ツノオオバン

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ツノオオバン
保全状況評価[a 1]
NEAR THREATENED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: ツル目 Gruiformes
: クイナ科 Rallidae
: オオバン属 Fulica
: ツノオオバン F. cornuta
学名
Fulica cornuta Bonaparte, 1853
和名
ツノオオバン
英名
Horned coot

ツノオオバンFulica cornuta)は、ツル目クイナ科オオバン属に分類される鳥類

分布[編集]

アルゼンチン北西部、ボリビア南西部、チリ北部[1][2][a 1]

形態[編集]

全長45.5-53センチメートル[2]。全身の羽衣は灰黒色[1][2]。尾羽基部の下面(下尾筒)には2本の白い筋模様が入る[1]

虹彩は橙褐色[2]。額には黒い肉質の突起があり[1]、この突起を伸縮させたり逆立てることができる[2]。嘴は黄緑色や橙黄色で、上嘴には稜に沿って黒い斑紋が入る[1][2]。後肢は緑褐色で、関節は暗灰色[2]

生態[編集]

標高3,000-5,200メートルにある淡水塩湖に生息する[1]

食性は植物食で、植物の葉、種子、水生植物などを食べる[1][2]

繁殖形態は卵生。80ペア以下の集団繁殖地(コロニー)を形成する[1][2]。10-翌2月に浅瀬に直径4メートル、高さ0.6メートルに達する石を積み上げその頂部に植物などを敷いた巣を作るが[1]、大きな石の上や浮草の上に巣をつくることもある[2]。3-5個の卵を産む[1][2]。雌雄共に育雛を行う[1]

人間との関係[編集]

家畜による生息地の破壊や水質汚染、狩猟や卵の採取などにより生息数は減少していると考えられている[1]。ボリビアでの1989年における生息数は2,800羽、チリでの1993年における生息数は600羽と推定されている[1]

画像[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ3 中央・南アメリカ』、講談社2001年、69、190頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 黒田長久、森岡弘之監修 『世界の動物 分類と飼育10-II (ツル目)』、東京動物園協会、1989年、84-85、167頁。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  1. ^ a b The IUCN Red List of Threatened Species
    • BirdLife International 2008.0. Fulica cornuta. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.