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ターミンジカ

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ターミンジカ属から転送)
ターミンジカ
ターミンジカ
ターミンジカ Cervus eldii
保全状況評価[1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 偶蹄目 Artiodactyla
: シカ科 Cervidae
亜科 : シカ亜科 Cervinae
: ターミンジカ属[2]
Panolia Gray, 1843[3]
: ターミンジカ P. eldii
学名
Panolia eldii (McClelland, 1842)[3]
シノニム

Cervus eldii M'Clelland, 1842[1]

和名
ターミンジカ[4]
英名
Brow-antlered deer[1]
Eld's deer[1][5]
Thamin[1]

ターミンジカPanolia eldii)は、哺乳綱偶蹄目シカ科に分類されるシカ。別名エルドジカ[4]

分布

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インド北東部、カンボジアタイ中華人民共和国南東部、ベトナムミャンマーラオス

形態

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体長150-170cm。尾長2-5cm。肩高114-130cm。体重95-150kg。眼の周囲や耳介の外縁、下顎は白い体毛で被われる。

蹄(主蹄)は長く、蹴爪(側蹄)も発達し主蹄と蹴爪の間が硬い。長い主蹄や主蹄と蹴爪の間が硬い部分により接地面が大きくなり、ぬかるんだ場所でも足をとられずに移動する事ができる。後肢の踵には臭腺(中足腺)がある。

夏季は背面が赤褐色、腹面が淡褐色の体毛で被われる。冬季には背面が暗褐色、腹面が白い体毛で被われる。幼獣は白い斑点が入る。

オスには前方に湾曲した弓状のがある。角の長さは最大99cm。第1枝は左右へ湾曲し、第2枝は角幹のやや後方で分枝する。またオスの頸部には鬣状に体毛が伸長する。

分類

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長らくRucervusヌマジカ属)の所属とされてきたが、分子系統によって、ヌマジカよりもシフゾウに近縁なことが判明し[6][7]、角の構造もヌマジカとは異なる[8]ことから、独立したPanolia[9][10]に移すことが提案された[6][8]

3亜種に分かれるとされる[5]。2011年には亜種をそれぞれ独立種(P. eldiiP. thaminP. siamensis)とする説も提唱されている[3]

Panolia eldii eldii マニプルターミンジカ
インドマニプル州

生態

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湿原などに生息する。オスは単独、メスは群れを形成し生活する。泥浴びを好み、気温の高い日には森林へ移動する。

食性は植物食で、主にを食べるが木の葉、果実なども食べる。

繁殖形態は胎生。2-5月に交尾を行う。1回に1頭の幼獣を産む。授乳期間は42週間。オスは生後1年6か月-2年で性成熟する。

人間との関係

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開発による生息地の破壊、角目的の乱獲などにより生息数は減少している。基亜種は1950年代に絶滅したと考えられていたが、1975年に再発見された[11]

関連項目

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参考文献

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  • 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科4 大型草食獣』、平凡社、1986年、84頁。

外部リンク

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脚注

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  1. ^ a b c d e Gray, T.N.E., Brook, S.M., McShea, W.J., Mahood, S., Ranjitsingh, M.K., Miyunt, A., Hussain, S.A. & Timmins, R. 2015. Rucervus eldii. The IUCN Red List of Threatened Species 2015: e.T4265A22166803. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2015-2.RLTS.T4265A22166803.en. Accessed on 16 June 2022.
  2. ^ 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・鈴木聡・押田龍夫・横畑泰志「世界哺乳類標準和名リスト2021年度版」日本哺乳類学会、2021年12月24日公開、2022年6月17日閲覧。
  3. ^ a b c Groves, C. and Grubb, P. “Panolia Gray, 1843”. Ungulate Taxonomy. Johns Hopkins University Press, 2011. Pages 93-94.
  4. ^ a b 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志 「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。
  5. ^ a b Peter Grubb, “Order Artiodactyla,” In Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (eds.), Mammal Species of the World (3rd ed.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 637-722.
  6. ^ a b Pitra, C., Fickel, J., Meijaard, E., Groves, C.P. (2004). Evolution and phylogeny of old world deer. Molecular Phylogenetics and Evolution 33: 880–895.
  7. ^ Gilbert, C.; Ropiquet, A.; Hassanin, A. (2006). "Mitochondrial and nuclear phylogenies of Cervidae (Mammalia, Ruminantia): Systematics, morphology, and biogeography". Molecular Phylogenetics and Evolution. 40 (1): 101–17. doi:10.1016/j.ympev.2006.02.017. PMID 16584894.
  8. ^ a b Samejima, Y.; Matsuoka, H. (2020). "A new viewpoint on antlers reveals the evolutionary history of deer (Cervidae, Mammalia)". Scientific Reports. 10: 8910. doi:10.1038/s41598-020-64555-7.
  9. ^ Groves, C. (2006). The genus Cervus in eastern Eurasia. European Journal of Wildlife Research 52: 14–22
  10. ^ Groves, C. and Grubb, P. 2011. Ungulate Taxonomy. The Johns Hopkins University Press, Baltimore, USA.
  11. ^ 小原秀雄「ターミンジカ」小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』、講談社、2000年、153頁。