タリヤイ・サンドヴィク・ムー

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タリヤイ・サンドヴィク・ムー
Tarjei Sandvik Moe
Tarjei Sandvik Moe
生年月日 (1999-05-24) 1999年5月24日(24歳)
出身地  ノルウェーオスロ
身長 185cm
職業 俳優, 脚本家
活動期間 2015-
公式サイト プロフィール
主な作品
SKAM
 
受賞
Gullruten Audience Award (2017)
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タリヤイ・サンドヴィク・ムー(Tarjei Sandvik Moe, 1999年5月24日 - )[1] は、ノルウェー出身の俳優。ノルウェーのティーン向けドラマ『Skam』シーズン3の主人公・Isak Valtersenを演じたことで一躍有名となった。彼の演技と『Skam』シーズン3は、ステレオタイプではない同性愛の描写によって広く賞賛を受け、共演者のヘンリック・ホルムと共に、ノルウェーの権威ある賞を2つ受賞した。

Skam』終了後は、ミュージカル『Grease』ノルウェー公演に出演。2018年には映画『En affære』に出演した。

キャリア[編集]

Skam』Isak Valtersen役として、シーズン1から最終シーズンのシーズン4までの全てに出演。シーズン3では主人公として脚光を浴びた[2] 。ムーの演じるIsakのキャラクター、そして『Skam』シーズン3は、ステレオタイプな表現にとらわれない脚本や人物造形で同性愛を描いたことで広く賞賛され[3][4][5][6]、ソーシャルメディア上の非公式翻訳を通じて海外の視聴者がシリーズを追うなど、同シリーズが世界的現象となる要因となった[7][8]

ムーは、Isakを演じたことにより、ノルウェーで毎年開催される同国のテレビ業界の表彰式 Gullruten2017の最優秀男優賞にノミネートされた[9] 。この賞は逃したものの、Evenを演じたヘンリック・ホルムと共に視聴者賞を受賞。また、年間最優秀テレビモーメントでは、同じく『Skam』シーズン3より、シーン「O Helga Natt」が選出された。このシーンは、ムーとホルムによるシーズン3のクライマックスである[10] 。授賞式の生中継では、キスカムがムーとホルムを捉えるという場面があった[10] 。あらかじめ調整されたものではなかったにもかかわらず、彼らは自然なキスを披露してみせ、ノルウェー中の話題となった。授賞式のプロデューサーは俳優たちにキスをさせるつもりはなく、授賞式の司会者に「前に見たことがある(『Skam』劇中で)」とコメントさせて、カメラをパンアウトさせるつもりだった。ムーとホルムは報道陣に対し、キスカムについて「予想外だった」としながらも、「もう慣れた」とコメントした。2人のキスはそれまでに参加したパーティーで頻繁に求められた行為であると言及した[11]

2017年7月1日にはオスロプライド に参加。『Skam』の共演者であるCarl Martin Eggesbø、プロデューサーのMarianne Furevold-Bolandと共に、「Fryd」賞を受賞した。この賞は、ジェンダーとセクシュアリティに関する概念をポジティブな方法で打破する人物や団体に授与されるものである[12] 。また、2018年2月には同シリーズの共演者Iman Meskiniと共に王宮での晩餐会に招かれ、ケンブリッジ公爵ウィリアム皇太子ウェールズ公妃キャサリンに面会する名誉を得た。ウィリアム皇太子とキャサリン公妃はS『Skam』が撮影された高校を訪れ、同シリーズのキャストたちと共に、『Skam』が世界中の人々に与えた大きな影響について話し合った[13]

高校卒業後は、舞台俳優としても活躍。2018年、ミュージカル『Grease』のDoody役で評価を得たのち、Oslo Nye Teaterで俳優として採用された。エレナ・フェッランテの小説『ナポリの物語』を基にした演劇作品などに出演した。2021年の春には、Oslo Nye Teaterのモノローグ劇『20 November』に出演し、非常に高い評価を受けた[14][15]。また、2018年に公開されたヘンリク・マルティン・ダールスバッケン(Henrik Martin Dahlsbakken)監督の長編映画『En affære』(生徒と不倫する教師を描いたエロティック・スリラー)では、主役の一人を務めた。2023年には、Netflix映画の『Royalteen: Princess Margrethe』[16]にカメオ出演している。その他数々の舞台、TVドラマ、ショートフィルムなどへの出演、さらには脚本[17][18]を手がけるなど、幅広く活躍している。

私生活[編集]

ムーはノルウェーの高校 Hartvig Nissen[19]に通っていた。Hartvig NissenはSkamの撮影地である。

2018年9月、ノルウェーのトーク番組『Senkveld』にゲストとして出演し、自らの性的指向を公に(カミングアウト)しないという決断について尋ねられた。ムーは、自分のセクシュアリティはプライベートな問題であると回答した。さらに、「人間というのは、自身の性的指向よりもずっと大きな存在だ。『彼はヘテロだ』とか『彼はゲイだ』とか、そういう大きな見出しがつくのは嫌なんだ。僕は俳優で、それが僕だ。だからそこに焦点を当てたい。『男の子が好きか女の子が好きか 』ということに焦点を当てることは、僕にとって重要ではない。」と述べた[20]

