュンサーガ 3”. KADOKAWA. 2021年8月20日閲覧。
  6. ^ ドキュンサーガ 4”. KADOKAWA. 2022年8月22日閲覧。
  7. ^ ドキュンサーガ 5”. KADOKAWA. 2024年11月3日閲覧。

外部リンク

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