出演作品[編集]

映画およびTV[編集]

Year Title Role Notes
2015–2017 Skam Isak Valtersen TV series
2017 Melk Tinder guy TV series
The Emoji Movie Alex Norwegian dub
2018 En affære Markus
2019 Strømmeland Himself Comedy TV series
On/Off Short film. Alternative title: The Boyfriend Experience
Skitten Snø Nicolas TV series
2020 Vi Burde Ha Vært På Film Alvin Short film. Script written by Tarjei.
Gledelig Jul Petter
2021 Maxitaxi Driver Johannes TV series
Hemale Education Alvin Short film
2022 Possession Oscar

舞台[編集]

Year Title Role Notes
2016 What Would Jesus Do Antiteateret
2017 Det Går Bra
2018 Grease Doody Chateau Neuf
Nyanser Av Gris Milan Antiteateret
Fru Guri av Edøy Halvard Smøla
Snøfall Håkon Oslo Nye Teater
2019 En sporvogn til begjær
Min briljante venninne Alfonso, Peppe, Dario
Snøfall Håkon
2020 Til Ungdommen
2021 20. November Sebastian Bosse

脚注[編集]

  1. ^ Sofie Braseth (2016年12月15日). “Tarjei (17) hylles for "Skam"-rollen. Men kan han vinne Gullruten?” (Norwegian). Dagbladet. 2017年2月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年1月21日閲覧。
  2. ^ Korsvol. “Nå er Skam på lufta”. Aftenposten. Schibsted. 2017年6月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月21日閲覧。
  3. ^ Malm. “"Skam" hylles for å vise ekte homofil kjærlighet”. NRK. 2017年2月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月21日閲覧。
  4. ^ Taylor. “How Skam's Isak and Even revolutionized teen TV”. Interview Magazine. 2018年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月21日閲覧。
  5. ^ Kickham. “'Skam' Is The Viral Norwegian Teen Show You Need To Watch”. Elite Daily. 2019年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月21日閲覧。
  6. ^ McDermott. “Why The Whole Planet Is Obsessed With This Norwegian Teen Drama”. The Fader. 2018年9月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月21日閲覧。
  7. ^ Donadio. “Will 'Skam,' a Norwegian Hit, Translate?”. The New York Times. 2019年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月21日閲覧。
  8. ^ McHenry. “A Beginner's Guide to Skam, Your New Teen-Drama Obsession”. Vulture. 2019年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月21日閲覧。
  9. ^ Nobel, Valkyrien, Leo Ajkic, Anne Lindmo, Petter Uteligger og Lothepus nominert til Gullruten” (Norwegian). Dagbladet. 2017年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月8日閲覧。
  10. ^ a b Carlsen. “Skam vant årets TV-øyeblikk og publikumsprisen”. NRK. 2017年5月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月21日閲覧。
  11. ^ Braseth. “"Skam"-stjernene kysset på direkten. Men egentlig skulle de slippe”. Dagbladet. 2018年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月21日閲覧。
  12. ^ Revheim. “Frydprisen til "Skam"”. NRK. 2017年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月21日閲覧。
  13. ^ William og Kate på "Skam"-skolen”. 2018年2月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年2月5日閲覧。
  14. ^ Brinch, Sara (2022), Nye typer mat på alles fat. NRKs rolle som megler av nye tanker om mat, Cappelen Damm Akademisk/NOASP, pp. 223–244, https://doi.org/10.23865/noasp.155.ch8 2023年5月13日閲覧。 
  15. ^ Olausson m.fl, P. Otterblad (2009-10-14). “Stor användning av registerdata i svensk forskning – en nordisk konkurrensfördel”. Norsk Epidemiologi 14 (1). doi:10.5324/nje.v14i1.286. ISSN 0803-2491. https://doi.org/10.5324/nje.v14i1.286. 
  16. ^ Watch Royalteen: Princess Margrethe | Netflix Official Site” (英語). www.netflix.com. 2023年5月13日閲覧。
  17. ^ (英語) We Should Be a Movie (Short 2020) - IMDb, https://www.imdb.com/title/tt10553396/ 2023年5月13日閲覧。 
  18. ^ (英語) Kunsten er død (Short 2023) - IMDb, https://www.imdb.com/title/tt27371272/ 2023年5月13日閲覧。 
  19. ^ Braseth. “"Skam"-Tarjei (18): - Hvis alle tror du har kjæreste, er det et veldig dårlig utgangspunkt for å skaffe seg kjæreste”. Dagbladet. 2018年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月21日閲覧。
  20. ^ Senkveld Tarjei Sandvik Moe”. YouTube (2018年9月28日). 2019年9月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月29日閲覧。

外部リンク[編集]